柳沢ゆきおさんのレビュー一覧

神とペン コミック

柳沢ゆきお 

パンチはないけどじわじわ萌える

◆神とペン(表題作)
 セーラー服を着た綺麗な男を拾ったら、神らしい、という王道なようなそうでもないような展開から始まる物語。主人公の岸は、神と大分打ち解けたところでやはり、いつか天界に帰らなければならないということを明かされるわけですが、そこからシリアスな空気になるかと思いきや、なんだかんだ最後までのほほんとした雰囲気を貫いてくれました。短編なので、ちょっとパンチが足りなかったかも。

◆…

0

僕が君を殺すまで (下) コミック

柳沢ゆきお 

夢中で読みました

上下巻通しての感想ですが、とにかく良かった。
愛と狂気の物語でした。

死刑囚である織田薫が死刑を執行されるまでの間、24時間ライブ放送され、自分の犯した犯罪と同じ手口で死刑執行が行われる世界。
彼が殺したのは元恋人の渡瀬で、渡瀬と身長が同じという理由だけで死刑執行人に抜擢された水谷、任務として渡瀬の顔に整形し織田に近づき、渡瀬として接する内に織田が渡瀬を本当に愛していた事を知り、殺した動…

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僕が君を殺すまで (下) コミック

柳沢ゆきお 

美羽の姿は自分かもしれない

 ストーリーは非常に練られていて最後まで重厚感もあったのですが、個人的にはもう少しBLとしての萌えも欲しかったなと思い、この評価にしました。渡瀬という別人を演じながら、元の自我も持ち続けた水谷の精神力はすごかったです。相手をいつか殺さなければならないと分かっていて、関係性を深めていかなければならないなんて、常人にはきっと耐えられないことだと思うんです。きっと、渡瀬に負けず劣らず正義感が強く、愛が深…

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僕が君を殺すまで (上) コミック

柳沢ゆきお 

加害者への感情移入は避けられない

 ものすごい世界観だなぁというのが一番の印象。目には目を、歯には歯を。こういう思想は誰しも持ちうるものだと思います。私も正直、冤罪の可能性が1ミリもないのなら、被害者を苦しめたのとまったく同じ方法で加害者に罰を与えるべきだと、という考えは常に頭の隅っこにあります。残虐非道なことをした犯人なら尚更。たとえ死刑執行の日まで怯えながら暮らそうと、それまでは衣食住も人権も保証され、結局最期は一瞬で死ねるの…

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僕が君を殺すまで (下) コミック

柳沢ゆきお 

色々考え、既に何度も読み返しました

あー、そうきたか。
思っていた結末とは違いました。
ぜひ、ネタバレなしで読んでほしいです。


水谷との「今」を生きる織田の笑顔が輝いていて、惹かれ合う2人の日常は穏やかです。
朝ドラのような日々を送る中、死刑執行の日は確実に迫っていて……

愛が死の連鎖を呼ぶところが悲しい。
明かされる事件の真相。
露呈する新法の抜け道。
動く民意と反映されない政治。
人生はシナリオ通り…

9

僕が君を殺すまで (下) コミック

柳沢ゆきお 

深く考えさせられました

『僕が君を殺すまで』の下巻。続きものなので上巻未読だと理解できません。上巻を読まれてから、こちらを読まれることをお勧めします。

二人の男を殺した死刑囚である織田と、織田の死刑執行のために織田と同居している執行官の水谷のお話。







上巻で少しずつ心を通わし始めた二人の男たち。

織田はなぜ、殺人を犯したのか―。

刑を執行する人物として水谷はすべてを明らかにし…

18

僕が君を殺すまで (上) コミック

柳沢ゆきお 

凄い世界観を放つ作品。

タイトルと、ちるちるさんで掲載された作家インタビューを拝見して手に取りました。

基本的にBLってジャンル分けするならば恋愛ものだと思っていますが、今作品はなんて言うのかな。骨太な、あるいは社会派な?

モラルとは。
正義とは。
愛とは。

正解は一つではなく、人によって、時代によって、あるいは社会によって変貌を遂げるそれらについて、「あなたはどう思う?」という問を投げられた気分に…

15

僕が君を殺すまで (上) コミック

柳沢ゆきお 

電子限定描き下ろし4ページに心が揺れる

分冊版で、完結迄読んだ後、「第1話~第7話※電子限定で第1話~第7話※電子限定で描き下ろしの漫画が4ページ収録収録」のコミック版が出ると・・悶々と悩んでしまう。貸本屋を利用するしかないかな。

訓:コミック版が出るまで、待つべきだった。

著者は推理系の作品が主の人で、社会派要素濃厚。社会に対しての皮肉を込めたものが多いです。この作品は、死刑についてを考える、というテーマだと思いました。冤…

9

僕が君を殺すまで (上) コミック

柳沢ゆきお 

引き込まれる世界観

なかなかダークな世界観です。
倫理とかプライバシーとか、そんなものはありません。
 
死刑制度が見直され、故意に人を死なせたものには必ず「死」を。
さらに、被害者がやられた通りのことをやり返す、『再現執行』も施行され……と、いう世界。
しかも、死刑囚の生活は24時間生放送で国民に提供され、死刑囚の「死」はエンターテイメント化されています。

ここまでやると、犯罪は激減するんですね。

3

神とペン コミック

柳沢ゆきお 

1話/5話/6話

万年筆で描く独特な線描、鋭いと言うか荒いタッチの劇画調が特徴の柳沢さんの作品。
この作品は、以前より柔らかい線になっていて、美少年が美少年らしい表情に書かれています。でも、著者は鼻水を書くのが好きで、泣き顔に必ず鼻水が・・。
著者の作品のストーリーは、ちょっと社会風刺な皮肉が入っていて、「僕が君を殺すまで」が最近完結したのですけれど、あの終わり方はないでしょう?・・と泣いてしまった。柳沢作品は…

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