葛西リカコさんのレビュー一覧

欲情螺旋 小説

水戸泉  葛西リカコ 

DNAの執着

近未来を舞台にした、DNA操作が当たり前になった時代を背景にしたホラーチックストーリー。
SFといっても、特に遺伝子界について特化してしているので要旨はピンポイント、明確で寄り道がないので、実に分かりやすく謎とおどろおどろしさが際立っていていい。
未来的双子モノの一種とでも呼んでもいいかな?w

遺伝子の研究が進み、その操作によって不老不死さえ身近になった近未来。
その研究は、ありのまま…

2

恋愛革命 小説

海賀卓子  葛西リカコ 

うわー!ある種独特の痛さです

初読みの作家さんでしたが、息をもつかせない”これでもか!”なすれ違いな成り行きに一気読みです。
読後は、イタイ!!イタイ!!
木原作品とはまた違った、容赦ない人物達の痛さ。
何となく文章が荒削りで思いつくままに重ねていったっていう、少し素人くささも感じるものの、でも文章を飾っていなくて綺麗にまとめようという無理が見えないので、とにかく目を離せない展開に、痛さがダイレクトに伝わってくるんです。…

2

恋愛革命 小説

海賀卓子  葛西リカコ 

痛いのが良い!

受×攻の2人共が弱くて狡く、好きなのにどこかいつも諦めを考えつつ、忘れられない。世間一般とか将来的な事や家族とか難題を言い訳して弱い自身の隠れ蓑したりと人の脆さ弱さを丁寧に描かれていて、久々に海賀作品に出会えたと実感しています。「スタンダードレビュー」「黄色い風」と同じショコラから素晴らしい名作が発売されてますが、私がその作品を読んだのは去年か一昨年くらいで近年は新作を出されてないとしり落胆してた…

6

ダブル・バインド 小説

英田サキ  葛西リカコ 

英田作品を読む幸せ

今作は幸せにひたれました。
恋も事件も序章ですがしっかり読ませてくれます。
数あるBLのなんちゃって事件物のなかでさすが!抜けています。
(誉め処がBLとして微妙ですが)
あとがきにあるほど重さ暗さは感じませんでした。重かったり、暗かったりする過去の部分を、エピソードを連ねずにさくっと説明しているからかもしれません。ここはちょっと物足りないかな。
もうひとつ、主要CPのひとり上條の性格に…

3

ダブル・バインド 小説

英田サキ  葛西リカコ 

そこで続くのかっ!

大好きな英田サキさんの新シリーズ開始!
続くんだなとは知って読み始めたのですが、まさかこういう続き方をするとは><
『DEADLOCK』シリーズのように、最小限にでも一旦見切りを付けて次巻へGO!という感じだと勝手に思い込んでいたので、モヤモヤします。モヤモヤ!
早く続きが読みたいっ!

お話に関してはラブはほとんどなくて、私もかなり早い段階から「BL」というよりも「推理小説」として読ん…

2

ダブル・バインド 小説

英田サキ  葛西リカコ 

長編の予感

ナンバーが打っていなかったので、読みきりシリーズなんだと思っていました。
思いっきり続き物でした・・・

刑事の上條と、高校の後輩で今はクリニカル・サイコロジストである瀬名を中心に、殺人事件やら多重人格やら極道やら過去のしがらみやらが絡み合って、これからどうなる???なのです。
私が今のところ一番気になるのは、上條と瀬名のこれからよりも殺人事件の行方です。
この際、色っぽい話は入っていな…

2

ダブル・バインド 小説

英田サキ  葛西リカコ 

俺はホモじゃね~

英田サキさんの新作は、まだまだ序章。
餓死し、しかもペニスを切り取られのどに詰められた死体が発見されたことから始まる推理作品に仕上がっています。
これはBLのラノベではないのでは?と錯覚するほどに様々な登場人物が出てきて、謎解きが楽しくなりそうな半面、早く続きをーーーー!!と待望してしまいたい作品になっています。

まず、警視庁の刑事・上條と、高校時代の後輩で現在アメリカで心理療法士をして…

5

災厄を運ぶ男 小説

水原とほる  葛西リカコ 

終盤にスピードダウン?

いつもの水原先生は、暴力や理屈っぽさが飛び交っていて、どちらかというとねちっこいと思います。文章も割りと多めですし、私としては読むのに時間が掛かる作家さんだなぁという印象なのです。ですが、今回は今までに無いほどのテンポが良くキャラの心の動きも小気味よかったなぁと感じました。

まず、秀一の転落人生 (と言っていいのでしょうか) の可哀相具合がひしひしと感じられて良かった!
水原先生作品の主人…

3

災厄を運ぶ男 小説

水原とほる  葛西リカコ 

自分なら

ラストの潔さはなかなか秀逸でした
こういう終わり方をするボーイズラブは他にないので新鮮でした

ロードムービー的な感じを狙っているのでしょうけれど
それよりも、どっちが引っ張って、どちらが流されているのか
という流れの中での主導権が移っていく様が面白かったです
本人たちに自覚がないことで、余計に主導権の行き先が予測が付かず
結局、潔い方の勝ちみたいな(苦笑)

せっかく、家族の設…

2

災厄を運ぶ男 小説

水原とほる  葛西リカコ 

さらっとしてベタつかない!

いつもの水原節ではないですね~
あれ?この作家さん誰?みたいなストーリーで新鮮でした。
『災厄を運ぶ男』という題名はその通りで、そしてもう片方は『災厄に自分を殺した男』とでもいいましょうか(?)
堕ちたというでもなく、引きずり込まれたというより、本人の選択ですから、それはまさに以前の自分を捨てるという行為により、殺すという言葉がぴったり。
トーンは、彼らに色々な苦難が降りかかるのに、全く暗…

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