Sakura0904
※旧版を読んでの感想
◆魔法使いの弟子
同性に失恋した男性と、世間から遠ざけられている彼を見つけて勝手に仲良くなる女の子の話で、BLらしいシーンは一切ないのですが、それが逆に胸に刺さるというか、寂しさが余韻を引く物語でした。お互い魔法なんて存在しない、と相手を否定するようなことを言わない人間性も素敵。きっと女の子にはいろんなものの声が本当に聞こえていたんだと思います。描き下ろしでは、男性…
◆ベイビー, ハートに釘
ゲイの弟の姉目線で描かれるのが斬新でした。弟の基久が決死の思いで伝えた好意は、報われず。同級生の足田は彼を利用したり、学校ではこっ酷く接したりもする。けれど、足田は完全な悪役というわけではなく、彼も本当は基久に真摯に向き合いたいのだけれど、他の友人の手前、基久と同じゲイや隠キャとして扱われることに怯えているんです。その気持ちも分かるから、何ともやりきれない気持ちになり…
◆タッチ・ミー・アゲイン(表題作)
冒頭からがっつり心を掴んでくれた表題作でした。最初、遠田が突然押切を叩くシーンがあったので、暴力を振るうクズ系の攻めか?と若干構えましたが、読み進めていくとちょっと過剰な愛情表現として受け入れられる程度のものでした。互いに7年前の勢い余った一夜を忘れた振りをして振舞っている2人。どちらが先に音を上げるのかなと思っていたら、意外にも遠田の方からで。普段は強気で…