明治カナ子さんのレビュー一覧

生まれ星 三村家の息子シリーズ コミック

明治カナ子 

混沌を抜けて

弓に対する想いを、素直に肯定していこうと決めた敏夫。
一方の弓も、帰省した故郷でさまざまなことに気がつく。

神経質で幼かった弓が、故郷の星空や空気に触れ、複雑な自身の家のことや
敏夫への気持ちをを見つめ、考え、足を踏み出していく。

長い敏夫の片思いから始まった恋は、すれ違いや遠回りの末、ようやく結ばれる。
結ばれた時に、敏夫がボロボロ泣くところがいい。
それまでずっと弓が、自分…

5

出来の悪い子 三村家の息子シリーズ コミック

明治カナ子 

切なくて。

敏夫と弓の二人は共に通った高校を卒業し、そして家を離れての新生活が始まります。
近所には住んでいるものの、違う生活を送る二人。
生活がすれ違う以上に、気持ちがすれ違って行く様が描かれている巻。

強く弓を恋する敏夫、今までと変わってしまった敏夫との関係のことで気持ちが一杯の弓。
お坊ちゃまの弓は実際の独り暮らしにも四苦八苦し、
出口のない状況に悶々としながらどんどん痩せていく。

4

三村家の息子 コミック

明治カナ子 

不思議な世界の青春物語

とある田舎で暮らす幼なじみで親友の二人。
敏夫は弓に、実は友情以上の思いを抱いている。
大人でも子どもでもない、中途半端な年頃の不安定さ、そういうものが全体から漂う作品。

自分の思いを打ち明けられない敏夫だが、ひょんなきっかけからその兄と関係を持ってしまう。
弓の家は土地では有名な資産家。
その兄はとある事情で土地を離れざるを得ない立場にある……

明るいのか暗いのか分からないよ…

3

惑溺趣味 コミック

明治カナ子 

タイトルが秀逸な短編集

「坂の上の魔法使い」ですっかり魅せられてしまった明治さん。
他の作品も読んでみようと、この素晴らしいタイトルに釣られて読みました。
なんて素敵なタイトル!タイトルだけで☆一つ+って感じですよね?

表題作は、金持ちのおじさんと愛人の若い子の話。
暗くて不気味な雰囲気なのに(タイトルや表紙からしてそう!)、セリフなどがほのおかしい。
淡々と描かれる話の中で、常に人物は何か心に秘密を抱えて…

4

地獄行きバス コミック

明治カナ子 

暗いようで、実は楽天的な世界観なのかも

洋服命のカンちゃんがは、同棲している物欲0の恋人修から女性と結婚すると告げられる。
結婚はするけれどカンちゃんとは別れないという無茶を言う修。
そんなことできない、と拒否するカンちゃん。
どうしても別れたいなら自分と一週間温泉旅行をしろ!という条件を出され、
自分を捨てる男と一週間の旅行に出かける羽目に……

わがままで自己中心的で物が大事だった男が、別れを持ち出されて振り回されて初め…

5

惑溺趣味 コミック

明治カナ子 

凝ってるなぁ

「熱伝導」が好きな明治カナ子氏でしたが、今回はこちらを読んでみました。

絵の好みが分かれるかもしれませんが、私は好きです。
おっさんがマイブームですので、かなり良いツボを刺激されましたが、
あまりにも状況が特殊すぎますので、ここまでいくとファンタジーでしょうか。

タイトルも凝っていて、素敵です。

1

黄金の川岸 坂の上の魔法使い(3) コミック

明治カナ子 

魔法使いの愛

とうとう最終巻、感動しすぎで感情がマヒしてしまってます。

自我を持つと分かっていながら、
リーが使役に名前を付けた理由が明らかになります。
しかし、王を助けたい一心だったその最終手段も間に合わず、
静かに涙を流すリーの姿に胸が打たれました・・・

彼の地での、王とリーの再会シーンは、感動しながらも痛かったです。
王に最後の別れを言うために、葬るために来たと告げるリー。
リーが出…

9

無二の王 ~坂の上の魔法使い(2)~ コミック

明治カナ子 

髪への接吻

1巻の最後、リーの魔力を狙う魔道師を
ラベルの魔法の試験の為にと、暗示と入れ替わりでかわしたリーですが、
本気で心配して泣くラベルを見て、昔の失敗を思い出します。

今巻は、リーの回想で、王とリーの過去が明らかになります。
幼い王子が、偶然見つけたリーの魔法の箱に興味を持ったことから交流が始まり、
次第に距離を縮めて行く二人。
王子がルベル公の罠に落ちた事をきっかけに、リーは王子の側…

5

坂の上の魔法使い コミック

明治カナ子 

星の見える箱

ゲルの町はずれの坂の上に、魔法使いリーとアベルは住んでいます。
アベルはリーの弟子で魔法の修行中ですが、実はリーが仕えていた王の息子。
町の学校へ通い始めたアベルは、呪いを持ちかえってしまい、
その呪いを解いた事がきっかけで、二人は変な魔道士に目をつけられてしまいます。

独特の世界観が、すごく面白いです!これぞファンタジー!!
例えば『使役』という分身の存在が面白いです。
名前を付…

5

黄金の川岸 坂の上の魔法使い(3) コミック

明治カナ子 

そして永遠の愛

すっかり魂を奪われて読んだこの作品の、感無量の完結編です。
まずは、タイトルと表紙の美しさ、そして裏表紙の水面に浮かぶ王の表情!

あまりにも心揺すぶられて、2巻から3巻に読み進むのにもインターバルは必要で、
読み終わってからも暫く、この3巻のレビューを書く事ができませんでした。
今も言葉に尽くせない思いで溢れているのですけれど、拙いながら書いてみたいと思います。

これがBLなのか…

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