木原音瀬さんのレビュー一覧

美しいこと 下 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

惚れた弱み

”どんな君でも好きだよ”と言った寛末は、
大好きな葉子が、松岡だったと知って
受け止められず、松岡から距離を置くようになる
二人とも、もう会わないと思っていたのに
共通の知り合いを通じて、また出会ってしまった二人

受け止めてもらえないとわかっているのに
好きでいるのを辞めれない松岡と
同じ人だって、性別が違うだけだってわかっているはずなのに
”男”である松岡をどうしても受け入れ…

6

美しいこと 上 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

感情がぶつかりあう。。。二人の幸せって何だろう

女装した、営業課の松岡は、酔わされて襲われそうになる
被害者は松岡なハズなのに
襲った男は、松岡が”男”であると知ると、
『変態野郎』と罵り、彼を平手打ちにする
松岡は、その場を所持品を全て置いてがむしゃらに逃げ出して
どうしようもなく、ただ道端でしゃがみこんでしまう。。。
そして、彼にやさしく声を掛けてくれたのは
彼の今後の人生を変えるといっても過言ではない
総務課の寛末だった

2

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恋愛の醍醐味

日本での仕事を終えたダンは、佐川をニューヨークに連れていき同棲し始めます。
本編は佐川の視点だったのでダンの気持ちは想像するしかなかったのですが、この短編でダンの一途な気持ちが明らかになります。

ダンが佐川のインスタグラムを覆面でフォローし行動を逐一監視するのも、不安な気持ちの裏返し。そして、相手を信じ切れないその不安感は、本編で鶴屋に手ひどく振られたトラウマだったのですね。鶴屋に全く気持…

2

鈍色の華 小説

木原音瀬  ZAKK 

夢中な男たちが可愛い

一年くらい前に初めて読んだときは、エロばかり‥と、ちょっと食傷気味な読後感だったのですが、読み返してみたら、とても面白くて。私が変わったのかしら?と、ちょっとソワソワしてしまいました(笑)。

ハイクラスの男、兎河とダンが、冴えない男、鶴屋と佐川に陥落する下克上感がたまりません。そして、彼らが表面上、主導権を握ろうと言葉で取り繕う様が、滑稽で可愛いらしくて。
知性を離れた欲望の部分だからこそ…

9

COLD HEART in NEWYORK 小説

木原音瀬  麻生ミツ晃 

アスペルガーの苦悩…

エゲツない話が読みたい‼︎
と思って読み始めたCOLDシリーズだったのですが、透×藤島シリーズは私の萌のどストライクで…
in NYでようやく私のエゲツないモノ欲が満たされました(´;ω;`)

空港のシーンからずっと楠田が不憫で軽い吐気を覚えるような内容だったのに、
海斗目線になると海斗の抱える苦悩に涙が何度も溢れて。。
作中で触れられなかったけど、驚異の記憶力と集中力。また他人の気…

4

COLD THE FINAL 小説

木原音瀬  麻生ミツ晃 

酔いしれました

発売前日に知った「COLD」シリーズ完結編。
更にハッピーエンドの単語に激しく動揺してしまいました。
だけど平日には読めない。絶対泣く‼
そんなジレンマを抱えること数日。
短編集なのだから少しずつ読めばいい。
そんな思惑も「SLEEP」「LIGHT」「FIVER」とそれぞれのその後のショートストーリーに本編の威力が突きつけられ、ちょっとした出来事のはずなのに胸が震えてしまいます。
なに…

9

アオイトリ 小説

木原音瀬  峰島なわこ 

青い鳥が飛び去ってしまう前に

犬飼、いい人ではないですか。望まない形で交わってしまったけれど、河内を気遣う優しさがあり、生まれた子どもを引き取って育てたいとまで言ってくれて。犬飼はαで、圧倒的に優位な立場にあるのに、人としての誠実さがあり、愛があると思うのです。
河内を無理やり抱く挿絵が鬼畜な感じで、犬飼の印象が悪くなっている気がします。子どもを優しくあやす場面の挿絵があったなら、ずっと好印象だったと思うのです。

Ωに…

12

アオイトリ 小説

木原音瀬  峰島なわこ 

夢が無さそうで夢がある

医者ってたまに無責任な事言うよねーって思った。いくらそんな研究があるからと、自分の患者での実例が無いのに言う?今までのΩバースものはファンタジーっぽいのが多かったけど、他の方も書いてたけど現実的でした。治療の描写とか現実的かつ具体的だしね。高校時代レイプされたのもゴツい柔道部員。そりゃあ、そんなの見たらトラウマになるわ。しかも、本人も至って普通の容姿だし。でも攻めはちょっと美形っぽいですね。この作…

9

眠る兎 小説

木原音瀬  車折まゆ 

切なく甘い余韻

ノンケの高校生・浩一がゲイの高校教師・高橋に惹かれていく心の動きが繊細に自然に描かれていて、とても共感しました。
初めて会った別れ際には地味で内気な高橋の中に思いやりを感じ、二度目は自分とは違う視点でものを見る面白さを感じ、三度目は手に触れたくなって指先だけ握り合い、四度目は怒る高橋に自分への好意を感じて恋心に火がついて。
携帯で気軽にやり取りできない時代だったからこそ、一人で悩んだり、余計に…

7

COLD FEVER(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

ベスト オブ アダルトチルドレン‼︎

BLの設定に多いACだけど、その中でもこれは群を抜いて秀逸だと思います‼︎
生々しい感情の揺れが、透の抱える苦しみが凄まじかった。

藤島も機能不全家族の中で育ったけど、それでも「嫌われるのが怖い」と思える程には母親からの愛情を感じて生きてこれた。
典型的な毒親とその子供の関係だけど、子にとっての親の愛情がどれ程大きいかを物語ってる。

0と1には1と1000よりも大きい差がある。

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