木原音瀬さんのレビュー一覧

深呼吸 小説

木原音瀬  あじみね朔生 

ラストが何とも言えない余韻が残りました。

木原さんはダメオヤジをとても魅力的に描くのがうまいですよね。
『B.L.T』の大宮雄介・痴漢二股男にしろ、
『NOW HERE 』の仁賀奈正敏・昔の恋が忘れられない50歳の童貞枯れオヤジにしろ。

そしてこの話の攻めも本当にダメオヤジ!
仕事にしても人生にしても全く向上心が無く、43歳にして会社をリストラ。
ただ今、24h営業のお弁当屋でアルバイト生活。
バイト生活8ヶ月目にして正社…

13

美しいこと 下 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

最高。

久々に「ああ、終わらないでほしい」
と読みながら何度も思いました。
シナリオが良いとか、キャラクターが良いとか
そういう次元はもう越えている作家さんでした。
BL以外にも、たくさん書いていってほしいです。

しかし、いろんな感情を引きずり出されて苦しいです。
でも、読んでよかった。ちるちるに登録して良かった。(笑)
とにかく最後は結ばれてくれてよかったです。

松岡のように人を…

5

美しいこと 上 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

本当でしたよ。

本当に神作品でございました。
それも、趣味嗜好の枠を超える
とてもレアな神作品だとおもいます。
(神、連発してすいません)

とにかく評判がいいので、気になっていましたが
見事に評判どおりで、私の勝手な期待も上回りました。

感情移入という言葉が適切なのかもしれないけど
漢字四文字では片付けたくない。
読んでいると、過去に自分が経験した感情とシンクロ。
先がきになる、けど自分…

2

深呼吸 小説

木原音瀬  あじみね朔生 

大人の初恋の行くへ

「深呼吸」が攻め様の谷地視点でのお話で
「深呼吸2」が受け様の榛野視点からのお話。
40過ぎて外資系の企業をリストラされた冴えない谷地と
年下の上司で冷淡にリストラを言い渡した榛野。
まるっきり環境も性格も違う二人の大人故のもどかしいような
なんとも言えない不器用なピュアさが漂う内容でした。

リストラ後自宅近くの弁当屋でアルバイトをしてる
谷地の所へ1か月過ぎた頃から元上司の榛野…

3

箱の中 小説

木原音瀬  草間さかえ 

罪と愛と…

メディアでも問題として取り上げられている『冤罪』
深く考えさせられました。
なにもしていないのに、ある日突然犯罪者になり、有罪判決を受け、自由の欠片もなければ人権すらないような刑務所へ……
それだけでなく、犯罪者のレッテルを貼られ自分自身だけでなく家族まで苦しめてしまう、なにもしていないのに。
その恐ろしさを軽く考えていました。


そして、喜多川の愛に色んな意味でゾッとした。
まともな教育もま…

2

深呼吸 小説

木原音瀬  あじみね朔生 

初恋のお話

木原さん15周年なんですね!
雑誌掲載のまままだ単行本になっていなかった作品らしいのですが(合ってますか?)書き下ろしがついて決して決着というわけではないですが、エンドを見られる形になったのしょう。
何となく主人公のリストラ社員のキャラクターの存在感が「place」の攻めをもっとソフトに浮世離れした風にした雰囲気を感じました(年齢設定のせいだけではないかな?)
本編ではとても不毛なやりきれな…

9

恋について 小説

木原音瀬  大竹とも 

じりじりほのぼの

帯『キスしたい、どうしてだろう。』

痛くない木原さん作品です。
勿論傷つけられる人も出てはくるんだけれど、ザックリ容赦なくエグる様な傷つけられ方ではなく、じわりじわりと内面が傷付いている、そんな感じ。
いや、それは痛いじゃないか!と思われるかもしれませんが、その傷をモロに見せるのではない書き方がされています。だから痛みをさほど感じさせないのです。

ブライダルコーディネーターの朝霧が…

2

片思い 小説

木原音瀬  桑原祐子 

表題作は痛くない

かなり古い作品なので、表題作は、木原さんにしては拍子抜けする程、痛くない、普通の意地っ張り物です。
それでも、攻めの三笠の鈍感さ故の傲慢さやつきあい始めてからの溺愛ぶりとか、受けの吉本のツン暴走とわかりにくいデレっぷりとかは、木原さんのキャラだなあって思います。

この本には表題作の他に、表題作カップルの数年後を、吉本の部下視点から描いた作品と、この2編とは全く無関係な独立した短編が収録され…

0

恋について コミック

大竹とも  木原音瀬 

せつなくてほんわり。

初読みの作家さん。
原作が木原さんてことで読んでみたのですが(原作未読)

なんだかせつなくてほんわりといいお話でした。
少しずつ少しずつ惹かれあって恋になって。
最初は当然、そんな想いはなくてただの迷惑をかけてしまった社員とかけられた客でしかないんだけれども。
笹川のほんわかとした空気が幸せそうな空気が朝霞を癒している部分もあったのだろうな。
それは単なる自分の仕事に対する充足感の…

3

POLLINATION 小説

木原音瀬  金ひかる 

自閉症少年

3部作の完結編。谷脇〔攻〕の過去の恋人の存在が大きいので「FLOWER」はあらかじめ読んでおいた方がいいでしょうね。

FLOWERでの谷脇の恋愛はどうしようもなく切ないけれどやはりどうしようもないもので。
そんな彼の元へと、かつての恋人の面影を若干思わせる患者・佑哉が現れます。
自閉症な佑哉との会話はなかなか成り立たず、谷脇をイラつかせるのですが、それでも谷脇は佑哉を手元へと置こうとする…

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