寮でルームメイトの吉井有也と二ノ宮荘士は内緒の恋人同士。しかしある日、荘士が事故に巻き込まれてしまい…!?

約束

yakusoku

約束
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神35
  • 萌×222
  • 萌5
  • 中立3
  • しゅみじゃない7

--

レビュー数
11
得点
281
評価数
72
平均
4 / 5
神率
48.6%
著者
可南さらさ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
六芦かえで 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
シリーズ
告白
発売日
価格
¥619(税抜)  
ISBN
9784796404129

あらすじ

誰とも馴れ合わずクラスで浮いた存在の吉井有也と、学年の人気者二ノ宮颯。相反する2人は、実は寮のルームメイトで恋人同士。誰も知らない密かな恋だったが、ある日突然、颯が事故に巻き込まれ、その後遺症で有也との記憶を無くしてしまい――! ?過去の記憶を無くした青年とその恋人だった青年の切ない再会愛。

表題作約束

二ノ宮颯,高校→美大,有也の高校時代の恋人
吉井有也,高校→専門学校生,カフェバーのバイト

その他の収録作品

  • 約束~夏の章~
  • 約束~冬の章~
  • あとがき 可南さらさ
  • あとがき 六芦かえで

レビュー投稿数11

切なくて胸が苦しい…

高校の寮を舞台にした第一話+数年後の再会を描いた第二話から成るお話です。分量的には同等ですが、第一話はまるっとプロローグで第二話がこの物語の本編になっていると思います。第二話…あまりの切なさに胸が苦しくなり、休憩しながら読みました。ふう。

前半は学生寮を舞台にしたお話。人嫌いの吉井と世話焼きの二ノ宮が出会い、恋をする様子が甘く描かれています。後半では少し大人になった二人が再会し、探り合いながら交流を深めていきます。

BL作品に限らず、記憶を失くしてしまった恋人との再会という設定自体は珍しいものではないけれど、現実には遭遇しえないシチュエーションなので、どうやってハッピーエンドに持っていくかが難しいと思います。いわゆるドリーム展開を盛りに盛って終わらせることも可能だと思いますが、この作品はそういうことはなく、現実を受け入れて前を向いて進んでいく二人がとても良かったです。あと、ちょっとした役割を果たすクラスメートがとてもイイ奴で好きでした。

風景の描写が多く、吉井が思い出す過去の二ノ宮の様子や転換点となるシーンがとても色彩豊かなので、映像で見てみたいと思わせる作品でした。こういう作品に出会えると、BL小説が好きで良かったなぁとしみじみ思います。

ちなみにこの前半の舞台になる学校と学生寮はシリーズものですが本作だけ読んでも問題ありません。むしろ前作とはテイストも展開も全く違うので、前作が趣味に合わなかった方にも手に取ってほしいです。私はたまたま前作から続けて読んだのですが…諦めずに本作を読んで良かったです。本当に。

12

路傍の石…からの妹背鶴

王道で切ない恋物語です。

高校時代、ルームメイトであり恋人同士だった二人がある日突然引き裂かれてしまい、片方は事故により記憶喪失となる。そして、四年後偶然の再会を果たしまた恋をするという…わりとベタなお話ではありますが、私は好きです。

とくに好きなシーンは
“自分がいなくても幸せだった、なんて聞きたくなかった”
と、有也がバス停で立ち竦むところ。
好きな相手の幸せを願いたい気持ちはもちろんあるけど、結局のところそれはきれいごとで、できることなら“自分がいるからこそ、幸せ”と言って欲しかったんだろうな、と。

健気でピュアな受けに弱い私は、『飛んでいきたい』という場面でもらい泣きしましたわ。
颯の記憶は最後まで戻らなかったけど、記憶が戻ることよりもまた同じ人に恋する事の方が奇跡だと思います。
可南さんの作品は、やっぱりいいですね。

6

甘くて、切ない

甘くて切ない雰囲気の作品です。後半と特に、切なくて胸がギュッと締め付けられる思いもしましたし、涙がポロリとこぼれてしまったシーンもありました。
派手なエピソードなんてありませんが、心理描写に心が揺さぶられていきます。相手を思いやる心が美しいと思います。
有也のツンデれっぷりが本当にかわいいですね。つんつんしていた子がほだされ、心を開いていく様子がたまりません。
三角関係なのに、ドロドロにならなくてよかったです。ドロドロも嫌いではないし、その設定により得られる感情もありますが、あまり不幸な人間ができてほしくないので。
一番好きなシーンは、二人がファーストキスをするシーンです。思わずキャーと叫びだしたくなりました。
甘酸っぱく、切ない感情がたくさん詰まった宝箱のような小説です。ぜひ読んでみてください。

