Phov0v
物語はBLあるあるの様に淫靡では無く。意外にも深淵なるテーマを孕んで終息して行く。
「美」とは。ただそこにあるだけで完全なる「正」なのだ。
小石川あお先生の物語は、寓話的なメッセージを込めて愛を語るのだろうと予想していたんだけど。これはそれよりも些か哲学的、文学的な匂いもしていて。つまりはやはり、少々難解だ。
幾つか枝分かれして行く結末が予期されたので、ハラハラして読んだのだけど。
多分中…
傾城の美女と言われた母の失踪。それを調べているらしい黒田。
その母より美しい息子、絢。
「食べないの?おおかみさん。」に感動して、小石川あお先生の既刊を遡っているんだけど、やはり新刊の出来が素晴らしいのもあるし。まず、新刊はとにかく優しいのだ。
新刊に比べるとどれもこれもちょい小難しい。圧倒的な説明不足と過剰な匂わせ。
何となくそうだろうな、と予想はつくものの。
このまどろっこしさに…