koyori
執事の五十嵐視点の、主の匂坂との回想。
住み込みの使用人として
両親とともに匂坂家で働く、青年時代の五十嵐。
当時、中学生の匂坂は
祖父や父のような官僚になるべきか、進路に悩んでいた。
そんな匂坂に、
五十嵐は「人のため」に働くこの仕事に自分は誇りを持っていると、
「どんな仕事であろうとも、そこから得られる喜びは平等」とさりげなく背中を押す。
五十嵐のこの言葉で、匂坂の心は…
はじめに断っておくと、
本書は一般的に言う「BL」とは少し毛色の違うお話です。
主人公は同性愛者で、元恋人や想い人もいるが
男性との具体的な絡みは登場しない。
あとがきにあったように、
「ホモセクシャルとホモソーシャルの狭間」の物語であり
主人公が、肉体的欲望を越えたところで
目の前の人々をどう愛し、どのように関わっていくかという
精神的なテーマを、ミステリに絡めて描いた作品で…