青井秋さんのレビュー一覧

百草の裏庭 コミック

青井秋 

ゆったりとした時間のお話

相変わらず青井秋先生の繊細な画力が凄いです。
植物や動物などが綿密に描かれているだけで無く、詩的に表現されているのがとても素敵です。

ページの数字の隣に描かれた小さな植物にも目を奪われました。

こちらの作品は短編集でしたが、表題作が1番好きでした。
青井秋先生作品なのでエロは皆無です。なんなら表題作にはキスシーンさえありません。

マルセルが妹にギーゼルの事を説明する言葉や、ギ…

1

百草の裏庭 コミック

青井秋 

植物が美しい

これは絶対に紙でほしいと思っていた本。
表題作は、繊細に書き込まれた濃密な植物の中で、ゆっくりと育まれる異形の者との恋。
森の奥で、一人暮らす時間が長すぎた異形の男ギーゼルベルトの望みを知ったマルセルは、、。
微笑みの気配、食卓の灯火、もう知ることはないと思っていた物語の続き。
二人の間には静かに愛情があって、二人はずっとこのまま暮らしていくのだろうけど、ここには描かれていないその時間のそ…

3

百草の裏庭 コミック

青井秋 

優しく心に沁み入る短編集

『ゆうづつは藍にとける』に続いて読んだ青井秋先生の作品です。

こちらは、表題作の他に4作品が同時収録されています。
『stalks』
『passage』
『浸食』
『旅の途中』前後編

『百草の裏庭』
黒い森の異形の男性 ギーゼルベルトと薬草売りのマルセルのお話。

幼い頃、マルセルの妹のベルタは薬草摘みの最中に毒虫に刺されて倒れてしまいます。
そこに現れたのは、黒い森の…

7

君によせるブルー(表題作 アザーブルー) コミック

青井秋 

ノスタルジックで爽やかで、ちょっぴり切ない短編集

◆アザーブルー〜君によせるブルー(表題作)
 必要最小限の台詞と、田舎の情景が合わさって、静かな雰囲気の中でメイン2人の関係性に集中して読める作品でした。悠太の方言(多分広島などの中国地方?)がとても味があって可愛らしかったです。突然航平に思いもよらぬ告白をされて一旦は突き放してしまうものの、その後ちゃんと自分から一歩踏み出そうと、勇気を振り絞って行動してくれた悠太に嬉しくなりました。

◆…

0

ゆうづつは藍にとける コミック

青井秋 

「ゆうづつ」は宵の明星

2012〜2013年にかけて連載された作品の、待望の単行本化。

タイトルからイメージしたのは、誰にも知られることはないであろう、密やかな恋のお話でした。

時代的には明治末期でしょうか。同じ下宿で生活を共にする大学生の章吾と、大学の先輩にあたる駆け出し作家・慎太郎が惹かれあっていく、静謐で詩的な物語。


書生の章吾が下宿している主の先生は、作家となった慎太郎の恩師だった。文芸創作…

6

ゆうづつは藍にとける コミック

青井秋 

丁寧で美しい文学BL

初めて読んだ青井秋先生の作品です。

下宿先の書生 葛木 章吾と駆け出しの作家 久世 慎太郎のお話。

恩師の家で再び下宿することになった慎太郎。
しかし、下宿先にはすでに学生の葛木省吾が世話になっていました。
明るくおおらかな省吾に第一印象から苦手意識を持った慎太郎でしたが…。

舞台は明治または大正でしょうか?
明治から大正時代にかけて日本の生活は西洋文化が色濃くなり、一方で…

7

ゆうづつは藍にとける コミック

青井秋 

美しい絵と独特の雰囲気で魅せる

美しい表紙に惹かれて手にしました。
内容も詩的で叙情的であり、風景、天気、登場人物たちの表情……と、どれをとっても美しいの一言です。


駆け出し作家の久世は、かつて世話になった恩師の家で下宿することになります。
そこで出会ったのは、快活でいつでも笑顔を絶やさない書生・葛城。
騒々しい葛城に嫌悪感を抱く久世でしたが、葛城の書く文章を目にし、その才能に圧倒されーー…!

美しい男同士…

4

百年結晶目録 コミック

青井秋 

世界観が素敵です

作者さんの味のある絵や装丁やページごとに鉱石が書かれてる丁寧さが好きです。

お話は一緒に旅をする学者のベントと鉱石を食べる少年イーリス。
ベントはイーリスに市民籍を取らせ旅をしながら美しい自然や産物を教えて。

途中までは緊張感を少しはらむもののイーリスが新しい世界を知っていくのを、ベントと穏やかに旅をするのを暖かい気持ちで読めます。

しかし実は…。イーリスの狙われる理由やそれを…

2

ゆうづつは藍にとける コミック

青井秋 

純文学のような、画集のような、幻想的な魅力を感じます。

表紙があまりに綺麗で手に取りました。

良い意味で淡々としている雰囲気がすごく良いです。インタビュー記事で編集さんが「幻想的」と表現されていたのに激しくウンウンと頷きました。漫画なんですけどモノローグは純文学を読んでいるようで、情景は画集を見ているようで、その中に繊細な心が映し出されていてすごく綺麗。2012~2013年に発表された作品とあとがきで知りびっくりしました。

余談ですがキャラ…

12

君によせるブルー(表題作 アザーブルー) コミック

青井秋 

NoTitle

相変わらず精妙な線画で人を選ぶ作風、
ストーリー自体はオーソドックスなアオハルなので余計に青井さんの特異な作家性が浮き彫りになってます。

作中でも言われてる通りに船から降りるだけの動作でさえ映画のワンシーンの様だし、
どの登場人物の目にも琥珀や翡翠が埋まっているよう。

好きな作家さんが編集さんに言われたのか売上を気にしてか、
急に小綺麗になって個性を捨ててしまった例を見てきたので…

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