尾上与一さんのレビュー一覧

彼岸の赤 小説

尾上与一  コウキ。 

生きる赦し

2月にホーリーからデビューした作家さんの今月はドルチェから。
視点や表現が独特でユニーク(面白いと言う意味ではなく)なんだと思いました。
「二月病」では少し切なさが表立った作品だったのですが、今回も切なさやりきれなさが満載かとおもいきや!?
その理由や事柄は悲惨であるものの、対照的な生き方をする二人が主人公であったために、そして何よりラストでの或る意味ドンデン的な展開。
絶望的な僧侶以外は…

2

彼岸の赤 小説

尾上与一  コウキ。 

まじめなヤクザと僧侶

攻めの幸久はかなりいい人です。ヤクザには偶然もかさなり、たまたま引きずられて、なってしまっただけというか。つい人に譲ってしまう性格が災いしてきた、常識人です。
 人の罪をかぶって入った刑務所から出ても失職してて。でもまあ人生を再出発だ、というところで受けの僧侶:恋慈に、飛び降り自殺に間違われ、大怪我をします。
恋慈のお寺で過ごすうち、攻めの幸久は恋を自覚し、告白するのだけど、恋慈は幸久に惹かれ…

5

二月病 小説

尾上与一  黒沢要 

愛の行く先を見送るもの

作者さんの初の単行本。
これを読み終わった後、ひたすらに自分の気持ちは主人公達を見届けた若田の気持ちになり、まるで千夏が集めたボルトが一個、胸に埋め込まれたような感覚になりました。

実際に四国で起きた鉄塔倒壊事件、自分的にはその後のカルト集団事件に関連したもののほうが印象に残っていたのですが、その事件を題材にここまで物語を構想できる作者さんに素晴らしいと思いました。
場所が四国だけに霊場…

3

彼岸の赤 小説

尾上与一  コウキ。 

死んでしまった心の再生

元ヤクザと寺の僧侶との勘違いとトラブルから始まった切なくの甘いお話です。

攻め様は元ヤクザ、知り合いの罪をかぶって身代わりに捕まり刑務所を半年ぶりで
出所してきたのですが、組からは既にクビにされていて・・・
まぁ、ヤクザと言ってもなりたくてなった人ではなく、成り行きで拉致されるように
IT系にもそこそこ知識があった為に、末端の組員に違法AVコピーや経理なんかを
させられていた雇われヤ…

5

二月病 小説

尾上与一  黒沢要 

幸せの形

もしもあの事件の裏にこんな真実が隠されていたら・・・
なんてかなり本格的なミステリーですっかり惹きこまれてしまいました。
坂出市の事件をモチーフにしているお話みたいで、読む進めるうちに事件を思いだし
ました、不思議な倒壊事件だったので未だに記憶に残ってました。

千夏と蒼司は高校3年で同級生の親友同士、千夏は幸せになりたいと運命の女性が
現われるのを待っているような感じで、今までも何人…

4
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