いるいる
大学生になった2人の関係性が、相変わらず淡々とした雰囲気で描かれていました。楢崎が車校で知り合った栗栖という人物が、寺島のピアスを開けた人だと判明し、3人が繋がる展開となります。中盤までは、楢崎が栗栖と寺島の過去の関係を面白くないと思ったりなど、前巻までも度々あったことを再び繰り返しているような印象でした。でも、他の友達も含めて3人がスノボ旅行をする回で、楢崎と寺島の関係に今までにないほどぐっと…
受験期から高校卒業までの間の話ということで、進路と卒業後は一緒に住むのかどうかということについて、2人がそれぞれ考えるストーリーになっていました。楢崎は母親と幼い弟達だけを残して1人暮らしはできないと考えていましたが、兄が結婚して実家に残ると言ってくれたので、寺島に同棲しないかと誘います。でも、寺島も母子家庭で大切な母親1人を残したくはないと考えているので、その案は却下。2人とも母親思いで素敵だ…
大きな環境の変化があったりするわけではないのに、2人の心情の変化だけでストーリーを展開させているところが単純にすごいなぁと思いました。初めてのセックスで生じた寺島の性欲への戸惑いと、彼の周囲の人物に楢崎が初めて覚えた嫉妬。2巻はこれだけで話が成り立っているんです。恋愛って、ちょっとしたことで日々感情を揺さぶられるものだよなぁということを、改めて感じさせられた気がします。
寺島は楢崎とのセ…
最初メインの2人は図書室で距離が縮まっていくんですが、その時はどちらもとても淡々とした物静かなキャラで、テンションの低い男同士のやり取りだったのが、後半にいくにつれてヤンキー寺島のテンションだけどんどん上がっていくのが、見応えあって面白かったです。先生もあとがきで言及されているように、本来は後半の姿が素で、今まで心を強く動かされる物事に出会わなかったから隠れていただけなんでしょうね。そんな寺島を…