4

切ない純愛に涙(;つД`)

大好きで、何度も何度も読み返しちゃうお話の1つです。

 受け様の有也は、高校時代、寮で攻め様である颯と同室になる。
石ころのように、と自分の殻にとじ込もって、他人と親しくならないように振る舞う有也に、気にする様子もなく、くったくなく接してくる颯。
優しく触れてきて、何気ない優しさとまっすぐな好きという気持ちと言葉をくれる颯に、有也は少しずつ惹かれていく。
夏休みに帰省中の颯を訪れて、有也はやっと「好き」と告げる事ができて、これでやっと晴れて相思相愛。
すぐに帰る、と約束して別れたのに、颯が事故にあい、その約束が守られることはなかった。

 ここまでが前半の高校生だった2人の夏の章。
頑なだった有也が颯に気持ちを寄せていく様がまさに純愛できゅん(*´∇`*)
残された有也が部屋に1人でぽつんと佇んでいる様子が思い浮かんで切ない(ノ_<。)


 その後の冬の章では、あの頃から4年後に2人が再会してからのお話。
事故のせいで、有也と過ごした高校時代の2年程の記憶が抜け落ちている颯。
有也と再会した時も、颯は有也を覚えていなくて、有也だけが動揺していて。
ごく普通に接する颯の態度が悲しい。

打ち込める好きなこと、気のおけない仲間たち、綺麗な婚約者。
自分がいなくても幸せに笑ってる颯が、嬉しいけど苦しい。
そんな気持ちを抱えた有也が、もうね〜(;つД`)
有也の苦しくても捨てきれない恋心、きらきら幸せな高校時代を思い出すにつけ、切ないったらありゃしない(T_T)

 そして、有也のことが気になって仕方がない颯。
ちらちら有也の様子を伺ってる感じがいい。


恋をしなおす2人の純愛ストーリーにきゅんがあふれて、何度も読み返しちゃいます(*´∇`*)

2

ありきたりだけど切なくて甘い

記憶喪失モノでありきたりな展開なんですが、好きな気持ちが切なくて思わずウルって
きたりもするお話でしたね。
個人的にもしかしたら涙もろいのかもと思う所ではありますが・・・。

内容的には高校の同級生同士で同じ寮の同部屋の二人が主人公たちです。
受け様は男好きのスキャンダラスに塗れた三流女優の隠し子と言う事で幼い時から
いい加減な母親にさほど愛されず、更にその母親のせいでマスコミに追いかけられ、
そのせいで、受け様は人と接する事が苦手で、自分のせいでトラブルに巻き込まれる人が
出るのも嫌だと言う思いからいつも一人でいた高校時代。

そんな受け様と同室になった品行方正で誰にも好かれるような攻め様と初めは自分に
構ってくる攻め様を拒絶気味にして、避けていたのに、攻め様のそれでも懲りない性格や
明るくて誰にも好かれる攻め様にも亡き兄と実母との過去のこだわりがあることを知り、
急速に二人の関係は近づき、攻め様に好きだと言われ、戸惑いながらも恋人に。

攻め様との出会いで受け様は少しずつ明るい方へ変わって行くのですが、そんな幸せは
攻め様の事故で失われてしまう事になります。
そのまま4年も逢う事が無かった二人は偶然受け様のバイト先で再会するのですが、
攻め様は高校時代の記憶を失くしていて、受け様はそれを知りショックを受けるが
攻め様が生きていてくれたことが嬉しいと、攻め様が忘れていても自分の思いは今でも
変わらないと思っていても、攻め様には4年の間に婚約者もいる事が分かり、
受け様は攻め様の幸せを願って離れようとする。

高校時代と同じようなセリフが攻め様の口から出るたびに、受け様の切なさや苦しさが
伝わってくるようでしたね。
再会した時に攻め様は受け様を忘れているけれど、友達付き合いをするようになって
攻め様自身も記憶が無いのにどこかで受け様が気になる感じも伝わります。
結果的には記憶は戻らずに同じ相手に再び恋をする内容なのですが、
個人的にはありきたりでも王道でも番外編でもいいからいつか記憶がよみがえる奇跡を
読んで見たいと思ったりしました。
記憶が無くても再会して再び恋に落ちる、ウルウル切なくさせてくれるお話でした。

8

純愛

可南さんは初読みです。あらすじが面白そうだったので手に取ってみました。

うん、良かった。作家さんの「ここで泣いてほしい」という意図は凄く良く読み取れましたが、それでも素直に泣けたし萌えました。

内容は皆さま書いてくださっているので感想を。

スキャンダラスな噂が途切れることのなかった女優を母に持つ有也。
資産家の息子ではあるが複雑な家庭環境で育った颯。
どちらも一見華やかな家庭であるように見えて、内面に暗いものを抱えて成長した二人は年齢にそぐわず精神的に大人であり、また鬱屈したものを抱えています。そんな二人が寮で同室になり惹かれあう。

