六青みつみさんのレビュー一覧

寄せては返す波のように 小説

六青みつみ  藤たまき 

前作「蒼い海……」よりもいいお話

続編、そしてほぼおきまりの事ですが、なぜか続編が来ると本編よりも脇カプがさらにいいお話に。

エリィは前回敵役、そんでもって悪役(笑)
でもおそらく彼も可哀想な人……という終わり方でしたので今回はその彼の寂しさ満載のお話に。
ショアにしたことは許せませんが、ある意味ショアよりも可哀想な人です。
ショアはある時期まで自分がいいように利用されていることに気づかなかったし、気づくまではそれなり…

7

寄せては返す波のように 小説

六青みつみ  藤たまき 

思い出したい記憶、思い出したくない記憶に涙!

「蒼い海に秘めた恋」の続編。
前作でショアに見事にふられたエリィが主人公です。
ショアに捨てられ、初めてその存在の大きさと、失った悲しみに沈むエリィ。
ルースという清掃員にショアの面影を重ね、逢瀬を求めショアの身代わりにします。
ルースは重い記憶障害で長時間記憶が持続しない。
すぐに忘れてしまう事を利用し、ルースを「ショア」と呼び一時のまやかしに浸り、ショアを失った悲しさを埋めようとしま…

8

至福の庭~ラヴ・アゲイン~ 小説

六青みつみ  樋口ゆうり 

贖罪する立場の痛み

対人恐怖症の佳人は、カウンセラーをしている兄と暮らしています。
自宅の小さな庭の手入れをするのが日課で、何処に出かけることもなくひっそりと暮らしています。
なぜ対人恐怖症なのか…、それは佳人が6年前に性的暴行を受けたことが原因なのです。

高校の時から好きだった藤堂大司と恋人として付き合っていた大学時代。
その頃から藤堂の生活は派手になり、地味な佳人を疎んじ始めます。
藤堂とトラブルを…

9

遥山の恋 小説

六青みつみ  白砂順 

可哀想な受け、六青作品の原点

その生い立ちのために人里離れた山奥で祖父と暮らさなければならなかった少年時代。
そしてその祖父が死んだあとは老犬のシロと二人きり。
どれだけ淋しくて辛いだろう……と思っても、紫乃はその暮らししか知らないから淋しいとも思わない。
けれどそこに突然現れた異界の人間にも等しい存在貴哉。
最初は化け物扱いで酷い扱いだったのに、それでも紫乃はひたすら貴哉に尽くす。
それが人恋しさだと思えばとても切…

7

遥山の恋 小説

六青みつみ  白砂順 

商業誌デビュー作

人里離れた山の中で、老犬と暮らす孤独な少年・紫乃。
崖から落ちて重症を負った青年・貴哉を助けた事で、孤独を癒します。
紫乃の顔や体には不気味な痣があり、それが原因で人里から離れて暮らしていますが、本当の理由はもっと奥深いところにあります。
貴哉から「化け物」と罵られて傷ついても、紫乃は決して看病を止めず献身的に尽くします。
若き領主だった貴哉は、身内の裏切りにより虚偽の罪に追われる立場とな…

9

寄せては返す波のように 小説

六青みつみ 

かわいそうなエリィ

商業誌「蒼い海に秘めた恋」のサイドストーリー。
ご本人がおっしゃられていたように、エリィ救済本です。

ショアを失ってから気付いた「愛してる」という気持ちはもう遅すぎて、人前では沈着冷静なふりをしていても、独りになると悲しみに打ちひしがれるエリィ。
その描写がとても悲しくてかわいそうです。
身代わりのルースが、エリィの事を忘れないように必死になる姿も泣けてきました。
手帳に書かれた言葉…

6

一枚の絵 小説

六青みつみ 

大ボリュームの1冊

商業誌「ruin -傷-」の前作となる作品です。
できれば「一枚の絵」を読んでから「ruin -傷-」を読んで欲しいです。
読めば何故カレスが罪の意識から自傷行為をするのかがよくわかります。

それにしても…、この話の主人公エリアの境遇は悲惨です。
ライオネルが同情してしまうのも無理はない。
貧困、差別に苦しみながらも、心まで荒まずにいられるのは不思議だけど、かなり自分を蔑んではいます…

5

ruin -傷- 小説

六青みつみ  金ひかる 

主役変われば、見方も変わる

作家買いしている六青さん。
これを読んだときに脇カプに覚えがあり、「あぁ以前読んだな」と思いました。
何というタイトルか思い出せなくて、六青さんの商業誌を検索しまくったのですが出てこない……なんで?
間違いなく読んだよ~~と悶えること半日。
やっと気づいた、これ同人誌で読んだんだったorz

めったに同人誌には手を出さないので忘れてました。
ただその話は凄く面白そうだったので、特別に…

7

ruin -傷- 小説

六青みつみ  金ひかる 

相変わらずの切なさ

相も変わらず、受けちゃんが非常に悲惨な目に遭ってます。この受け悲惨設定は、六青さんではデフォルトです。今回は、強姦だけでは終わらず、わかっていて大好きな人・ライオネルのために自ら陵辱されに赴くんです。
わかってやっていることとは言え、かなり破壊的な行為です。カレスにとって自分より大事なライオネルですが、ライオネルはその想いに応えることは絶対にありません。ホント、バカだよ……。ってか、ライオネル鈍…

5

ruin -傷- 小説

六青みつみ  金ひかる 

ボディーブローのようにじわじわと…

痛いほど切なかったです。
ずっと側にいたのに…「好き」という気持ちに気付いた時、その人は別の男の子を好きになっていたなんて。
カレスが好きになった人は、幼い頃からずっとそばにいた人で、次期領主。
彼の役に立つ仕事をして側に居続けたい…たとえ叶わぬ恋でも、彼の為なら自分だって犠牲になれる。
彼が選んだ恋人が、自分のせいで治らぬ病に陥ってしまったのなら、自分も同じように傷付こう。

そんな…

9
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