木原音瀬さんのレビュー一覧

眠る兎 小説

木原音瀬  車折まゆ 

甘い、甘いと思いきや・・・

表題作と続編はそれまでいくつかの木原さんの作品を読んでいる
私にとって、とても甘く感じられる作品でした。
しかし、甘いといってもそこは木原さんなのでビターに感じる部分もあり。
木原さんの書かれるキャラクターの100%の善人ではない部分に
魅力があるのだと思います。
今回も枠にはまりそうではまらないキャラクターばかりでした。
音楽室での出来事の熱さにやや驚きつつも(笑)、
種類の違う子…

4

さようなら、と君は手を振った コミック

木原音瀬  深井結己 

私をコノハラーにさせた作品

実は私、この作品がきっかけで木原さんを読み始めたんですよ。
元々深井さんの作品が好きで
たまたま行った書店で
ergoで木原さんの原作を深井さんが漫画にしてるのを立ち読みしちゃって
(あ、あとでちゃんと全巻揃えましたw)
その先がどうしても知りたくて
小説を買ったのが木原デビューだったんです。

実際小説を読んで
作品の持つ雰囲気と深井さんの絵があってるな~と思っていたので
こ…

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さようなら、と君は手を振った 小説

木原音瀬  深井結己 

コミックスのついでに

コミックスを読んだので、過去にブログに書いておいた感想を転載します。

かたや「これからは好きにしていい」と言われると、好きな人のそばにいたいと思い、好きな人が望むことなら何でもさせてやりたいと、DVまがいのことまで許すくらいなのに、相手の気持ちを確かめようとせず、自己完結。

かたや極端なまでに外見外聞にこだわり、居心地のいい場所はキープしておくくせに外にばかり目が向く鼻持ちならない嫌な…

2

さようなら、と君は手を振った コミック

木原音瀬  深井結己 

奥が深いと思う

まとめて読むとやっぱりいいですね。
ergoの連載を読んでいたときは誠一の嫌な面ばっかり気になりましたが、こうやって通して読んでみると、ただひたすら流されて、苦笑しながらその時の状況に甘んじている啓介も結構な性格なのかなとも思いました。
(“苦笑”するって、文字で読むより深井さんのようなタッチの絵で見るほうが説得力がある気がします。)

いとこ同士の誠一と啓介は、高校生の頃から身体の関係ま…

2

さようなら、と君は手を振った コミック

木原音瀬  深井結己 

足りない、足りない、足りなーーーーいヽ(`Д´)ノ

↑ってのが読み終わっての正直な感想。だって!!ここで切るとかないよ! 救いもないし愛も微妙にないよ!! これはちょっと誠一にはかわいそうな作り。
色々な制限はあるのでしょうけどね、「恋について」もやるならみっちりやってくれー!!と思いましたけど、これは更にそれを上回る足りなさ!
これじゃホント、誠一はやな奴だし、啓介の思いの行き場がないよー!
原作モノの難しいところですね…

木原さんお…

2

さようなら、と君は手を振った コミック

木原音瀬  深井結己 

無償の愛は痛い。

ノベルスの表紙とコミックの表紙を並べて、構図がよく似ていたので思わず「あれノベルズか?」と勘違いしてしまいました。
しかし、ノベルスは啓介が誠一を抱きこむような構図。
コミックは啓介の腕に誠一はいなくて、左隅に洋服をきたまま考えるようなポーズでいます。
トーンは同じなのに、この構図の違いがコミックの中身を現しているんだ、と感心させられました。
原作は木原氏の小説で、ergoで掲載されていた…

3

さようなら、と君は手を振った コミック

木原音瀬  深井結己 

愛とは何ぞや

私、この主人公ダメです。
若さゆえの愚かさなのか、自分のルックスと、自分の連れている女と、そんなものにしか価値を見いだせない男・誠一。
なにが「誠一」だよ!誠意のセの字もないよ、名前が泣いてるよ!
結局は自分のことが可愛くて、好きなだけ。
正直、27歳でこれは辛い。
そんな愚かな男・誠一はかつて恋人だった従兄弟の啓介と再会し、また恋に堕ちていくわけですが…
確かに啓介のことを愛していた…

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あのひと 小説

木原音瀬  桑原祐子 

静かで鮮烈な

『片思い』に出てきた二人の親友、門脇とさえない数学講師松下の物語。
二人のキャラクターもあってかとても静かな物語という印象でした。
静かで、それでいて鮮烈な恋の物語。
逞しくて良い男のあふれているBLの世界で、このさえない上に繊細で病弱な松下のキャラクターは貴重かも(しかも攻ですよ)。
だけど決して弱いだけじゃない。弱い中にある優しさや強さや一途さ。
なんか、門脇が守ってあげなきゃいけな…

4

片思い 小説

木原音瀬  桑原祐子 

ひねくれもの萌え

昔からずっと嫌いだと思ってきた男に浮上した結婚話。
主人公の吉本。それですぐ自分の気持ちに気づくのかと思いきや遠い遠いまわり道のすえとんでもない行動にでてしまう。このひねくれっぷりが楽しかった。

物語の中ではちょっぴり嫌なヤツに分類したくなりますが、この彼の葛藤やらあまのじゃくな行動にすごく共感してしまいまして。

続編は第三者視点の主人公カップルのお話。主人公の磯崎くん(就職した吉本…

3

さようなら、と君は手を振った 小説

木原音瀬  深井結己 

まだ半分

この本で終わってしまうと誠一の執着愛がまだ伝わりませんが、ノベルズの後半もコミックス化してくれると二人の愛のかたちがはっきり分ると思います。
それに期待したい。
コミックスの 『夏の果実』 の部分だけでは物足りません。

あくまでも優しく包み込む愛で受け止めていた啓介がすっぱりと誠一を切る場面は涙なくしては読めませんでした。


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