牧さんのレビュー一覧

プルメリアのころ。 小説

尾上与一   

1945

これで最後と思うと感慨深い。
というかすごく寂しい。

本作プルメリア。
これまでのヒロイン、、、もとい、受はどちらかというと
ヤンチャな子が多かったので今回はうってかわってな印象。
高いところが怖い。戦争がこわい。人を殺すなんてもっと怖い。
震えて泣いて、吐いて叫んで。
やかましいという意味ではこれまでと同様かもしませんが(笑

貴族に生まれた受と貧乏な家庭で生まれた攻。

5

蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

「聞け。ローレライの声を。――恋しいと鳴く魔物の歌を。」

冒頭おあらすじから、生きているのぞみはないのだろうとわかってはいましたが、読んでいるうちに、もしかして……と期待してしまいました。
傷付き、頑なな塁にまっすぐ向き合い、ぶつかり、信念を貫き、生かそうとした三上。
彼に救われ、癒され、生きたいと思いながらも死んでいった塁。
生きたいと思いながら死んでいくことの怖さ、苦しさ、つらさ、寂しさ、悲しさ、色々な想いが溢れて涙が止まりませんでした。
塁…

7

彩雲の城 小説

尾上与一   

二人だけの彩雲の城

冒頭の伊魚の内心の言葉から、なんとなく肉体関係かな?とは思っていたものの、明かされるまでに時間がかかったために過呼吸の原因はレイプなのかな?いやでも冒頭と矛盾するよな??と考えながら読めて、楽しかったです。麗人と言われたくてトイレを我慢したという伊魚がいじましくもあり面白くもあり…
帰るところをもたなかった伊魚と藤十郎が、帰るところを見つけられて本当によかったです。戦時中の、ペアという関係だから…

6

プルメリアのころ。 小説

尾上与一   

良作

もどかしく、切なくなりながら読みました。
与えられるものを受け止められずに、怖がりながら、それでも健気な千歳は可愛くもあり、腹立たしくもあり……
家での暮らしは見ていて可哀想でなりませんでしたが、あまりの頑なさに、この二人は本当に結ばれるのだろうか?千歳は生きて終戦を迎えられるのだろうか?と不安になることもしばしば。
受けというよりはヒロインという方がしっくりくる千歳が、最後には男らしい面を…

5

プルメリアのころ。 小説

尾上与一   

千歳、まじヒロイン

大好きな1945シリーズの最後を締めくくる作品なので、“神”評価をつけたかったのですが、今回は登場人物に感情移入ができず…。
すみません、なにより千歳があまり好きになれませんでした。なんちゅーか…坊っちゃんを通り越して、深窓の令嬢みたいな感じで、とても軍人さんには見えないんですよ。
全然関係ないですが、某図書館を戦場とした作品に出てくるヒロインの方が、よほど男らしいと思いました。
怪我をした…

4

蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

塁が男前過ぎる

まだ「プルメリアのころ。」を読んでいないのですが、1945シリーズの中では今のところ一番印象深いです。
これまでのシリーズでは、死にそうになるけど結局生き残り幸せになったカップルばかりでした。
前もってこちらのレビューを読んでたので、結末は想像できていたとはいえ、生きている可能性もゼロではないと思っていました。でも、最後まで読んで理解してしまいました。彼はあのときに…。
裕福な家庭に生まれな…

7

彩雲の城 小説

尾上与一   

呪いの人形

婀娜っぽい!伊魚が、軍人さんにも関わらず婀娜っぽいです。でも、決してなよなよしているわけではないのです。
本編はあまり濡れ場はありませんでしたが、「謹製ヘルブック」は結構濃厚なシーンがありました。
伊魚は前の男に僅かばかりの未練があるのかなー、と途中思ったりもしました。なんせ初めての相手だから。でも、それよりも、汚い自分を藤十郎に見せたくなかったし、いずれ捨てられてしまうと考え、なかなか素直に…

2

碧のかたみ 小説

尾上与一   

どら猫

戦闘機、星、宮沢賢治、そしてツンデレな受け…これだけ私の大好物を詰め込んでいて、“神”以外の評価をつけられるはずありません!
戦闘機を操縦する腕は天下一品で、愛らしい見た目なのにあまり人に懐かない猫みたいな恒が本当に可愛かったです。恒は前作で戦死したとされていたし、タイトルにも「かたみ」とあるから、悲劇的な最後になるかとヒヤヒヤしました。
せっかく仲良くできそうだった斉藤が戦死してしまったのは…

2

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三上、本気で悩んでます


 男同士の「契り」に必要なものについて誰かに訊ねたいけれど...
話が話だけに、相手は慎重に選ばなくてはいけません。それでなくとも三上には 浅群の寵愛を得ている~ だの、城戸の寵愛も得ている~ だのいう噂が立っていましたし。
考えに考えた末、三上は思い切って秋山さんに相談することにしますが....。

 三上、ぐるぐる悩みます。そのぐるぐるアワアワしている様や ニブチンとんちんかん…

1

天球儀の海 小説

尾上与一   

光の射す方へ

同人誌「葉隠否定論」の感想も含みます。

この作品に惹かれた方は是非とも「葉隠〜」を読むのをオススメしたいのですが、現在は手に入りにくい様ですね。いずれは商業誌になったりしないのかなー。
本作「天球儀〜」は希目線のストーリーなので、希がどれほど一途に資紀を想い、身代わりに死ぬことを待ち望んだかが描かれています。資紀が飛び立った後、希が資紀の母親から責められるシーンは、胸が痛みます。殴られなが…

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