Sakura0904
美しい作品でした。もちろん麻生先生の美麗なタッチによる所も大きいんですが、ストーリーの運びがすっきりしていて美しいというか。常務の息子として父親の期待通りの振る舞いを常に求められている攻めの須藤と、彼に好意を持っているにも関わらずそのお目付役を任されてしまった受けの真木。須藤が父親のお眼鏡に叶う女性と結婚できるようサポートしなければならない一方で、須藤に好意を持ち、須藤からも好意を持たれてしまう…
ついに高久が失っていた間の記憶を取り戻し、2人の蜜月が壊れてしまうところから始まる最終巻。しかし今度は、過去を思い出した代わりに、記憶喪失だった頃の6年間がごっそり頭から抜け落ちてしまいます。藤島を好きになったこと、お菓子作りに興味を持ちパティシエの修行をしようと思っていたこと、バイトをしたケーキ屋や楠田、商店街の人達との付き合い、事故の真相をすべて忘れた高久。そして、しまってあった写真を見て、…
まだ高久が自ら記憶を取り戻すことはないものの、藤島視点で過去が大きく明かされます。藤島がこれほどまでに抑圧された人生を送ってきていたとは。何不自由ない暮らしを与えられた反面、自分の意志は何から何まで蔑ろにされてきたんですね。そんな中で自分よりもさらに幼い年齢で辛い目に遭った高久を守ろうと努めたこと、その過程で彼に欲情してしまうほどだったこと、そして一番守るべきだった時にに守ってあげられなかったこ…
この巻ではまだ高久の記憶が戻ることはほとんどなく、記憶をなくす前の彼がどんな人物だったのかをあくまで他人から聞かされることしかないので、謎に満ちた部分が多くまだ物語の序盤ということでこの評価です。最初は記憶がないとはいえ、成人男性を囲って何不自由ない生活を保障してくれる藤島が出来た人だなぁと思っていましたが、途中まだ記憶のまったく戻っていない高久に強引にカメラを仕事にするよう勧めるところではちょ…