惜しみなく愛情を注いでくれる颯に有也が惹かれたのは理解できましたが、颯が有也に恋愛感情を持つようになったその過程が分かりづらかったのが残念でした。それでも孤独を感じていた二人が共鳴し合うように惹かれあっていく姿にはきゅんときました。
特に有也。自分にはまったく価値が無いと思い込んでいる彼が、颯に愛され、世界がどんどん広がっていく姿を見るのは嬉しかった。

そんな二人がある事件をきっかけに引き裂かれてしまって。ここがまさにこのお話のキモなのですが、そこがあらすじに書かれてるのが納得いかないです。ってちょっと思いつつ。

また偶然に出会ってお互いまた恋をする。そこでとある女性が二人の障害になるわけですが、この女性がもっと腹黒い女性ならもっと面白かったのになあ、と思いました。

個人的に颯の記憶が戻らなかったところも良かったです。記憶が戻らなくても、離れ離れになっても、また同じように恋をする二人っていうのが良かった。お互いが唯一無二の存在なんだなあって。既視感のあるストーリーではありますが、それでも有也の健気さや颯の優しさが甘い空気感のあるお話にしています。

あと可南さんもあとがきで書いていらっしゃいましたが、鵜飼さんの話が読みたいです。ぜひスピンオフで出していただきたい!あと石田くん。天然ちゃんの有也に「純情を木っ端微塵」にされてしまいましたが、彼にも素敵な恋人ができると良いなと思いました。

「健気な受け」が大好物の私には非常に萌えの詰まったお話でした。

4

大丈夫

記憶喪失ものを読むたび思うのは、死んでなければ大丈夫ということ。
颯と有也はお互いの想いを確かめ合ったところで、颯が事故に遭いそれっきりになってしまったけど、生きていたおかげで再会出来、もう一度恋に落ちた。
終始、有也視点だけど、それでも颯が有也を大好きなことは夏の章から充分伝わってきたので、再会後、また有也に惹かれても当然に思えた。

鵜飼の正体が意外だった。
颯の代弁をするなら「もっと早く教えて欲しいしその機会は十分あっただろう?」

1

甘く幸せな記憶が切なく辛い

評価は神寄りです。

お話は大きく2つに分けられました。
~夏の章~は高校時代編で、
~冬の章~は時を経て再会するとなっています。

可南さんの作品の健気受けがすごく好きなので
この作品も涙ダパダパ流しながら読み終えました。
特に後半の切なさが堪らない…。

目の前にいるのに、いない。
同じ人物なのに、まったくの別人。

そんな淋しさや苦悩が切々と語られ、
身を刻むような片想いがとても切なく萌えました。
(傷ついてるキャラクターに弱い質なので…)


前半の高校生編は
「夏祭り」「綿菓子」「繋いだ手」「秘密のキス」etc
キラキラした胸キュンワードが次々と。
キーワードのひとつひとつが詩のような描写に感じました。

全く接点がなかった2人が少しずつ距離が近くなり、
相手に心を委ねるような安心感と濃密さが描かれていました。
これがもー穏やかでとても甘ったるい時間なんですよ(∩´///`∩)

お互い家庭事情があって、
攻め:颯はいつもニコニコと"良い人"でいることで自分の居場所を作り、
受け:有也はなるべく人と関わらず世界を遮断して生きてきた。
孤独を抱えた少年が寄り添い合う姿は古き良きなところもありますね。

しかし2人の幸せな世界はある日突然、呆気なくプツリと切れる。

あらすじにもあるネタバレですが、
颯は大きな事故に巻き込まれて記憶喪失に。
怪我を治すために渡米し学校もそのまま退学となります。

有也と颯は最後にあった日に約束を交わしていました。
人によってはベタすぎてつまんないかもですが、
"早く帰るね"と"待ってる"が果たされないのは切なさの極み…!
誰の身の上に起こってもおかしくないことですからね。
私はこういうのに弱いのでボロ泣きでした;;

帰らぬ颯をずっと想い続ける有也は
颯の声を、笑顔を、温もりを、忘れないよう1日1日反復します。

『大丈夫。ーーーまだ、思い出せる。』

これには泣きました。
2度と手に出来ぬ幸せを思い出すほど辛いものはありません。
それでも颯から愛されていたのは有也にとって宝物で。
その記憶があるから前向きに生きられるという健気さが…(;///;)

