三枝シマさんのレビュー一覧

砂の国の鳥籠 小説

成瀬かの  三枝シマ 

美しい鳥籠の中の君

目覚めればそこは、美しい装飾と植物で溢れる巨大な鳥籠の中だった。

一風変わったアラブものでした。
アラブものといえば…な定番アラブではなかったのが予想外で良かったです。
見知らぬ部屋、美しく巨大な鳥籠、痩せ細った身体、友人だと語る隻眼の褐色肌の美丈夫。
全編受けのハル視点の今作。彼が記憶を失っていて何もかもがわからない状態なので、現代物でありながらどこかファンタジーのようでいて、現実な…

0

Chocolat bunko After Story collection vol.2 グッズ

番外編13作品

ショコラ文庫の番外編13作品です。アフターストーリーというだけあり、全体的に甘いです。

洸 『運び屋恋愛事情』より「運び屋恋愛ルール」
訓練をしたがる恭吾に、小野寺が、満員電車の痴漢への対応を教えてくれることになります。

浅見茉莉 『子供には秘密。』より「飲み過ぎ注意」
タカトが准を連れて遊園地に遊びに行きます。そこで話を聞いてという話。ビールじゃない(笑)

石原ひな子 『狼…

1

Chocolat bunko After Story collection vol.1 グッズ

番外編13作品

アフターストーリーコレクションというだけあって、文庫の「その後」である番外編13作品でした。いずれも幸せそうで良いな!って思いました。

浅見茉莉『星模様恋模様』より「引っ越し騒動」
彰史の部屋に、引っ越しに来た垰。コンドームを発見して浮気を疑い…。

伊郷ルウ『愛してはいけない』より「今日も愛してる」
休日くらいは料理をしようと思い立ったけれど…甘い休日の一日。

石原ひな子『狼…

2

砂の国の鳥籠 小説

成瀬かの  三枝シマ 

アラブ男性に全ての世話を委ねる快感。

成瀬かの先生の作品を読むのは二作目なのですが、
平易だけれど的を射た文章を書かれる方なので、今作もサクサクと読め、気持ちが良かったです。

今回は、記憶喪失の男の子ハルが主人公。目覚めたら美しい庭園風の巨大な鳥かごの中にいて、見知らぬアラブ人イドリースが世話をしてくれてーといったストーリー。

美しい監禁ものかと思いきや、後半は中東情勢らしい、かなり血なまぐさい展開になっていき、良くも悪…

1

春の訪れ 終わることのない悲しみを番外編ペーパー グッズ

両面ともショートストーリー

最近のよく見かける「ペーパーの4分の1が表紙イラスト」で、残りがショートストーリーというスタイルではなく、両面ともに書かれています。

本編と同様に立花の視点で進みます。

立花が秋ヶ瀬の別荘に引っ越してきて一週間。
寝室にかけた絵を眺めながら感慨に耽ったり、立花が絵をもって別荘に訪れた日の寝室での出来事を回想したり。
そんな中、秋ヶ瀬の仕事相手であり肉体関係のあった「ギャラリー柊」の…

1

終わることのない悲しみを 小説

夏乃穂足  三枝シマ 

シリアスで重い

表題作とショート2作品とも、立花(受け)の視点で進みます。

あとがきによりますと、ブログの連載作品を文庫用に直された作品だそうです。連載時の作品は未読ですので比較はできませんが、シリアステイストな内容です。

立花は、友人からいじめられ、襲われて、逃げた直後に自殺されます。
秋ヶ瀬は実母に捨てられ、義母と関係をもたされ、父には疎まれます。
立花と秋ヶ瀬は親しくなりますが、立花は打算で…

0

終わることのない悲しみを 小説

夏乃穂足  三枝シマ 

エピソード盛りだくさん

エピソード盛りだくさんのところが逆に萌えないのかもしれません。
主人公、透は離婚した妻の元に引き取られた娘の心臓手術のために店を売ってお金を用意するのですがまだ足りません。そこで、人づてに聞き及び10年前に決別した親友遼平がお金を助けてくれます。そして、遼平は透に執着しているので、無理やり襲います。本当は昔みたく楽しく絵を描いて過ごしたかったのです。透は自己犠牲の人です、元妻が妊娠したのは遼平の…

0

砂の国の鳥籠 小説

成瀬かの  三枝シマ 

表紙とタイトル買い

変化球アラブ。
王子な攻が不器用健気です。
記憶喪失な受は、おどおど兎のようで、見た目は15歳くらい……。

記憶喪失の受の一人称で進むので、焦れます。
あまりにも謎が多く、ヒントも少ないので正直イラッとすることも。
どうやって記憶を失って現状に至るのかという部分がとにかくもどかしく、先を知ることに重点を置きすぎてしまい、感情移入できませんでした。
なので、物語中盤の内容などは正直あ…

5

砂の国の鳥籠 小説

成瀬かの  三枝シマ 

こんな鳥籠なら経験してみたいかも

成瀬さんのファンタジー…ではなく、アラブ〜物です。
成瀬さんがアラブ…不思議な感じです。

まさかの一人称。
ただ『僕』なので、個人的にはホッとしています。そして、記憶喪失物です。

**********************
受けのハルは日本人ということだけで、あとの記憶はなくしている青年。
気づくと体の筋力は衰え、一人では着替えもままならない体となっていました。

攻めは…

4

砂の国の鳥籠 小説

成瀬かの  三枝シマ 

閉ざされた世界

作品が持つ雰囲気と世界観が、とてもとても好みな小説です。

主人公のハルは、ある日気付くと美しく緑豊かな鳥籠の中に居た。
傍らには、まるで海賊のように片眼に眼帯をした褐色の肌の美情夫がいたが、眠りから目覚めたハルは彼のことはおろか自分のことも忘れていたーー
記憶がないまま、友人だというその男ーイドリースと鳥籠という狭い空間の中で幸せに暮らしていくが、ふとした瞬間、イドリースの自分を見つめる…

1
PAGE TOP