木原音瀬さんのレビュー一覧

箱の中 小説

木原音瀬  草間さかえ 

前半と後半の評価の間をとりました

久々に読む木原作品。
ずっとなんとなく手に取らないでいた本作ですが、ちょうど今は重いものを読みたい気分だったので挑戦してみました。

表題作の主人公(視点主)は受けの堂野。
痴漢の冤罪で服役することになった30歳で、ごくごく一般的な思考の持ち主です。
そして同時収録の『脆弱な詐欺師』は、本編攻めの喜多川が、先に出所した堂野を探す依頼をした探偵・大江が視点主となっています。
こちらには堂…

1
非BL作品

ラブセメタリー 非BL 小説

木原音瀬 

答えは出ないが、考えさせられる作品

何度読み返しても、モヤモヤとした感想しか湧いてこない。
幼児性愛が生まれつきの変えようのない性嗜好なら、どうしたらいいのだろう。
性欲は食べ物と違って無くても死なないのだから、薬とかで鎮めるしかないんじゃないか?と冷たく思ってしまう。でも、それは今の日本ではとても難しいのだろう。久瀬が精神科のクリニックで懇願しても、そういう薬を処方してもらえなかったみたいに。

久瀬のセリフが心に突き刺さ…

7

MUNDANE HURT 小説

木原音瀬  井戸ぎほう 

グズなんだけど憎み切れない

人の弱さとか、愚かさとか、そういうのをシリアスに一気に読ませます。
暴力シーンが沢山あるので夜に読むもんじゃないです…。ドキドキして眠れません。

実は「吸血鬼と愉快な仲間たち」目当てで購入した同人誌に、この作品のその後がちょっとだけ載っていたので続きを知っていますけれど、それなしだとこのラストで読み終わっている状態はかなりキツいって思いました。あとがきの救済まで読んで!としか言いようがあり…

4

美しいこと 下 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

攻めが酷い。けどある意味リアルな心理描写

木原音瀬さんは初読みです。いや、すごくよかった。いいもの読ませてもらいました。
睡眠よりも続きが読みたくて寝るのも忘れて夢中になって上下一気に読みました。これから読まれる方は上下揃えて読むことをお勧めします。止まらなくなるので

皆さまが仰る通り、無神経な攻めの寛末に対して終始イライラ。酷っっ、、何なのコイツ。ひろすえーー!!と何度ツッコミを入れたことか。。。

受けの松岡は健気、美男、…

6

深呼吸 plus story ~単行本未収録短編集~ 小説

木原音瀬 

あまい、しあわせ、あまい

短編集ということで、もう何度も何度も読み返しています。他の方も書かれている通り、めちゃくちゃ甘いです。ずっと噛み締めていたくなります。私は本編を読み終わってすぐ購入、夜更かしして読んで眠れなくなりました。笑
木原先生の作品はもうぼろぼろ泣いたり心がじくじく痛くなったりそんな中の(もしくはあとの)やっと結ばれたり思いが通じ合ったりするような甘い所がたまらないですよね。その中でもこちらの夏の縁側はも…

4

恋について コミック

大竹とも  木原音瀬 

想像通りの雰囲気

原作を読んで挿絵を見ていたときから、こんなに物語の雰囲気にぴったりな絵があるだろうか……と思ったのを今でも思い出せます。そうして原作を読んでからわりとすぐにこちらも読みました。
どこにでもいそうな二人の、なかなかうまくいかなかったほろ苦くて酸っぱい恋。(ちゃんとハッピーエンドです)あらすじは省略させていただきますが、大竹先生のイラストは全編通してなんだか穏やかで優しくて、お話の雰囲気に本当にあっ…

4

Don't Worry Mama(新装版) 小説

木原音瀬  志水ゆき 

!!!?!!

お互い理想的な相手と結ばれるお話。
大好きな木原先生作品をとにかく買い集め、買ってからしばらくして読んだ作品。まず表紙、よく見るまで後ろの存在に気づかず。あらすじを見て、こりゃーとんでもなさそうだ!と後回しにしちゃってたんです。
でも、早く読まなかったことをすごく後悔しました。まだ読んでいない人にサイテーでおデブな受けに萌えるのか?と聞かれたらすげーー萌えるからとにかく読め!!!と言いたくなる…

3

片思い 小説

木原音瀬  伊東七つ生 

片思いは簡単には終わらない

タイトルの「片思い」。ビブロス版では、三笠×吉本の話のタイトルで、松下×門脇の「あのひと」とは、別冊になっていたとのこと。
対照的なカップルの話ですが、一冊になったことで、「片思い」が全編を通した大きなテーマになっていると感じました。

片思いは、告白して相手が答えたら終わるものと思っていましたが、そうではないのですね。

三笠と吉本は付き合い始めてからも喧嘩が絶えず、三笠は門脇に呟きま…

8
非BL作品

ラブセメタリー 非BL 小説

木原音瀬 

タイトルが秀逸

人の性癖は生まれた時からシールのようにべったりと貼り付けられている。
それは本人の意思で剥がしたり変えたりすることはできない。

マイノリティーのシールを貼られた人間はどうやって生きていけばいいのか。
その答えが出ないまま、苦しさだけが残る、そんな作品です。

正さは一つじゃない。
もしそれがマジョリティーなら誰にも責められない当たり前のこと。
ただ、マイノリティーと言うだけで責め…

3

深呼吸 plus story ~単行本未収録短編集~ 小説

木原音瀬 

ショートショートだけど大満足

※本編後に読みました。


やさしー!
あまーい!

ほんとに木原先生?!
ってかんじです。
いや、木原先生の筆力は、辛い痛いだけじゃなく、スイートにもギャグタッチにも存分に活かされているのは周知の事実ですね。

本編では少し変わり者で合理主義の冷たい印象もあった榛野ですが、可愛いじゃないか…
そしてマイペースで優しい谷地さんも、男だった!

始まり?が拗れたというか複雑…

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