Sakura0904
◆神とペン(表題作)
セーラー服を着た綺麗な男を拾ったら、神らしい、という王道なようなそうでもないような展開から始まる物語。主人公の岸は、神と大分打ち解けたところでやはり、いつか天界に帰らなければならないということを明かされるわけですが、そこからシリアスな空気になるかと思いきや、なんだかんだ最後までのほほんとした雰囲気を貫いてくれました。短編なので、ちょっとパンチが足りなかったかも。
◆…
ストーリーは非常に練られていて最後まで重厚感もあったのですが、個人的にはもう少しBLとしての萌えも欲しかったなと思い、この評価にしました。渡瀬という別人を演じながら、元の自我も持ち続けた水谷の精神力はすごかったです。相手をいつか殺さなければならないと分かっていて、関係性を深めていかなければならないなんて、常人にはきっと耐えられないことだと思うんです。きっと、渡瀬に負けず劣らず正義感が強く、愛が深…
ものすごい世界観だなぁというのが一番の印象。目には目を、歯には歯を。こういう思想は誰しも持ちうるものだと思います。私も正直、冤罪の可能性が1ミリもないのなら、被害者を苦しめたのとまったく同じ方法で加害者に罰を与えるべきだと、という考えは常に頭の隅っこにあります。残虐非道なことをした犯人なら尚更。たとえ死刑執行の日まで怯えながら暮らそうと、それまでは衣食住も人権も保証され、結局最期は一瞬で死ねるの…