丸木文華さんのレビュー一覧

ノエル 小説

丸木文華  門地かおり 

閉じられた世界に入っていく二人

子を拾う大人と拾われた子供のBL。アレックスはノエルを喰うために拾ったのか、拾ってから喰いたくなったのかが気になっていたが、最後のオチでそんなことは気にならなくなってしまった。どっちもどっちだったという話。

日本に異常な執着を見せるアレックスは、犬猫を拾うように子供を自分のものにして、ノエルと名付ける。ノエルを傍に置き続けるために、倫理観がおかしかったり自分に都合の良い言い訳をしたりと、危う…

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霧の楽園 小説

丸木文華  笠井あゆみ 

二人きりの楽園を築いたお話

妖しさ満点のダークな雰囲気を最後まで保ち、一直線に二人だけの世界を作り上げて終わっていった。第三者がオチを語ることで、二人がより一層遠くに行ってしまったように感じる。この独特の読後感がとても好き。

下男の学は酷い境遇ではあるが、自己防衛がしっかり働いており、学視点で語られる光景に辛い描写は少ない。マゾヒストの自覚は本音かどうか分からないけど、こうした性質もまた悲壮感を失くしてくれる一つの要素…

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蜜華の檻 ~堕ちた麗人~ 小説

丸木文華  笠井あゆみ 

ちょっと物足りない終わり方かも

う~ん……最後が。大きなことが起こりそうで起こらない、不安を煽って種だけまいて、回収が雑過ぎでは。精神的な決着重視なのかなとは思いつつ、布石部分にしっかりページを使ってこのラスト?と物足りない。雰囲気はとても好き。

没落華族のお坊ちゃまが、元同級生に囲われるお話。千秋と眞鍋はかつて対立していたとはいっても、千秋が一方的に屈辱を感じているだけで、眞鍋が酷い提案をしてきたわけではない。適度に千秋…

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妖ノ宴 小説

丸木文華  サマミヤアカザ 

いろいろご想像におまかせ系?

次々と人を狂わせる秀秋と、惑わされながらも心を通わせていく慎三郎のお話。秀秋の性質やラストのあれこれに関しては、曖昧なまま終わっていく。真相はあえて追求しない方が情緒があって良いのかもしれない。

秀秋に仕えることとなり、最初は反発していた慎三郎。この時点でちょっとフラグ立ってる気がしなくもないが、秀秋の素顔を知るにつれ、離れられなくなっていく。

秀秋には「立派なもののけになった」と言わ…

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オタクな俺がリア充社長に食われた件について 小説

丸木文華  村崎ハネル 

お道具いっぱい

腐友おすすめのこちら。
丸木先生の御本はシリアスめなものが多い印象でしたがコミカルなタイトル、楽しく読ませていただきました!
期待通りオタクにまつわる描写がストレートで
おもしろかったです。
今はあまり聞かなくなった「ホモ」描写も新鮮。
こーたろーが執心していたメイドさんとは身体の関係は無かったけれど、泉田さんが呼んだ高級コールガールとの性描写が軽くあります。
私はBLに女性との絡みが…

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アフェア ~人でなしの恋~ 小説

丸木文華  笠井あゆみ 

溺れて堕ちて、

こ、これはすごいお話…!
ダブル不倫ものだと理解したうえで読みましたが、想像以上のドロ沼っぷり。
どこまで堕ちていくのだろうかと気になって、グイグイ引き込まれて一気読みでした。

それぞれの言動に共感するところは無いけれど
その過激で生々しい衝動と抗えない恋心の前で本能のまま動いてしまう彼らから目が離せなくなるような引力があって。
どんな結末が待っていようとも受け入れたいという気持ちに…

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アフェア ~人でなしの恋~ 小説

丸木文華  笠井あゆみ 

あれ?この先のドロドロは?

W不倫モノということで、ドロドロを期待して読んでみた。が、ここから妻を交えた四者バトルか?というところで終わってしまった。この先はBLというより韓ドラになってしまうから仕方ないのかな。

友哉は結婚して妻は妊娠中でマンションはローン購入で、ガチガチに囲い込まれている感じ。息苦しそうで追い詰められそうな空気を出しつつも、逃げる勇気はなさそう。義務的に良い父親になろうとしてるように見え、主体性のな…

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残心 中白の恋 小説

丸木文華  嵩梨ナオト 

ここから先が彼らの本番なのでは

弓道に熱い高校生の青春とBLと。面白かったが、この作品そのものが序章に感じるラストというか、エンドマークのその先からが彼らの本番なのでは、と思わせる終わり方。希望への意欲は見えるが、方策は見えない曖昧さがなんとも。心配が残る作品だった。

新は幼稚なプライドが高く、青木に嫉妬してブチ切れたりしてるので、前半は読むのがキツい。青木に翻弄され始め、徐々に素直さが見えてくるにつれ、読みやすくなってい…

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番~つがい~ 小説

丸木文華  村崎ハネル 

妖狐(兄)がカッコ良すぎた。

妖狐といえば昔or田舎がお約束なのかな。江戸が舞台で、見た目も中身も幼い妖狐と、剣の腕はあるが自己評価の低い男のお話。正直メインカプより、妖狐兄弟の物語の方に興味を惹かれた。ちょっと兄がカッコ良すぎた。

主人公の数馬はお人好しっぽい立ち回り。自分に関してはネガ思考で、他人には妄想混じりのやや大げさな同情を寄せたりしている。頼りないヘタレかと思っていたが、いざとなったら時代劇の決め台詞のような…

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モンスターフレンド 小説

丸木文華  乃一ミクロ 

表紙の爽やかさが逆に怖い

 ここまで振り切ってサイコパス攻めを書いて世に出してくださったことに、感謝も込めてこの評価です。書く方も読む方も、さすがにまったく好意を持てない相手にずっといいようにされている話なんて、しんどいし、あまり旨みもないじゃないですか。普通は攻めがどんなに酷いことをしても、受けに元々Mっ気があったり、相手を執着させていることに自分の優位性を感じて密かに満足感があったり、自分も同じくらい相手を独占したいと…

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