aaaiiiai
◆さあ、俺に恋をしろ(表題作)
究極の憑依型俳優とでも言うべき零と、そんな彼を追いかけるアキラのやりとりが面白かったです。自分がなくて何にでも染まれる真っ白な零。逆に、どんな役をやっても自分色が出てしまうアキラ。一見前者の方が役者に向いてそうだなと思うのですが、役を自分なりに噛み砕いてさらにその魅力を引き上げる、というのも俳優としては大事な素質ですよね。あの人にこそ演じてもらいたい!と思わせる…
冒頭が15年後から始まる珍しさ!
出会った頃の学生の頃の話が度々出てきますが、基本的には現在の32歳をメインに進みます。
学生時代に親にカミングアウトして駆け落ちした二人。
それから15年後経った今でもずっと隣にいる。
だけど変わったこともある。
あの頃のように若くはないし、美少年と呼ばれていたのに今やオッサン。
その変化を受け入れられず、変わってしまった自分を攻めがこのま…
◆アヒルの卵(表題作)
地味モブ顔のキャラが実は美形でした、という王道のストーリー展開ではあるのですが、一度開花させてそこから彼の人生ががらりと変わるというのではなく、一度開花した後再び地味な雰囲気に戻ってしまうところが面白いなぁと。美形であることを知っているのは自分だけでいい、という峰の正直な独占欲に好感が持てました。峰に見てもらえないなら小綺麗にしたって意味がないと、潔く以前の自分に戻る板…
◆兄弟ですが、他人です。(表題作)
冒頭ではギャグ要素満載のほのぼの義兄弟物語といった雰囲気だったんですが、中盤以降、兄弟共に互いに抱える薄暗い想い、歩んできた人生が描き出され、シリアスな場面が多くなっていきます。のほほんとした愛されキャラの兄・巧弥が、母親のことでここまで鬱屈した一面を持っているのには驚きました。人は本当に見かけによらないですね。自分が春輔に道を誤らせたのではないかと不安に思…