六芦かえでさんのレビュー一覧

約束 小説

可南さらさ  六芦かえで 

甘く幸せな記憶が切なく辛い

評価は神寄りです。

お話は大きく2つに分けられました。
~夏の章~は高校時代編で、
~冬の章~は時を経て再会するとなっています。

可南さんの作品の健気受けがすごく好きなので
この作品も涙ダパダパ流しながら読み終えました。
特に後半の切なさが堪らない…。

目の前にいるのに、いない。
同じ人物なのに、まったくの別人。

そんな淋しさや苦悩が切々と語られ、
身を刻むよう…

2

真白に綴る愛しさは 小説

伊勢原ささら  六芦かえで 

季節感を感じる優しい物語

東京砂漠に疲れ果てた元エリートサラリーマン・高槻と、
彼のもとに預けられた心に傷を抱えた少年・凛の再生とリスタートの物語です。
とても優しくて穏やかな気持ちになれる作品で、
期限つきの関係が切なさをプラスしてくれます。

凛は17歳ですが、高校にも行っていません。
亡くなった母親の愛人に虐待されていた過去を持ち、
言葉を発することができなくなっています。
こう書くととても不幸な少年…

9

真白に綴る愛しさは 小説

伊勢原ささら  六芦かえで 

孤独だった心が、愛を知るまで(※地雷注意ですよ!!)

挫折を経て雪深い山奥で暮らす孤独な男と、深く傷つきすぎて自身の殻に閉じ籠ってしまった少年。
二人が移ろう季節の中で、ゆっくりゆっくりと心を通わせ、やがて本当の愛を知るまでー。
切なくもとても優しくてあたたかい、素敵なお話でした。

こう、二人の日常をひたすら丁寧に綴って行きと、派手な展開なんかは無いんですよね。
ただ、傷ついた心がゆっくり癒されて行く様だったり、二人の気持ちが少しずつ通い…

18

好きで好きで好きで 小説

高遠琉加  六芦かえで 

微かに感じるずるさと歯痒さ

2010年刊。
2004年刊行b-boyノベルズからの加筆新装版らしい。
高遠さんの小説って攻め受けの感情の掘り下げにぐっとくるものがある。
作者あとがきにある通り、受けの片思いをじっくり読める貴重な話だが、それぞれの未練の連鎖で最後まで読ませる引力はさすがだとは感じた。

苦しい胸の内の告白を受け入れてもらえず物別れしたまま、5年後に偶然に再会してしまった三浦と堂島。
しかも堂島は三…

1

きみを見つけに 小説

うえだ真由  六芦かえで 

身代わりものです

忘れられない元恋人の身代わりにしようとした攻め。
何もしらずに身代わりにされた受け。

いつ事実がバレてしまうのかというドキドキ&緊張感、そして両者どちらの気持ちも丁寧に描かれている構成で良かったです。

学生時代に付き合っていた恋人のことがどうしても忘れられない佳明(攻め)。
ある日、かつての恋人に瓜二つな遙斗(受け)を見つけて交際を申し込みます。

顔はそっくりなのに、性格がか…

3

優・等・生 小説

五百香ノエル  六芦かえで 

初期作品のようです

あとがきにあるように、初期に書かれた作品のようで、最初は少しもってまわったような書き方が気になります。

男子校の寮が舞台。先輩が好きだけどいいだせず、乙女チックな良が主人公。イケメンでモテモテの先輩は女子と付き合ったりしている。が、良の気持ちに気付き、あまり本気でなかった他校のマドンナと別れ、くっつくまでの話。

最初良の同室だった結城は、プレッシャーのため精神を病んでおり、良のストーカ…

0

遠い国の小さな花嫁 小説

あべちか  六芦かえで 

ほっこりファンタジーだと思ったら

あらすじ斜め読みかつ‘あ、なんか子育てファンタジね、好き好き’と見切りで購入。
ちょっとお高いわ~と思ったけど、全然お値段相応の内容でした。

エンタメBLというか、戦闘モノSFというか、さらに子育モノかつ
身分差・体格差etcといった萌え要素も織り込んでいて、非常に個人的好みをついてきます。
なにこれ面白いとよくよく本書のあおり文言をみると「~戦うお嫁さんファンタジー」とちゃんと書いて…

10

遠い国の小さな花嫁 コミコミ特典SS小冊子 おとぎばなし グッズ

ところ変われば

本品は『遠い国の小さな花嫁』のコミコミ特典小冊子です。

本編後、おとぎばなしについてのお話です。

サガルはローランに嫁いできて不思議に思っている事がありました。
誰に相談していいかわからず、自分の思いすごしかも知れないと思う
し、自分が気にしなければいいだけのことだともおもいますが、
何か変だなという思いが消えません。

刈り取った羊の毛を毛糸にするための作業をしていたサガル…

1

遠い国の小さな花嫁 小説

あべちか  六芦かえで 

可愛い花嫁モノではありません

今回は平民ながら自国の流通の要を担う子持ちの貿易商と
遠い国から嫁いできた訳ありそうな青年のお話です。

身分制度に縛られる攻様が妻に迎えた受様の事情に巻き込まれながら
苦難を超えて親子3人の幸せを掴むまでと後日談的短編2本を収録。

攻様の育った北の国の田舎町の男達は一年の大半を出稼ぎに出、家族
とは冬の一時のみ過ごす生活をしています。

攻様が継いだ家は代々王都での行商と貴…

8

千年皇帝 ~最後の花嫁~ 小説

月東湊  六芦かえで 

不憫健気といえば受ですが……

中華風輪廻転生もの。
時を超えての恋の成就って浪漫ですよね、大好きです。
しかも中華! 皇帝! 幻獣! なにこれ好きのてんこもり!
設定だけでも萌えるような言葉が飛び交うのですが、中身がこれまた良かったです。

受は800年前に攻と友人だったのですが戦によって命を落とし、攻が身の内に飼っていた幻獣と契約をすることによって受の魂を遥か未来に飛ばしてしまいます。
その代償として攻は色々と苦…

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