木原音瀬さんのレビュー一覧

月に笑う 上 小説

木原音瀬  梨とりこ 

痛くない方のコノハラ

いじめられっ子のチビの中学生・路彦が、ある晩、偶然に、ヤクザに追いつめられたクラスメイトが死んでしまうところを目撃して、、、
という、スリリングな始まり方をする本作。
前半は、いじめはどんどんエスカレートするし、
死んでしまったクラスメイトのことをかぎ回るチンピラ・信二は出てくるしで、
どんな痛い展開になるのかと思いきや、、、

路彦は、公園でいじめのボスに暴行されている所を、偶然通り…

6

月に笑う 下 小説

木原音瀬  梨とりこ 

なんだか楽しんだ私がいる

信二が東京の組に移り、組長の息子・惣一の下につくことになってからのお話です。
「上」ではテキヤがメインのヤクザでしたが、こちらは違法な株のやり取りで稼いでいるヤクザ。
大学で経済を学んでいる路彦も組の仕事に関わっていると知った信二は・・・

さらに舎弟・良太の不手際で、窮地に追い込まれてしまった信二は、惣一が放ったヤクザに追われる身になります。
好きだという告白とともに路彦に助けを求める…

4

月に笑う 上 小説

木原音瀬  梨とりこ 

時々ニヤリとする

ヤクザの世界にしか居場所が無いと言い切る信二は、暴力もゆすりたかりも平気でできる、決していい人間ではないのですが、基本が優しいというか義理と人情を重んじているような昔気質な部分があります。
また、裕福な家庭に育ち学力は問題ないものの、心を通わせる友人や家族がいない路彦は、いじめられながらもそこに居場所を見出そうとしている寂しい中学生でした。

ある日恥ずかしい格好にされいじめられていた路彦を…

5

月に笑う 下 小説

木原音瀬  梨とりこ 

読んでいて震えました

木原音瀬だいすきっ子によるレビューですので偏りがあります。
ご注意くださいね(´・ω・`)

上巻に続き、読んでいて吸い込まれるような作風でした。
木原作品のなかでは読み終わりが「痛い」部類に入らない内容です。
ただ読んでいての「痛い」はありました。
いじめにあい、弱弱しい男の子だった路彦。
そんな彼をおちょくっていた端くれヤクザの信二。

強気だった信二が大人になっていくにつれ…

10

月に笑う 下 小説

木原音瀬  梨とりこ 

和服花嫁衣裳に襖ろうそくの影っ・・・

上下巻で完結です。表紙が最高v
読み終わったら必ずや2冊並べて眺めて欲しい。
成長した二人の姿を見比べることで9年の歳月をしみじみと感じることができるはずです。

木原さんの作品にしては重たさ、痛さ、といった面は少ない感じなのかな?
私自身としては、読んで身を引き裂かれるような思いはしませんでした。
けれど、相変わらず人間の弱さ、汚さを書くのがそれはもうお上手な方なので、読んでて身を抉…

3

月に笑う 下 小説

木原音瀬  梨とりこ 

家来で友達で家族で恋人で

萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
木原さんお得意のロクデナシ系男。
こういうはみ出し者を書かせるとほんと上手いですね。「いい加減で、気分屋で、嘘つきで」という帯のコピーそのままに、加えて短気で、頭も口もガラも悪いヤクザの信二。
路彦だけはヤクザの世界に関わってほしくないと思ってはいても、縁を切ることもできず、結局は最悪な形で巻き込んでしまうような情けない甘えたちゃん。
だけど打算が全く無…

4

月に笑う 下 小説

木原音瀬  梨とりこ 

いつもなら惣一が主役になりそうな性格

中学生の路彦がいじめを受けている現場に居合わせたチンピラの信二。
弱く幼い路彦に、ケンカの仕方を教えてやったりAVを見せてやったり。
単なる下っ端ヤクザでしかない信二も路彦の目には頼りになる存在として映り、信二もまた素直に懐いてくる路彦を可愛く思った。
二人は友情関係を築くと共に、互いの性欲を満たし合う関係にもなった。

その一方、経済ヤクザの惣一に心酔していく信二。
しかし惣一に対し…

4

月に笑う 上 小説

木原音瀬  梨とりこ 

居場所のない二人、野良猫と仔猫

萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
ヤクザの下っ端チンピラ・信二と、いじめられっ子の中学生・路彦の、出会いから9年の二人の遍歴を、上下巻でがっつりと。

ヤクザといじめられっ子。
弱肉強食のヒエラルキーでは明らかに最上と最下の組み合わせなのに、予想と違って泣き虫で幼い路彦こそが、ヤクザの信二を「守りたい」と思うのが面白いです。
おかげでどっちが受け攻めなのか、読みつつやきもきしちゃいまし…

5

恋愛時間 小説

木原音瀬  やまかみ梨由 

恋愛時間

これまで即読の木原作品が、わりと濃いというか、心臓的によろしくない作品ばかりだったので、今回もちょっと深呼吸して読み始めたんですが、まったくナチュラルというか、初心者さまにもやさしいゆるいお話でしたw
お話は、男である有田が、部下で後輩の男である広瀬に告白するところから始まります。男である自分が男に告白され、迫られるという頭の中で想定し得ない場面、そして実弟が男と~な過去現在。
有田ははじめ拒…

0

月に笑う 下 小説

木原音瀬  梨とりこ 

ションベンタレの弱虫は力強い家族になりました

木原作品が痛いからといって、構えた自分がバカでした。
家族にこだわり、一番大事なものを守りたい気持ちにこだわり、不器用なヤクザが、何年もかかって本当に大事なものを見つけた。
そんな話だったのだと、上下巻読んで思いました。

中学時代いじめられっ子で、ションベンたれと呼ばれ、弱かった路彦は、身体も心もすっかり強くなり、信二に甘えている部分もあるものの、きちんと自分で考えて、行動力のある賢くて…

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