total review:284153today:10
ようこそ!ゲストさん
無料会員登録
ログイン
ログイン 無料会員登録
12/152(合計:1520件)
一穂ミチ 竹美家らら
腐男子のSHINO
『ふったらどしゃぶり』で登場した和章のお話。 前作にも増して文学色の強い作品でした。 前作を読んだ段階では和章に対して正直あまり良い印象はなかったのに、もうすっかり好きになってしまいました。 帯にある、 「愛しあおう、"とげ"を抱えたままの心で。」 という文が本当にその通りだなと思いました。 何をどうしたって とげ は抜けることはなくて。 それでも、出…
長雨を思わせる文章に、ちょうど滴る雫のような感覚で、フっと作品の世界へ誘われました。 雨が年月を経て石を穿つように、小さな小さな積み重ねが不可逆的な変化をもたらし続け、やがて俯瞰した時にはもうどうすることもできなくなっている。 愛と性に翻弄されるふたり。 一つの共通点から始まった関係の先で何を失い、また、何を得るのか。 見届けた後のこの気持ちが表現できないのがもどかしいです。 …
あんバターパン
一穂ミチ先生ならではの心理描写かな、というお話です。タイトル通り、DKとその担任の先生のお話なんですが、特に2人ともゲイという訳では無いのです。ノンケの2人が何故、どうやって恋愛感情を抱くに至ったのか、というところがエロありきのストーリー展開ではない、一穂先生ならではのお話で引き込まれてしまいました。 過去に苦い経験をして贖罪のように生きている先生の意外な一面を見た志緒少年。志緒ちゃんの行動…
一穂ミチ 雪広うたこ
ネタバレ
終始独特な雰囲気に包まれた作品で、とても惹き込まれました。 p.64の"時々、自分があの透明な〜"という台詞が胸にグサッと刺さりました。 他にも付箋を貼りたくなるような表現が沢山。 (これはどうでもいいんですが)表紙の手前のキャラの指が青く染まっていて、あらすじに"爪の先をいつも青く染めている遥"とあったので、てっきり手前の子が遥だと思って「ビ…
ymz 一穂ミチ
おぶもいもい
コロナのせいで誰もが行き場のない気持ちを抱えて生きていたど真ん中の頃のお話で、 作品の登場人物たちがそれぞれに現実と向き合いながら暮らしている様子がとてもリアルだったなと思います。 響は恋人がいるけれどバーの常連・観月と仲良くなっていきやがて気持ちが傾いていくような展開になるけれど、そこには三角関係的なドロドロはなくて。 ままならなくなった日常を真っ直ぐに進んだ先に待っていた、淡々とした…
うーゆむ
一穂ミチ先生の未読をさらっているところです。 『雪よ林檎の香のごとく』のスピンオフだからこそ読み始めたわけです。 うんうん。 確かに、世界線は交錯するんだけど、私の知ってる嵐くんとは違うんだ。 知っている嵐くんは、スピン元の作品の志緒くんの妹、美夏ちゃんの素敵な文通相手で、憧れの優しいお兄さん。 そして、栫。 あ、栫はなんかそのままだったけども。 スピン元からの、ざわめく恋愛を思…
零論
今回は、なっちゃんこと深と皆川竜起との間に「恋敵」が登場します。 3つのお話に分かれていて、 ①恋敵とのあれやこれや ②恋敵目線の感想文 ③走る話(計と潮が登場!)です。 3本目は竜起が富久男に挑戦する話ですが、ドキドキする展開で、今まで特に何も感じていなかった竜起が好きになりました! 計のスーパーマンっぷりに隠れがちですが、この子もデキる男なのを思い知らされました。 …
特典などのショートを集めた本です。 長さも軽さも色々なお話が詰まっています。 そのどれもが幸せな気分にさせてくれるお得な一冊でした。 時間軸も様々で、読み進めながら忘れている内容を思い出したりしていました。 時間のない時でも、少しずつ読めるのでオススメです。 書き下ろしのデイドリームビリーバーは「イエスかノーか半分か」の読者なら絶対に読んでほしい。 彼らの昔と今を更に補足してく…
もちベーグル
電子書籍サイトで割引になっていたからこそ出会うことができました。感謝 背景、景色、色、想い、どの描写をとっても言葉の選び方があまりにも繊細で美しい。 受験の失敗が重なり親にも周りにも意固地になってしまった志緒が先生でありながら先生らしくない色々な面を見せる桂に出会い、自分が抱えている悩みなんてと思ってしまうほどの過去を知り、そしてついにはそんな桂を思ってか、それとも自分のためか、札幌に…
ぱるりろん
「ふったらどしゃぶり」の同人誌。12月のひとこま。日常のお話。 たぶん「メロウレイン」に収録されていると思います。 事件など起こらず、本当にただ普通の日のお話なのに、このなんてことない日々のなんてことない会話がものすごく愛しいです。ほっこりしました。 同人誌ならではというか、特に山も落ちもなく、久しぶりに萩原くんと半井さんを覗き見したような気分になります。 一穂先生の文体はとても読みやすく…