和泉桂さんのレビュー一覧

洋澄観光ガイドー犢鼻褌(たふさぎ)祭り特集ー(合同誌) 小説

和泉桂  木原音瀬  水壬楓子 

ふんどし、好きになりました

「ふんどし祭り」を観光の目玉にする架空の地方都市・洋澄市を舞台にした三つの物語。

木原さん目当てで初めて合同誌を買いました。実はふんどしにはあまり興味がなかったのですが、ふんどしから生まれる物語の可笑しみとバリエーションがとても楽しかったです。ふんどし、好きになりました。
それぞれの物語の主人公たちは別々の町に住んでいますが、行き来があり、別の物語ではわき役で登場しています。三つの作品を通…

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この罪深き夜に 小説

和泉桂  円陣闇丸 

スパイスが効いた主従関係に読み応えがありました

人気の清澗寺シリーズの文庫版の一巻を手にしました。もともと時代物好きなだけに、どハマりしました。特に大正時代は浪漫溢れ、古い物と新しい物が入り乱れた活気のある時代に感じられ、惹かれてしまいます。数ある大正時代を舞台にしたコンテンツのうち、この作品は華族からの目と労働者からの目の両方を通して時代の歪みを描かれている所が興味深かったです。
和泉先生の作品は、ロシア革命の時代が描かれた「タナ…

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淫紋の贄 小説

和泉桂  笠井あゆみ 

物語としては面白いのに、受を思うとちょっと辛い……

面白かった。
面白かったんですが、いまいち萌えない。

いつも言ってることですが、
やっぱり愛の無いエロは辛い……
心の無いも辛い。

それとね、今回はどうもカップリングに納得いかないというか……
先出の方も書いていらっしゃるように、
純粋に楸と時雨の恋物語に読めない。
どうも時雨が、楸と陸上の関係の添え物のように感じてしまい。

それと、前に読んだ漫画の方でも感じたのです…

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終わりなき夜の果て 下 小説

和泉桂  円陣闇丸 

新生『清澗寺家』の誕生

上巻は『グランドフィナーレ』感が満載で、第一部のラストに向けた「読者サービス?」と感じる部分もありましたが、下巻は『今まで広げたお話を綺麗に畳んだ』という感じです。
その畳み方が、実に整然と美しいのです。特に表題作!

物語の中では容姿も性格も異なる兄弟として描かれてきた国貴と和貴ですが、こうしてみるとよく似ています。自己犠牲という名のもとに自分を投げ出し、全て一人で解決しようとするところが…

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終わりなき夜の果て 上 小説

和泉桂  円陣闇丸 

怖かったパパが愛らしく感じた

『清澗寺サーガ』第一部の最終話ということでパパも息子もおじい様方も総出演です。時代も維新の頃から昭和の初めまで、飛ぶ飛ぶ。
上巻は深沢×和貴、伏見×冬喜。プロローグでは嵯峨野と貴久のおじい様方も。
長かった一族のお話のグランドフィナーレ。この神話に登場した全員がシャンシャンを手に持ち、羽根飾りを背負って大階段を降りて来て、スポットライトがあたると二人で踊り出す、的な感じ。

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紅楼の夜に罪を咬む 小説

和泉桂  円陣闇丸 

『穴馬』的な面白さ

『清澗寺サーガ』の中ではあまり注目されていない(と、思うのね。そもそも評価を付けている方が少ない)本作。やっぱり私はへそ曲がりなのかなぁ……表題作はとても好みでした。
何が好きかって言えば、主人公の二人にはそれぞれ『自分が守っていきたい唯一の人』が別にいるということなんです。もう二人とも、自分の矜恃も曲げてでもその人を守ることに囚われている。こんな二人の関係がとてもスリリングなんですよ。
電子…

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罪の褥も濡れる夜 小説

和泉桂  円陣闇丸 

パパキターーーーーー!

ついに、待望の『パパ編』です。電子には挿絵なし。あとがきあり。
長男次男が大変恐れている『清澗寺家の血』。
淫乱であることは確かに、表向きにはいけないこととされておりますが、太古の昔から『性の魅力』自体は一つの力として、大っぴらに語られてきたことでもあるわけです。
だったら何故、彼らがこれだけ父を忌み嫌うだけではなく恐れているのか、それがよく解らなかったので、今まで私はいまいちこのシリーズに…

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せつなさは夜の媚薬 小説

和泉桂  円陣闇丸 

三男は素直

長男、次男が強烈に捻じれていたのですが、あら、三男は可愛い。
あのご家庭でここまで通貴がワンコだというのは、国貴と和貴が必死で守っていたんでしょうねぇ……偉業だと思います。
あ、ここまで書いてちょっと気づいちゃった。
清澗寺家って『父性がない家』なんだ!
国貴と和貴の『守り方』って、お母さんぽい。
まあ確かに、父がいない家ではあるのですが、でも母がいるわけでもないからなぁ。『化け物』と『…

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夜ごと蜜は滴りて 小説

和泉桂  円陣闇丸 

迫力

うーん……やはりこのシリーズ、私には合わないのではないかと思い始めてきた二作目。
一作目同様、電子書籍版にはイラストがありません。

無理目と知りつつ、必死で手を伸ばそうとする登場人物は好きです。出来ないことを「出来る出来る」と頑張る姿があれば、結果がどうであろうと、もっと言っちゃえば、多少アンモラルであろうと良しとしちゃう所があります。

なのに、なんで和貴はダメなんかなぁ……
「本…

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この罪深き夜に 小説

和泉桂  円陣闇丸 

女々しい(差別用語か?)様に感じて

『清澗寺家サーガ』をついに読み始めてしまいましたよ。
2014年の電子化なのですけれども、残念なことにイラストはなし。あとがきはありました。
『とにかく長い、メロドラマ』という予備知識しかないままに読み始めたんですけれど、どうもこの一作目は私には合わないような気がしました。

幼い頃に惹かれ合い、身分違い故に引き裂かれ(お坊ちゃまである国貴の方は事情を知らない)た後、再会するも、片や反体制…

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