槇えびしさんのレビュー一覧

ホーリー・アップル -穴だらけの林檎- 小説

柏枝真郷  槇えびし 

甘さ控えめ。翻訳ものみたいな空気

2009年発表、設定は1980年代NYの、刑事と警察官の物語。3巻もの。

本作は、BL的なLOVE観点は薄い。
警察官と刑事の立場の格差、世間的にゲイを隠さなければ生きづらい風潮、大都会で日常的に起こる軽犯罪・傷害事件・発砲事件に立ち向かう警察官の奮闘…
主人公の警察官と、分署を移籍してきた刑事が共に(偶然)ゲイで、これまた偶然に同じアパートの住人となって、周囲に隠れて関係するようになる…

1

きみにあげる。 コミック

槇えびし 

壊れ物のような空気感

 メイン2人の出会い方、距離感、正反対な性格なんかがとても素敵な作品だなぁと思いました。恋人に裏切られた挙句借金を肩代わりさせられ、人生に疲れ果てた諒一が1人彷徨い歩いていたところに、1枚のチラシが飛んでくる。書いてあった言葉は「君に座席をあげる おいしいお茶を淹れてあげる」。切羽詰まっていた彼に、唐突に与えられた居場所。この序盤で心を掴まれてしまいました。

 天然で人の悪意に疎くて何でも信…

0

きみにあげる。 コミック

槇えびし 

不思議な受け

なかなか独特な絵柄ですね。最初に黒い!と思いました。

諒一が元恋人の借金の連帯保証人になり取立て屋から逃げて逃げてたどり着いたのが蓮のお茶屋さん。

美味しいお茶を頂くもお代を払えず居候兼従業員に。

色々蓮にも深い事情があるのですが、なんというか二人の(律も)展開がいつも唐突で。それが味なんでしょうが???ハテナで。

諒一の借金や元恋人のことは割りと早めにどうでもよくなってい…

0

みずのいろ。 コミック

槇えびし 

ところどころ理解が追いつかない

 全体を通してとても重厚感のある物語でした。この作品でいう「天国」というのは、他の地域よりずっと治安が悪くて、犯罪が蔓延している上にそれが当たり前で誰も文句を言わないようなエリアです。ファンタジーではないのにどこか異世界チックな雰囲気が漂っていました。

 読み終わった後に、この作品は登場人物の世都の過去を清算することがストーリーの主軸だったのかなぁと感じました。母親に天国でなら存在することを…

0

黄昏に花が舞う 小説

樹生かなめ  槇えびし 

怪作その2

「黄昏に花」の続編。
こちらも大変シュールな笑いに満ちた作品ですが、1作目の免疫があったせいか衝撃度は低く感じました。
とはいえ、業務課の女性社員パワーは相当凄まじく、真砂の失恋譚はもう全くもって理解不可能。
樹生かなめ先生の女性を見る目が、冷たいんだかあったかいんだかわかんない。
一方BL小説としての柱(のはず)の、小田原と岩井課長の仲はどうやらモダモダとして、岩井のEDも治るのか治らな…

2

黄昏に花 小説

樹生かなめ  槇えびし 

笑撃の怪作

答姐にておすすめされて読みました。
かなり!衝撃的……!

「黄昏に花」
冒頭、美中年の岩井課長が女性部下のフ○ラを受け、全く変化しない。そう、岩井はイ○ポ。
かつて出世街道を走っていたエリート銀行員の岩井は、過労で倒れた後リストラで子会社に出向、勃たなくなり離婚、出世欲も性欲も食欲も失って、見た目の涼やかさはそのままに、45才にして何もかも枯れてしまった…
ならば岩井の悲哀物語かと思…

3

ホーリー・アップル -虹色のスチーム- 小説

柏枝真郷  槇えびし 

ニューヨーク!ニューヨーク!

以前、ちるちるの答姐コーナーで推薦していただいた作品。
読むにあたり、各方面で本を探しましたが中古本しか見つからず、新品本はもう販売していないようでしたので、kindle版で購入しました。
挿絵がゼロだったのだけが残念です。

まず、リアルな海外が舞台の小説を読みたかった自分にとっては大満足の内容でした。
日本人の作者さんが書かれたとは信じがたいほど、世界最大の都市NYの描写が生々しかっ…

5

妖しの剣 小説

剛しいら  槇えびし 

「紅」誕生譚

「古都の紅」の、血を好む妖刀「紅(くれない)」の誕生の物語。
あの呪われた刀がどうやって創り出されたのか、大変美しく凄惨な表紙に惹かれます。
ですが、内容は想像以上に硬質で、エロでもグロでもなく、数奇な運命を持って生まれた一人の美少年の一生の話となっています。
時は戦国時代の始まりの頃。
領主八薙(はちなぎ)に次男が誕生したが、名付けに呼ばれた陰陽博士に『色難と殺の気…魔に魅入られる』、親…

0

妖しの剣 小説

剛しいら  槇えびし 

妖刀のその後を知りたくなります

表紙デザインに惹かれ、何気なく電子書籍版で読みました。…するとこれ、思いがけない当たり! とても面白かったです。

ざっと粗筋を読んだ限りでは、「妖刀」だの「呪い」だのをエッセンスにしつつのエロ重視ファンタジーなのかと軽く思ったのですが、いやいやなかなかの読み応え。意外にディティールは細かいし、挿絵がなくとも荒っぽくも耽美な世界が十分にイメージできたし。※とは言え、表紙絵がとても素敵だったので…

2

ホーリー・アップル -穴だらけの林檎- 小説

柏枝真郷  槇えびし 

翻訳小説みたいです

積み箱から発掘。
お話は80年代のニューヨークが舞台の警察官物。
翻訳ものっぽいような、なんか冷淡な感じが好ましかった。

80年代ってもう30年以上前なのかぁ、、、
この本自体が、いつから積まれていたのかわからないレベルの積み本箱から発掘したので、ほんとに古い本かと思いきや、出版されてまだ10年経っていないのね。
時代設定は、もう、なんだか、ほとんど時代劇っていうか歴史物の域だけど、…

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