真生
最後までよく練られた世界観を見せてくれたこの作品に、とても感謝しています。リーとアレットが愛し合える日々はアレットの生きている間にはついぞ訪れませんでしたが、この最終巻で2人がどんなに深くお互いを愛し合っていたかはしっかり読者に印象付けられます。アレットは復活したいなんて願わないだろうと思っていたので、彼らが会話を交わし、穏やかな表情で再び別れへと向かうシーンには安堵しました。この瞬間、リーの中…
ラベルの父であるかつての王・アレットとリーの過去の話がメインでした。魔法使いを操る力を備えている王家の血筋。しかし、アレットはその力を使うことを良しとせず、魔法使いの自由性を尊重すること、魔法使いに頼らず軍力を上げることが重要だと考えています。セロハン国には誰一人その考えに同調する者はおらず、リーですら自分はただの下僕であると言い続けます。
アレットはリーへの恋心を抑えきれず、彼の長髪に…
ファンタジー設定ということで、まだまだ謎の多い序章ではありましたが、先が気になる作品でした。坂の上の魔法使いであるリーの弟子・ラベルは子供なので、この巻ではほぼBL的要素はありません。これからはやはりラベルが成長して、リーとの関係性が変化していくのかな?
リーはラベルの亡き父親だった王をとても慕っていたようで、事ある毎にラベルに王の面影を重ねて思い出してしまいます。王国が滅んだ時、裏切っ…