そんな中で再会するわけです。
声も笑顔も昔と変わらぬまま、
けれど有也と過ごした時間を知らない颯と。

有也が過去を口にせず耐える姿が痛々しくて…!
ずっと想い続けた颯とまた会話が出来る喜びと、
有也の記憶の人物とは同じようで全く違う落胆と、
感情が綯い交ぜになっているのがとても切ない(;ω;)

最後まで颯の記憶は戻らず
キラキラした記憶が有也だけのものになり少々悲しい気もしますが、
記憶が戻らないままのハッピーエンドもとても良かったです。
記憶があってもなくても颯は颯のままで安心しました(;//;)

1

もう一度恋愛する

この作品、学園のシリーズものになるのですね。でも全然単発でOKでした。
高校時代を描いた「夏の章」
その後の再会を描いた「冬の章」の2部構成。

奔放な女優だった母親の私生児として生まれたために、他と交わらないようにして生きてきた高校生・吉井が、寮で同室になった二ノ宮と恋人関係になる話が「夏」
せっぱ詰る想いが盛り上るまでの高校生活の話のエンドはとても驚きの結末がありました。

そこから4年後の再会のはなし。
ああ、、、何かどっかで見た話に、、、と思わなくもない。
自分を忘れてしまった二ノ宮。
でも、彼によって変わることのできた吉井は自分を思い出してほしくて、要所要所で自分を控えめにアピールします。
そして、とても切ない展開が待っています。
この場合として、新たに恋愛をし直すというのはもっともなパターンでしょう。
しかし、その根底にはやはり忘れてしまってもどこか本能で惹かれるものが、という
若干甘い展開ではありますが、雰囲気に酔うには十分な展開でした。

萌え?と言われるとやはりこれも「いい話だった」とは思うのですが、キャラに萌えたとか何かすごくインパクトに残ったという突出したものはありません。
悪くはなかったので「萌え」というところか。

6

記憶喪失・再会もの。

『告白』のスピンオフになりますが、単に同じ学園を舞台にしているという程度で(一応前作のキャラクターも冒頭のみ顔出し程度には出て来ますが)、前作を読まなくてもまったく支障ないです。わざわざ『スピンオフ』にする必要があったとも思えないくらいです。

可南さんは個人的に当たり外れが激しい(しかもハズレが圧倒的に多い)ので最近はほとんど買っていません。たまに新刊でよさそうだと思うものがあってもいつも迷うんですが、こちらは設定からして好みだと判断して思い切って買いました。結果・・・ダメでした。まあ最初から諦め半分だったので、それほどダメージはないです。

高校の寮で同室だった2人の記憶喪失・再会もの。王道一直線ですが、それ自体は別にいいというよりむしろ好みなんです。
ただ、こちらはまったく入り込めませんでした。

表題作が『夏の章』『冬の章』とあります。
『夏』が高校時代、寮で同室になった2人がだんだん近づいて行って、キスしたり触り合ったりする関係に。
ようやくはっきり想いを告げあった途端に、あらすじにもある通り颯(攻)が事故に遭いそのまま音信不通になるところで終わります。←『記憶喪失もの』というには、そこまでを引っ張り過ぎという気もしないでもないです。あらすじに出て来る(読む前にわかっている)要素が半分近くになってやっとですか、という意味でも。

『冬』はその4年後。思いがけず有也(受)のバイト先で再会した颯は高校時代の約1年間の記憶をなくしていて、有也のことも覚えていなかった(見たことがあるなという程度で、少なくとも特別な関係だったことは記憶にない)。


記憶喪失ものとしてはありがちなベタベタに違いないとは思いますが、だからダメなんじゃないんです。
とにかくキャラクターがどうしても好きになれないし魅力も感じない。

特に有也が鬱陶しくてイライラ。私はネガティブ・ぐるぐる受は別に苦手ですらないんですが、なんというかキャラクターの背景や言動がいちいちワザとらしいと感じてしまって醒めました。
それに、私は『健気受』は大好きなんですがこの有也の健気さ(健気・・・だとすれば)はまったく好みじゃない。

颯は逆に、嫌味はないけど薄っぺらくてどうでもいい。『いい男』っていう設定なのはまあわかりますが。

う~ん、大変申し訳ないですが『切なさ』が押しつけがましく感じてしまいました。
『ベタベタの王道』も『切ない』のもそれはもう大好きですが、可南さんの王道作品はどうも合わないことが多いです。『告白』もまったく好みじゃないし。←それでもこのシリーズ2作は『可南さんで私がどうしてもダメな作品(群)』よりはまだ僅かにマシですが、いいところも皆無です。

さらに、イラストが苦手だったのでプラスポイントがないのも残念でした。

少なくとも『読んでよかった』と思える作品ではありませんでした。再読はあり得ないでしょう。
これ読んで『もう可南さんの新作はやめよう』と思いましたね。

10

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