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ヨネダコウ
もげっと
ネタバレ
個人的にストーリーテラー組に入る作家さん。 過去作も面白かったですが、今回が一番破壊力があるなと思います。 メインの登場人物がヤクザですが、任侠物としては少し色味が違うのでご注意。 明るいノリをお好みの方や、逆にとことんドロドロエロスをお好みの方にもオススメできないかも。 もちろんマンガなのでフィクションなのですが、登場人物たちにちゃんとリアリティがあるのが素晴らしい。 八代であ…
御影
『NightS』に出てくる危険なものを運ぶ唐島と、彼に近づいた穂積、『感情スペクトル』に出てくる久郷と笛吹、そして仲屋、『リプライ』に出てくる高見と関…。 読んでみて最初の感想は、「ああ、こんな人が居そう」という共感でした。 特に、仲屋は、誰からも好かれるお調子者だし、高見はすごく真面目なのに不器用な人間だっただけに、現実的だなと思ってしまうのです。 『リプライ』の高見は、関にだ…
yoshiaki
正直、表題作はあまりピンと来ませんでした。 本来アウトローものは好きなんですが、運び屋の唐島にややアクが足りないような… 生まれながらに闇社会の人間である唐島が見せる純粋さや人恋しさ、それ自体は文句なしに魅力的なんです。ただ、彼のアウトロー臭さももう少し描写されていた方が、ギャップが際立って面白かったかなと。 行為の後ベッドでタバコを吸う穂積からタバコを取り上げてキスしたり、わんこな唐島も好…
さらうどん
コミックスとして初めて読んで、素晴らしい構成に引き込まれ、最後は涙が溢れました。 影山と久我の話から始まり、→本編は八代の密かな片思いが木っ端微塵になるところから始まります。八代の影山への気持ちが繊細に描かれた「漂えど~」を読んで最初に戻ると、八代の切なさは倍増されました。 八代はただの変態なんですが、百目鬼目線にしてもどんどん魅力的な人間に思えてくるのが不思議。百目鬼はとても正直で純粋で、八…
イヌーピー
最初は、「続き物だからこんなものかな?」とそこまで面白いとは思っていませんでしたが、読み返す度にどんどんヨネダコウさんの世界に引き込まれていきました。 まず、色気があって仄暗い矢代の表情がとても魅力的です。特に「他の奴らには言うなよ?」と言う場面など、矢代の表情を百目鬼の目を通して見ているような錯覚におちいります。 矢代だけではなく他の登場人物も、目線や微妙な表情や何気ない台詞の言い回しな…
ヨネダコウ先生の、世界観が好きです。無言の間とか、登場人物の気持ちにシンクロしながら読めます。 最初は「どうしても触れたくない」というタイトルにひっかかりました。(凄い作戦!?) 珍しいタイトル。「触れたい」ならば、カップルが好き同士なんだなと予測できるし、頭に引っかからなかった。でも触れたくないとくれば、え?なんで?触れたくないのは何に対して?まさか相手が嫌いなの?とかすごく興味を引かれまし…
この作品には、影山と久我、そして恋愛未満?の八代と百目鬼という二組の進行形のカプが登場します。でも、4人の関係の基底にあるのは、高校時代から実を結ばないままにくすぶり続ける、八代の影山に対する想い。 久我は八代が影山にあてがった自分の分身。影山を試したかった?それとも、自分と或る共通点を持つ久我を通じて、影山とつながっていたいから…?二人の情事を盗撮する八代の真意は分かりません。 一方で、どこ…
トーゴ
矢代の自分の過去を良くも悪くも冷静に受け取めて、その時々にある熱も毒も笑顔で全て飲み込んでしまう。 今立っている場所がどれほど危ういか分かっていながらも、その危うさをも楽しんでしまう。 潔さと自身のシミ一つ卑下しない強さ。 そして「黄金期ですねぇ」と懐かしめるスキモノぶり。 衝撃的なセリフと笑顔に軽いショックで痺れてしまいます。 百目鬼を側に置くことで湧いてくる情に 「優しそうな普…
表題作「nights」 会話のテンポでいちいちニヤニヤしてしまう為、何度も反芻しては進むの繰り返しで読むのに時間がかかりました。 心理描写が全く無いため、言葉の雰囲気と態度・表情や間等で線引きのない感情の揺れ動く様を読者の眼鏡次第で何通りも語れるかと思います。 「感情のスペクトル」 デビュー作がセンシティブな作品だったので、高校生ものに少し警戒してしまいましたが、おバカな仲屋が駆け回っ…
嶋のトラウマと外川の過去はそれぞれに重くて苦しいものですが、それを本人以上に相手の方が慮ってしまう。 傷を癒そうとするような心の寄り添いがまた却って相手への負担になってしまったり、スレ違ってしまったり。 表情の乏しい絵とコマ割りの多いせいかスローモーションで見ているような錯覚と無言の中に痛みが凝縮されているようで心が掻き立てられます。 嶋が外川に与えてあげたい世界と外川が嶋に与えてあ…