尾上与一さんのレビュー一覧

冬色ドロップス 小説

尾上与一  さがのひを 

きらきらと眩しい、背筋が伸びるような作品

まずタイトルが美しい。

作中ゆったりと時は流れ、主人公たちは成長し、読み終えると余計、「ドロップス」という名詞の、その溶けてなくなる儚さや甘酸っぱさ、鮮やかな色合いが、青春物にしっくり来すぎて切なさを喚起されてしまう。

短編毎のタイトルも絶妙で、学生生活のイベントや四季の移り変わりがきらきら色とりどりに描かれています。

それにしても主人公たちの清らかさ!
人として恥じない生き方…

6

冬色ドロップス 小説

尾上与一  さがのひを 

心が若葉の頃になる

まず大声で言いたいのは、
「この尾上さんは痛くない!」
……ってことなんです。
全作品を読んではいませんが、どうしても尾上さん作品は『死のかほり』がするイメージが強くて。その、ギリギリのところで燃え上がる恋が、儚くもきらきらと美しいのが魅力だと思ってきたんですね。
今作は『きらきらと美しい』部分はそのままに、ちゃんと生きて、生活していく恋が書かれていますよ。
モブの女の子たちも含めて、登…

10

冬色ドロップス 小説

尾上与一  さがのひを 

赤いドロップは《恋が叶う》!

あー胸いっぱい(*ฅ́˘ฅ̀*)♡
トヨと伊吹の出会いから10年以上の年月を見守ることができて幸せです。

初めは勘違いから始まった恋でした。
受験の日、交通事故に遭ったところを助けてくれた男の子に恋をした伊吹。
その子と高校で再会してーー…という展開。
助けてくれたのは洋平だと思っている伊吹ですが、
本当の恩人は洋平の友人・トヨでした……

トヨ→伊吹→洋平という恋の矢印
伊…

9

冬色ドロップス 小説

尾上与一  さがのひを 

甘酸っぱい、まさに「アオハル」。

作家買い。
尾上さんて、シリアスで痛い作品を描かれる作家さま、のイメージですが、今作品はそのイメージを大きく覆す、甘酸っぱくて、優しくって、まさに「アオハル」といった作品でした。

今までの作品と作風こそ大きく異なりますが、作品の造り、っていうのかな。
まず本篇があって、そこを補足する小話で脇を固めていく描き方は変わらず。読んでいてすんなりストーリーに入り込めますし、何より理解しやすい展開…

11

冬色ドロップス 小説

尾上与一  さがのひを 

色とりどりにきらめく、甘くて切ない日々

表紙やタイトルから受ける印象どおりの、繊細で透明感がある作品。
高校生同士の、等身大の恋や友情を丁寧に綴った物語です。

もうこれ、めっちゃピュア!
甘酸っぱくて、時に切なくほんのり痛い。
そんな彼等の日常に、ひたすら萌え転がっちゃいましたよ。

ちなみに、表題作が雑誌掲載作に加筆修正したもの。
そこに、特典ペーパーのSSや個人サイト掲載作品が収録され、更に書き下ろしで二人のその後…

14

HOLLY MIX 小説

安芸まくら  尾上与一  木原音瀬  さとみちる  

十亀の幸せを求めて

小冊子のリバーズエンドからキャッスルマンゴー、そして小説リバーズエンドとずっと十亀が幸せになりますように!と思いながら読み続けてきて、
小説リバーズエンドの書き下ろしで納得はしたものの、今回end rollでやっともう十亀は幸せだ!と喜べました(笑)
意識して幸せな結末を掴みにいくって大事なことなので。
万ありがとうありがとう!素敵眼鏡男子!!

他の作品も読んでない話も読んでみたいなっ…

1

アヴァロンの東 ~奇跡の泉・金~ 小説

尾上与一  央川みはら 

読んで世界に浸ってほしい

デビュー作の「二月病」以来、お互いを唯一無二として求め合うBLの根本的な関係性を書き続けて下さる作家さんだと思います。
「アヴァロンの東」もまた、生死を賭けたギリギリの設定が、しかしこじつけではなく豊かで美しく、「凄いものを読んだー!」という骨太な満足感を与えてくれる稀有な物語でした。
本当に多くの方に読んで頂きたいです!

2

Paradoxical Rose:逆説的な薔薇 小説

尾上与一 

マイルドな味わい

さよならトロイメライの番外編同人誌。
トロイメライの薄い本も結構増えてきましたが、今回のお話は比較的痛み成分が少なく甘みが強くて3時のおやつのようでした。

表題作は悲惨な事件から回復し、漸く執事修行を経て鉄真の仕事に同行できるようになった弓削が、商談先で粗相をしてしまうという話でした。
鉄真のことしか目に入らない弓削らしい行動というか、噂の台詞が読めて大満足です。
にやにやが止まらない…

1

ルドヴィカの騎士 ~奇跡の泉・銀~ 小説

尾上与一  央川みはら 

疎い!疎すぎる!!

BL史上最上級の、疎いというか、ネンネというか、純粋培養マティアス様(笑)
お話はとってもシリアスで切ないのですが、あまりにもの性的なことを知らなさすぎるのと、お寝坊なのが、笑いを誘います。
レーヴェ、苦労するね。いや、それも彼にとっては幸せなんでしょうが。
まっすぐにマティアス様に忠誠と愛情を注ぐ、レーヴェが好きです!可愛いです!もちろん、マティアス様も可愛いのですが、文句のつけどころの無…

0

アヴァロンの東 ~奇跡の泉・金~ 小説

尾上与一  央川みはら 

命がけの恋

命がけの危機が来た時、奇跡の泉で瀕死から助かるんだろうな・・・と、ぼんやり考えて読み始めていたら、とんでもない!そんなに甘くはなかったです!

尾上先生のお話は、生と死の狭間で、どちらに転ぶかわからない。そのギリギリのところを、どう生きていくか。ヨシュカがせっかく助かったのに、どう考えても裏切りそうなアヒムにジリジリと心が削られる感じでした。普通のBLに無いような緊張感がいいです。

そし…

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