牧さんのレビュー一覧

彩雲の城 小説

尾上与一   

呪いの人形

婀娜っぽい!伊魚が、軍人さんにも関わらず婀娜っぽいです。でも、決してなよなよしているわけではないのです。
本編はあまり濡れ場はありませんでしたが、「謹製ヘルブック」は結構濃厚なシーンがありました。
伊魚は前の男に僅かばかりの未練があるのかなー、と途中思ったりもしました。なんせ初めての相手だから。でも、それよりも、汚い自分を藤十郎に見せたくなかったし、いずれ捨てられてしまうと考え、なかなか素直に…

2

碧のかたみ 小説

尾上与一   

どら猫

戦闘機、星、宮沢賢治、そしてツンデレな受け…これだけ私の大好物を詰め込んでいて、“神”以外の評価をつけられるはずありません!
戦闘機を操縦する腕は天下一品で、愛らしい見た目なのにあまり人に懐かない猫みたいな恒が本当に可愛かったです。恒は前作で戦死したとされていたし、タイトルにも「かたみ」とあるから、悲劇的な最後になるかとヒヤヒヤしました。
せっかく仲良くできそうだった斉藤が戦死してしまったのは…

2

蒼穹のローレライ くまざわ書店オリジナルペーパー グッズ

三上、本気で悩んでます


 男同士の「契り」に必要なものについて誰かに訊ねたいけれど...
話が話だけに、相手は慎重に選ばなくてはいけません。それでなくとも三上には 浅群の寵愛を得ている~ だの、城戸の寵愛も得ている~ だのいう噂が立っていましたし。
考えに考えた末、三上は思い切って秋山さんに相談することにしますが....。

 三上、ぐるぐる悩みます。そのぐるぐるアワアワしている様や ニブチンとんちんかん…

1

天球儀の海 小説

尾上与一   

光の射す方へ

同人誌「葉隠否定論」の感想も含みます。

この作品に惹かれた方は是非とも「葉隠〜」を読むのをオススメしたいのですが、現在は手に入りにくい様ですね。いずれは商業誌になったりしないのかなー。
本作「天球儀〜」は希目線のストーリーなので、希がどれほど一途に資紀を想い、身代わりに死ぬことを待ち望んだかが描かれています。資紀が飛び立った後、希が資紀の母親から責められるシーンは、胸が痛みます。殴られなが…

6

『千歳威厳計画デラックス』 プルメリアのころ 書き下ろしショートストーリー小冊子 グッズ

千歳に『威厳』…?

コミコミスタジオさんで購入すると特典でいただける小冊子です。A5サイズで、小説部分は7ページ。タイトルは『千歳威厳計画デラックス』。

さて内容をざっくりと。すみません、ネタバレしてます。


尾上さんの1945シリーズの『碧のかたみ』の恒と六郎視点で書かれています。時系列はラバウルにいた時のお話。

恒が『アイツ、いいな。艦爆の』と六郎に話し始めます。
六郎が成績のいい艦爆の…

1

プルメリアのころ。 小説

尾上与一   

優しいストーリーでした。

1945シリーズ最終巻ということで楽しみに待っていました。内容はすでに書いてくださっているので感想を。

貧しい畳屋の息子で、出世を求めてラバウルにやってきたカズイ(攻め)。
伯爵家の息子で、軍でも少尉という位にありながら複雑な家庭環境によって軍の中でも軽視され、また自身の居場所を見つけられない千歳(受け)。

尾上さんの書かれる1945シリーズはこういう設定(向上心があり万人受けする性…

7

プルメリアのころ。 小説

尾上与一   

シリーズ最後を飾る佳作 ~ 永遠へ

1945シリーズの最終巻。
明るく未来に広がるような、そんな暖かな読後感の作品だった。


舞台はラバウル。
日本に居場所がなく、追いやられるように来た海軍でも
やはり居場所がない伯爵家の息子・千歳と
出世を求めてやってきた貧しい畳屋の息子・一(カズイ)。

飛行の度に恐怖に喚き、ゲーゲー吐く千歳と組むことになり
とんだ貧乏くじだと思うカズイだったが、
実はそんな様でも千歳は…

5

蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

こぼした涙の数よりも

表紙にひとめぼれして、読みたい!と思い始めてからいくばくか。
設定だけで泣いてしまい読む勇気がなくいくばくか。
ようやく読み終わり。
読み終わってからしばらく冷却期間を置いてた。

結末は、レビューで知っていたので
余計に涙がこぼれて仕方なかったのですが
なんだろうな。読み終えてみるとさほど胸にしこりが残っていないのです。
すべてはこの攻の性格があってこそと思うのです。

お話…

10

蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

恋しい

あらすじで結末は大体把握して、頭では理解していました。

でももしかしたら、もしかしたら本当は違う結末なんじゃないか。淡い期待を持って読んだのも事実です。




涙が出ます。暫く立ち直れそうにありません。

強くあろうとした、脆く儚い人 浅群塁。
彼を理解し、助け、愛した三上徹雄。

ひとりぼっちの塁にとって、三上は本当に太陽のような存在だったのかもしれません。

6

彩雲の城 小説

尾上与一   

めでたしめでたし

どうなることやらと読み進めていたのですが
シリーズ中で一番好きな攻でした。
惚れた相手のためにめいっぱいな攻が好き。
愛を糧にする感じがなんともいえず。
故に、この受にはあってたのかなと思うのです。
「全部やると言った」と激怒するシーンが好き。
思わず涙ぼろぼろ出てしまいました(ノД`)・゜・。

さて、メインの二人は操縦士×偵察員。
最初から願った相手ではなかった。
けれど…

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