加東セツコさんのレビュー一覧

蔓草の庭 コミック

加東セツコ 

じっとりと汗ばむ様な、隠微なメロドラマ風。

加東セツコ先生の作品はいつも、食い足りない感というか、余韻を残して終わるショートストーリーが多い。多過ぎるので。ジダジタは妄想で補うしか無い。なので、既読作品にしても、何処かでこの続きを読んだ様な気がしていて。それが自分の妄想だったのかどうか。今となってはもぅ分からない。

◆ 表題作「蔓草の庭」
加東セツコ先生作品にしては比較的中編寄りの作品。
ジリジリと暑い夏休みのある日。義行の従兄弟…

4

トロンプルイユの指先 コミック

加東セツコ 

サスペンスでも無いのに、全編を通して緊張感漂う作品集。

加東セツコ先生の作品はいつも。
その端正な絵と共に、読み手側に何とも言い難い緊張感を強いる。
白と黒のハッキリとした稜線。
選び抜かれた無駄の無い台詞とモノローグ。
どこか覚めた様な、或いは虚ろな。多くを語る瞳。

表題作は巻末にあって。電子書籍では試し読み出来ない様になっている。
そして、表題作なのに。その他の作品と同じくらい、短編だ。短過ぎる。
けれどその中に、言いたい事は全て…

3

情愛恋華 小説

華藤えれな  加東セツコ 

読んでいるうちに自分がスケベオヤジと化した

『気持ちが高ぶると方言が出てしまう』というのは大変素敵だと思うのですよ。
で、全くもって個人的見解ですが、その中でも京都弁と博多弁はステイタスが高い様な気がします。
時折、気が高ぶると京都弁が出てしまう美人な華道家元……そそりますよね。

27歳という若さで華道の家元になった怜史はその重圧でかなり息苦しい思いをしているんです。
そんな時、たまたまテレビで映っていた水嶋の作品に目を奪われて…

4

恋のはじめ コミック

加東セツコ 

色っぽい雰囲気の作品

表紙イラストの窓辺で見つめあう二人が素敵だなと思ったのですが、カバー下はその続きになっていてうわぁ♪と喜んでしまいました。冒頭に「めばえる恋は」後編の表紙カラーも収録されています。見つめあう視線や醸し出す雰囲気がとにかく色っぽいです。

3作品中では「めばえる恋は」が一番好きなのですが(店長のタレ目具合が好み!)、閉店後のお店で抱き合った後、二人ともテーブルに突っ伏したまま椅子に座って朝まで寝…

4

溶ける コミック

加東セツコ 

目力強い

加東セツコ先生の作品は「目で語る」という印象が強いのですが、五十嵐(攻)はほんと目力が強いキャラでした。あと今まで読んだ中では、一番イケメンだと感じました。感情表現は5歳児ですけど(笑)

短編集のコミックスが多い中、この本は5話+番外編で1冊丸ごと表題作というだけあって、二人の関係をじっくり語ってくれています。短編だとどうしても駆け足気味になるので長く読めて嬉しい。五十嵐の吉野(受)をじっと…

6

よろこびは膝の上 コミック

加東セツコ 

白いニャンコが可愛い

実家暮らしだからか白い子猫が出てきます。裏表紙や扉絵にもいますが、ストーリーに絡むことはないのが残念です。

ラブからの方が長い作品です。
当初は読み切り予定だったのか、1話目で両想い→エッチになるのですが、もっとじっくり読んでみたかったです。ただ、それからお互いの兄弟が二人の恋愛の障壁(という程でもないのですが)になり、兄弟の立場から助言するというのは面白かったです。

受けが襲ってス…

1

よろこびは腕の中 コミック

加東セツコ 

働いていない男

「よろこびは膝の上」のスピンオフ作品ですが、私はこちらの方が好きです!

葵の、康毅(弟)を好きだと言いながら、相良に嫉妬がっつりなのが、なんとも可愛いです。

最初さっと読んだときは、相良は行き場のない葵に対して酷いなぁって思ったのですが、じっくり読んでみたら、抱いてる最中に弟の名前を呼ばれるとか、なかなか可哀想だと気が付いて評価を変えました。13年って健気すぎる…。

葵の厚い上唇…

2

オーバーテイク コミック

加東セツコ 

「ミミック」が好きで好きで

私は基本的に、加東先生の作品は長い方が好きなのですが、今回のコミックはちょっと違いました。表題作から3:2:1の長さだったのですが、一番最後の「ミミック」が自分のツボでした。萌2はすべてこの24ページへの評価です。

部下×上司なんですが、この部下のしたたかなこと!
残業をして近づくのを虎視眈々を狙うのはまだしも、自分と同い年22歳の息子がいると分かってからも、引くどころか息子の不在につけこ…

5

午後11時、きみとふたり コミック

加東セツコ 

裏表紙のあらすじが素敵

出版社には余りこだわりがないのですが、裏表紙のあらすじが素敵で、思わずどこのコミックなのかと確かめた記憶があります。「残業時間の魔法」という表現をそれくらい気に入りました。

短編集4作品です。
そのうち同じ職場でのサラリーマンCPが3作品、しかも部下×上司、同僚同士、先輩×後輩とバラエティに富んでいるので、そういう設定が好きな方にはオススメです。私は働く男が大好きなんで、格好良く働いている…

6

ここにしかいない二人 コミック

加東セツコ 

冬っぽいイメージ

二人の閉塞感や、意図的な登場人物の少なさや白い背景がなんとなく「冬」を思わせました。それと、見つめあったり表情で語る場面が、印象的な作品でした。

中程度の長さの2作品が収録されています。
登場人物や背景に共通点があるわけではないのですが、閉塞的な雰囲気が似ています。書き下ろし番外編をぎゅうぎゅうまで頑張ってくださったのか、作者のコメントもないので、作品の世界観に浸れる1冊となっています。

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