尾上与一さんのレビュー一覧

彩雲の城 小説

尾上与一   

唯一無二

この二人が大好きです。
すごく苦しい過去持ちの不憫なペア。読んでいて切ないのですがそれ故にかけがえなさを感じます。

最初は藤十郎が六郎を偵察員に熱望しているところから始まるので、月光ペアと同じ時間軸、同じ基地にいることがわかります。
割り当てられた機体は難しい「彗星」
苛立つ藤十郎と拗れた伊魚の駆け引きが切なくて焦れて、狂おしいほど萌えました。

尾上先生が「ボケもツッコミもいける…

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氷雪の王子と神の心臓 小説

尾上与一  yoco 

怒りと悲しみに沈んだスピンオフ

「花降る王子の婚礼」のスピンオフ。リディルの長兄(エウェストルム第一王女)ロシェレディアと、アイデース第五皇子イスハンの物語。
「花降る王子の婚礼」がとても面白かったので(特に1冊目)発行順に本書を読みましたが、いやあ難航しました。こんなに読むのに苦労するとは。
1~2巻は先がどうなるのかわくわくしてページをめくり、1巻などは気になって睡眠時間を削ってしまうほどでしたが、本書は逆で全然進まない…

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蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

しっかりと受けとめる

小説読書元年、こちらの作品を手にとるのには少し覚悟を要し時間がかかってしまいました。
期せずしてこの時期になり、結果よかったと思います。
先生の圧倒的な文章でまるで当時ありのままの情景が再現されているような感覚に陥ります。
是が非でもない状況で戦争の時代を生きぬく若者たち。
もし青春時代が戦時中だったら、と考えずにはいられない作品です。
「生きたいという気持ち」の大切さ
気付かされてう…

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蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

No Title

太平洋戦争中期の日本が舞台の作品です。

空路ラバウルの基地に向かっていた備科飛行班の整備員の三上徹雄が、敵襲の危機を一機の零戦に助けられるところから、ストーリーがはじまります。この零戦搭乗員は、一飛曹の浅群塁でした。

命知らずな戦いを続ける塁と、塁の機専属の整備員に命じられた三上とのお話なのですが、生命をうしなうかもしれないという極限の状況ではぐくまれる恋のようなものが、丁寧に描かれて…

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謹製ヘルブック 小説

尾上与一   

彗星を降りてもペア

彩雲の城、藤十郎と伊魚のお話が綴られています。
二人の軍装が美しい・・清い表紙に艶めかしいタイトルのギャップに期待が膨らみます。
あれっっっっ!?よーーーく見ると
伊魚の首にキスマある⋯????
尾上先生によると表紙はグラビア風if世界だそうです⋯♡
謹製(心込めて謹んで製造された)ヘルブック(海軍用語でエロ本)というだけあり、とても濃厚なお話もあるのですが
それだけではなく、切ないお…

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雪降る王妃と春のめざめ 花降る王子の婚礼2 小説

尾上与一  yoco 

壮大なロードムービー

前巻「花降る王子の婚礼」がとても面白かったので、続いて2巻を読みました。
2巻、驚くほど壮大なロードムービーでした。序盤があまりにもぽわぽわ幸せなので何かあるなと思っていましたが、こんなに過酷な状況を想像できませんでした。
前巻同様にこの後どうなってしまうのかと気になって本が手放せなくなるほどに夢中で読みました。
すごく面白かったのですが、都合がよい点が気になったので、その分マイナスです。一…

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花降る王子の婚礼 小説

尾上与一  yoco 

ドキドキはらはらの370ページ

文句なく面白かったです。このさきどうなるのだろうとページをめくる手が止まらず、睡眠時間を削って読みふけりました。
前半は、リディルの秘密が途中で露見するのではないかとはらはらし、中盤はグシオンの秘密に驚きそれがもたらす影響の大きさに震え、加えて仲が良かった二人の間にできてしまった溝に嘆き、心配で(両片思い的な切なさもありますし)、後半はがんばるリディルを応援して、ブラックボックスのようだった事柄…

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浜津少佐の受難

沢口中佐がラバウル基地から内地に異動がきまったとき、くれぐれも、と個人的に浜津少佐に頼んでいったことがある。
「目を掛けてやってほしい搭乗員がいる」
何も知らない浜津少佐は嬉々としてこの願いを引き受けるのですが、この時点で読んでいるこちらはぷふっと吹き出してしまいます。
鷹居千歳の艦爆ペア、緒方伊魚の彗星ペア、琴平恒の月光ペア。
名前を聞いてますます笑いがこみあげてくる。そして「早速浜津は…

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謹製ヘルブック 小説

尾上与一   

藤十郎と伊魚のヘルブック

旧版既読。 

旧版に他のSSも収録されモリモリの文庫本となって再び会えた喜び。
まずは表紙のイラスト。第二種軍装の二人の爽やかに見せつつ淫靡な雰囲気が漂うのにはさすがの彗星ペア 
牧先生いつもありがとうございます  

中身はヘルブックとした元々の同人誌の香りが充分しつつ、伊魚の痛々しい心の内とそれに寄り添う藤十郎の男らしい愛情表現が余す所なく充分に収められて大満足です。

コミ…

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青空の下をのんびり歩く

戦後、資紀と希が街を歩きながら青空を眺め語る日常もの。
このお話の肝は、資紀がなにげなく希の飛行時間(戦闘機の飛行歴)を尋ねたことです。
希からの答えは資紀の想像を絶するほど少なく、まるで素人同然の有様でした。希が予科練に入ったころは人も燃料も足りず、練度の低い者がろくに訓練もできない状態で前線に配備させられていた時代。片道燃料で敵艦に当たる行為も、一人前に操縦ができなければ成果を上げられない…

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