木原音瀬さんのレビュー一覧

片思い 小説

木原音瀬  桑原祐子 

ツンとデレの間で悶える

驚異のツンデレ受登場です。
ツンが9割9分9厘で残りがデレ、みたいな半端ないツンツンでした。
そこら辺のなんちゃってツンデレなんてお呼びじゃないくらい、受の吉本のツンツンぶりは激しく、攻の三笠を見てるともう可哀想な犬みたく思えてきますが、実は好きになったのは吉本が先。
なにこれなにこれ、ツンが行きすぎて拗らせてて堪らない!

プライドが高い故に、絶対に下手に出たくない吉本の不器用さに悶え…

3

黄色いダイアモンド 小説

木原音瀬  門地かおり 

後味最悪だけど……

幼馴染ものです。
受はいい加減でだらしなくって、頭が悪くて意志薄弱。
対する攻は受の事が好きで好きでしょうがない真面目男という設定。
この受、一度は結婚して子供までいます。大好きだった奥さんにも先立たれ、ひとりで子供を育ててるんですが、構いたがりの攻とのコンビが絶妙。

表題作よりも何よりもこの話の良さがにじみ出てるのは、書き下ろしの『歯が痛い』です。タイトルに??となりますが……。

6

嫌な奴 小説

木原音瀬  坂井久仁江 

タイトルの意味

この作品はデビュー前から同人誌で発表されていた続き物だそうで、5年がかりの超大作です。内容もみっちり。
重量感もみっちりなので、読んでて半端なく息苦しくなりました。
最近の木原さんの作品ではあまりお目にかかれない、一人称による話展開。
この一人称がやっかいで、攻の三浦が嫌で嫌で嫌で嫌で嫌でもう仕方がないという和也の気持ちがダイレクトに伝わってきます。
タイトルの嫌な奴ははたして誰なのか。

4

無罪世界 小説

木原音瀬  よしながふみ 

BL、といっていいのかどうか

萌えとエロスがないBLでした。
狡い攻とジャングル育ちの野生児受による、一見コメディに見えるけどその枠に当てはめるには微妙な読み口の作品です。

桃色描写はありますが、桃色と表現するのも微妙なラインというか。
とんでも野生児である受の宏国にとっては、性行為は欲望を処理するための一手段でしかないですからねー……。
宏国にとっての性行為に【あいして】という言葉をあてはめさせた攻の山村が、なん…

3

薔薇色の人生 小説

木原音瀬  ヤマシタトモコ 

登場人物が凄く愛しい

この作品大好きで、付箋貼ったりよれたりと、人に貸すのが恥ずかしいくらいボロボロになってしまってます。
物語を総括して言うならば、まさにタイトルの通りです。

どんなに取り柄のない人間でも
どんなに病気や身体が不自由でも
どんなに外見不細工でも
どんなに年を取っていても
どんなに性格が悪くても
どんなに狡くて卑怯でも
どんなに強引で自己中心的でも
どんなにしょうもない人間でも

6

脱がない男〈上〉 小説

木原音瀬  志水ゆき 

何も考えずにとにかく先が読みたい!!

先日このシリーズの1作目「Don't worry mama」を読みまして、
その時、友晴が面白いなーと思ってたので、
まぁ「脱がない男」は読まなくてもいっかー、上巻だけしか手元にないしっと思ってたんですが、
本日ふと「やっぱせっかくだし読むかー」と読んだら、
なんなんですか!これ!
すっごい面白いじゃないですか!!!

これでもか!って位嫌な上司、藤原。
まずは売上、売上…

0

センチメンタル・フレンド 小説

木原音瀬  鳥人ヒロミ 

ヒモを受け入れられるかどうか

真面目な医者×ヒモという、なんとも皮肉のきいたカップリングです。
このヒモ男である久のヒモっぷりが徹底していて、最初の印象は最悪最低以外の何者でもないというか、こんなのいたら絶対に関わり合いになりたくないというタイプの人間です。
何年もダラダラと女のヒモをしてたかと思えば、その家を追い出された直後には、もう攻の小田のヒモですからね。

働く気、皆無

と、終わってる感のあるこの久なんで…

2

美しいこと 下 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

イライライライライライラ

上巻はひたすら痛く身を引き千切られるほど切なかった松岡視点でしたが、下巻は攻の寛末視点に移ります。
ここにきて、読んでる私のイライラがMAX!!
イライラ大爆発で、読んでる間中眉間に皺が寄ってたんじゃないかってくらい、もう兎に角ずっとイライラしてました。

2人の関係がじれったすぎて、ページを繰るスピードは猛烈にあがりますが、はたと気がついて勿体なくてじっくり読み直す、の繰り返しになってし…

5

美しいこと 上 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

切なすぎて……

木原作品の中でも有名なこの作品、涙なしに読み進めることができないです。
もう兎に角せつないです。
せつなすぎて、受の松岡がいじらしすぎて、

寛末テメェ!! o(゚皿゚#ゴルァ

と思わず思ってしまうような(しまうじゃなくてずっと思ってたんですが)そんな何ともいえない遣りきれないお話になってます。
女装した松岡を本当の女性と信じて結婚まで考える寛末の、真実を知った時の絶望を考えると…

13

月に笑う 下 小説

木原音瀬  梨とりこ 

まさかの立場逆転劇

上巻に続き、あらすじ抜きで感想をつらつら述べていきます。下巻も表紙が美しい。成長して山田より100倍頼りになる路彦が彼に寄り添うようなビジュアルが目を惹きます。
まず、読んでいて興味深いと思ったのは山田と路彦の思考の違いです。山田は典型的な男の人の考え方を持っています。まあ、かなりアホで巨乳好きでキレ性でどうしようもないですが...。一方路彦は嫉妬深くて面倒くさい女のような思考の持ち主です。すぐ…

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