伊東七つ生さんのレビュー一覧

片思い 小説

木原音瀬  伊東七つ生 

片思いは簡単には終わらない

タイトルの「片思い」。ビブロス版では、三笠×吉本の話のタイトルで、松下×門脇の「あのひと」とは、別冊になっていたとのこと。
対照的なカップルの話ですが、一冊になったことで、「片思い」が全編を通した大きなテーマになっていると感じました。

片思いは、告白して相手が答えたら終わるものと思っていましたが、そうではないのですね。

三笠と吉本は付き合い始めてからも喧嘩が絶えず、三笠は門脇に呟きま…

8

人魚姫のハイヒール 小説

安西リカ  伊東七つ生 

努力の人!

女装物ですがオネエとかではなく、なりゆきで女装を頑張ってしまう健気な女装子のお話でした。

女装子=瀬戸が可愛いんです。
好きな男・加賀谷にたまたま女装をしているところを見られてしまう。
瀬戸に女装趣味は無かったが、加賀谷が瀬戸の女装を気に入りその手伝いをする事になったから、瀬戸もその気持ちに応えるよう女装を頑張る。
加賀谷と一緒に居たいがため、無様にならないため、ヒールで歩く練習をした…

1

すずろ古書譚 コミック

伊東七つ生 

全てのものに物語がある

一冊に【すずろ古書譚】と【ピロートーク】という二作品が収録されていて、書き下ろしでそれぞれの登場人物が絶妙に絡んでいます。

【すずろ古書譚】
古書店で働く店員の青年と店にやってくる少年とのお話です。
101巻全巻揃うことが稀な古書を欠けなく一揃い入手したオーナーとそれが誰の手に渡っていくのか見守る青年店員。そしてその一巻目を祖母にプレゼントされた少年。
当初、全く本に興味を持てない少年…

4

近距離恋愛 コミック

伊東七つ生 

「いい感じ」「いい雰囲気」のお話ばかり

一番好きなのは【床屋のカノン】
床屋さんとそこに通ってくる男の子のお話。

自分で切って失敗したという酷い頭で隣町から飛び込んで来た男の子。それから夏は自転車で、雪の季節は電車で髪を切ってもらいに通うようになります。
床屋さんも彼がきたらあの話をしよう、この本を教えてあげようと来店を楽しみにするように。
この男の子が次第に少年から青年らしい顔立ちに少しずつ変化していくんです。
そして床…

4

花とスーツ コミック

伊東七つ生 

札幌の春から夏に切り替わる季節感の捉え方がお見事

市の公園管理事務所に勤務している二人のお話です。嘱託社員の平岸くんと市役所から公園事務所に飛ばされてきてスーツで草むしりをしている蓮池さんという組み合わせです。
こちらは札幌市の豊平公園(作品の中では日平公園となってますが)が舞台になってまして、実際も早春のカタクリとエゾエンゴサクから始まる春夏通して花が美しい公園です。

公園が舞台になっているので草花がこぼれ溢れるように描かれています。

4

片思い 小説

木原音瀬  伊東七つ生 

木原作品にしてはソフト……いやいや結構、毒があります

電子書籍で読了。挿絵有り。
そもそも「片思い」と「あのひと」の二冊を一冊にして改稿し、書き下ろしを加えた出版だった様ですが、電子では前編・後編の二冊で販売されています。
前編は「片思い」「恋は盲目」の二編で三笠と吉本のお話。後編は「あのひと」「それから」の二編は松下と門脇のお話で、三笠・吉本・門脇の三人が出てくる「同窓会」と松下・門脇の「おかえり」の後日談二編という、旧版に近い形になっています…

3

濡キス×蕩キス〜BLキスシーンイラスト集〜 コミック

駒城ミチヲ  藤たまき  駒城ミチヲ  絵津鼓  香坂あきほ  小椋ムク  葛西リカコ  高崎ぼすこ  秀良子  伊東七つ生  今野さとみ  アオイ冬子  夏珂  北畠あけ乃  ゆき林檎  黄一  竹美家らら  乃一ミクロ 

キス キス キス

Renta!さんにて購入。42ページで 2チケットです。

“キス”をテーマとしたイラストも素敵ですが、それぞれのコメント(萌語り)が好き。読めて良かった♪
全部で16のシチュエーションが掲載されているので、ベストシーンを選ぶも良し・各々のカットの萌え滾る箇所を注視し続けるも良し(笑)楽しみ方いろいろ。

想像力をかき立てられる目次だけ眺めていても穏やかな時が流れていきます。
『くちう…

3

人魚姫のハイヒール 小説

安西リカ  伊東七つ生 

むきたまご

久しぶりに読んだ女装モノ。面白かったです。読んでいくと「人魚姫のハイヒール」というタイトルが秀逸だなと思いました。

本編は瀬戸視点、後日談は加賀谷視点で描かれています。この後日談で、加賀谷が瀬戸のことを「ゆでたてのむきたまごにささっと筆でかいたような顔(が愛しくてたまらない)」と表現していてすごく面白かったのですが、その印象とイラストがマッチしていない点がちょっと残念といえば残念だったかな……

2

さいはての庭 小説

千地イチ  伊東七つ生 

家にはヤモリ、池にはイモリ

鎌倉を舞台にした、人魚との恋を描いたミステリアス・サスペンス。




嘘です。
嘘ではないけど、ネタバレです。
かつて一度だけ訪れたことのある、憧れの作家が住まう鎌倉の屋敷。
自分の人生を終わらせてしまおうと、その前に、最後にもう一度思い出の屋敷を確かめたいと思っていた荘介だったが、ひょんな事から思いもかけず、その屋敷で家政夫生活をすることになって…。
さいはての庭で、今までた…

0

人魚姫のハイヒール 小説

安西リカ  伊東七つ生 

両視点読めるのがポイントな1冊!

安西リカ先生の作品は、どの作品も読み応え抜群で、今まで買って後悔ということがない大好きな先生で。
このお話も本当にあっという間に読み終えるほどに嵌ってしまいました。
現実的に有り得そうなお話というのも、想像しやすく親近感の持てるポイントなのかもです。
表題作は受けさん視点で、ショートストーリーが攻めさん視点で綴られていたのですが、このお話はどちらの視点も読めることで、2人の気持ちが改めて伝わ…

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