ヨネダコウさんのレビュー一覧

空を抱きしめる 小説

李丘那岐  ヨネダコウ 

劣等感を含んだ優しい話

 ゼネコンに勤める阿万崎郁己。
 彼の幼い時の夢は、父と同じように鳶になること。
 けれど、どうしても高所恐怖症が克服できず、郁己は自分に他にできることはないか、と考えた末に、今の会社に就職することを決める。
 そんな彼の実家は、鳶・土木業の傍らに非行少年の更生を引き受けていた。

 郁己が小さい時から、郁己以外にも「不良少年」という少年たちが一緒に暮らし、尚且つ同列に扱われるという環境…

2

狼と狐の夜 小説

高遠琉加  ヨネダコウ 

キャラ立ちが際立った作品

この本を読み終わって、表紙カバーの絵を改めて見ると、「ああー、そうなんだよ!」
主人公たちの関係がすごく良くわかります。
司郎のシャツの後ろを掴んでいる零。
なんて心憎い表紙なんだろう。
物語は二段組で一瞬怯みますが、過去の回想もあるとはいえ、5日間の出来事。
キャラクターが魅力的であっという間に引き込まれ、二段組も気にならない。
もっともっと、と手が止まらない。
純粋で単純な萌えと…

13

狼と狐の夜 小説

高遠琉加  ヨネダコウ 

狼と狐の5日間

新橋の路地裏で、カウンターだけの小さな鉄板焼屋を営む桐島司郎。
彼は元ボクサーで、店の二階で一人暮らし、
ヤクザのフロント企業である街金に、自分が作った訳ではないらしい借金がある。

ある日、街金の社長のヤクザ・飴屋が現れ、アルバイトの話を持ち込む。
元カノにストーカーされている結婚間際の男を、結婚式までガードするというものだ。
飴屋の持ってくる話なんて、ロクなもんじゃないに決まってる…

9

いとしの悪党 小説

李丘那岐  ヨネダコウ 

悪党を凌駕するほどのポジティブ受け様

関連作の「空を抱きしめる」のスピンオフ、前作では大型ワンコが命一杯大好き
アピールしている姿が萌えましたが、今回はそれとは対極にあるような攻め様が登場。
前作の受け様の兄貴的存在だった攻め様ですが、かなり屈折して捻くれていて、
思わずあの人が主役なの?なんて驚いてしまいましたけど、蓋を開ければ前作よりも
惹きこまれる内容でかなり楽しませて頂きました。

子供の時からお金で苦労していて、…

4

いとしの悪党 小説

李丘那岐  ヨネダコウ 

これもまた割れ鍋に綴じ蓋

『空を抱きしめる』のスピンオフですが、それを読んでいなくてもいけちゃいます。
ちゃんと作中でどんな関係があったのか言及されていますし、それの主人公も登場しますが、話を知らなければわからない、という関与の仕方ではないので全然無問題♪

前作の表紙も青と黒の基調がとても雰囲気の良い表紙でしたが、今回も構図といい茶を基調にしたグラデで描かれたこの表紙!とても素敵です!!

ひとりの主人公は、元…

6

色のある世界 2 コミック

ヨネダコウ 

思いが重なる

【どうしても触れたくない】スピンオフ、小野田×出口第4弾。

ドス黒い感情が渦を巻いて、足元が不安定だった小野田さん。
どの感情が実はどんなものなのかなんてとっくに分かっていて、それを超える事・実感する事に足止めされていたのでしょうか。
仕事でもいよいよミスをし始めるし、嶋くんにも心配されるし、徐々に『懐の広い小野田』なんてものは消え去る。

本当は傲慢ちきだ。
自分は出口さんに気持…

5

色のある世界 コミック

ヨネダコウ 

小野田の葛藤

【どうしても触れたくない】スピンオフ、小野田×出口第3弾。

小野田さん、いいですねぇ…いいですねぇ!(突如興奮)
その考え方いいですよ、もっと思い悩んで下さい。
元々小野田さんはノンケだった訳だし、考えて悩んですぐ答えが出ないなんて当然だと思うのです。
「俺、君が好きだ!(キランッ)」なんてすぐいかないのが普通だと思うんです。
だから、出口さんが自分を好きなのに「処理に困ってない」と…

5

after 10 hours コミック

ヨネダコウ 

出口の決断

【どうしても触れたくない】スピンオフ、小野田×出口第2弾。
……これだけでは終わらないのが「くはーーーっ」となります。

取り敢えず言える事は、最初から最後まで、出口さんの切なさが半端ない事。
何て言うか、確かにつけ入ろうという思いは持って告白に臨むのだけれど、きっと今まで突っ走ったりぶつかったりという事がないからなのか…怖いって気持ちがとてつもなく溢れて居ます。
だから、大切な3年強の…

4

after 9 hours コミック

ヨネダコウ 

出口の震え

【どうしても触れたくない】スピンオフのこちら。
小野田さんと、その友達・出口さんのお話。
本編より実はもっと人気があるのでは!?と言うコメントをよくお見かけしておりました。

そして今更レビュー?
いやいや、好きすぎて出来なかっただけ。本編も好き過ぎてレビュー出来ずじまい。

嶋を好意的に思った事を打算的だったかな、と出口に打ち明ける小野田。
恋人が居る嶋を好意的に思ったのだからそ…

2

どうしても触れたくない コミック

ヨネダコウ 

いつでも、何度でも、泣けてしまう作品。

この作品をBLというジャンルの中だけにおさめていていいのだろうかと、いつも思います。

私がBLを読み始めた初期の頃に出会ったいくつかの作品の中の一つが、この作品でした。
普段、漫画を読んで感動することはあっても、泣いたことはなかった自分が
初めて漫画を読んで本気の涙を流しました。

同性愛者が、人を愛することによって伴わざるを得ないつらい葛藤や罪悪感、劣等感…。
同性愛者である嶋君…

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