出会って十年以上の親友同士―恋を結ぶのは幸せの青いクマ! ?

いまさら愛など語れない

imasara ai nado katarenai

いまさら愛など語れない
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×214
  • 萌11
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
8
得点
94
評価数
27
平均
3.5 / 5
神率
3.7%
著者
鳩村衣杏 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
高城たくみ 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
価格
¥619(税抜)  
ISBN
9784796405249

あらすじ

とあるテーマパークにひっそりと存在する青色のクマ――『青井さん』。
人生相談を受け付けており、的確で辛辣な答えをくれるとの噂である。
中の人はベンチャー企業を経営する羽根田迅・32歳。
誰もが羨む経歴・容姿を持つ彼が、きまぐれでその着ぐるみを着るようになって一年。
ある日、なんと共同経営者で親友の熊谷が現れた。
あろうことか彼は「同僚を好きになった」と告げ、それはどう考えても迅のことで…。
困惑と動揺を抱えながらも、その不思議な恋の相談は繰り返され―!?

表題作いまさら愛など語れない

熊谷弘務,大学同級生で共同経営者,31歳
羽根田迅,ベンチャー企業社長(時々クマ),31歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数8

深〜いお話

あらすじがとても魅力的で「これは読まねば!」となった御本。

失礼ながら割とライトな感じを想像していたので、冒頭から主人公の仕事に対する姿勢やら何やらが丁寧に語られていて驚きました。
とても素敵でした。
そして勉強にもなりました。
その後も登場人物の内面が中心に据えられた描写が印象的です。

主人公の拗らせ具合もよかったです。
あらすじの通り、休日にボランティアでやっていた着ぐるみを纏った状態での人生相談に、親友がやってきて自分への恋心を告白してくるというまさかまさかの展開。
どうなるのかハラハラドキドキでした。

0

悩む受け。

ヘタレ×男前が読みたくて探したのがこちら。

秘めた思いを一切出さず、何気ない顔して受けの隣にいる攻めっていいですよねぇ。
この攻めはまーったくそんなそぶりも見せずにいたお人。

で、受けはひょんなことから、その攻めの本当の気持ちを知ってしまう。
(正直、この受けが、クマの着ぐるみで人生相談をすることになる理由とか、着ぐるみに心の安寧を見出す様子とか、いまいちなにそれ??って感じではあるものの……)

攻めとは学生時代から一緒で、今は共同経営者として絶対の信頼を置いているから手放すなんて絶対に無理。
攻めが自分から離れるなんてありえない。
だけど、恋人として付き合うことはできるのか……?

悩むよねー。
そりゃ悩むわーって感じで楽しく読めました。

長年、秘めた想いを隠しつつ、何気ない顔をして……かと思ったら、攻めが受けを好きになったのは2年前というので、割と短い片思い期間だなとは思いました。
(すみません、10年前からずーーーーーーーーーっとみたいなのが好きなので。2年も長いんですけどね)

受けは男前かと思ったら、最後に「可愛い俺」発言があって、ちょっとガクッとなりました。
「大事にされたいとか、優しくされたいとか、思い切り抱かれたい」願望があって、そんな可愛い感じになってる自分がキモい!と。
受けになったからといって、なんか急に思考回路まで受け身になってしまうのは何故??
というのも、私の中の男前受けは、攻めを見ながら「こいつ可愛いなぁ」としみじみしつつ「(攻めを)大事にしてやりたい、優しくしたい」と思うような受けなので、男前受けどこいったーー!と思いました。
でもノンケなのに「思い切り抱かれたい」と思ってしまう自分に気づいたら、そりゃ混乱もするわな…とも思う。

0

親友が恋人になる時

ひとひねりのあるお仕事BL。
ベンチャー企業、学生時代からのビジネスパートナー、共同経営者の二人。
実直で地に足のついた、縁の下の力持ち的立ち位置の熊谷弘務と、当意即妙の羽根田迅がCPになるまでのお話。
飛ぶ鳥を落とす勢いの社長迅が、あるアミューズメントパークにて青いクマの着ぐるみを着て大人向けの人生相談をやっている、というある種トンデモ設定なのですが、ある日、弘務が青クマの「青井さん」イコール迅に、「惚れてるんです、友達に」と自分への恋心を相談してくる!
私が面白いと感じたのは、いざ二人が恋人関係になった時、迅が自分が「可愛い感じになってて気持ち悪い!」と言う所。ノンケが受けになる時の偽らざる心境というか。
そして一つになって、迅の『愛してる、助けて、どこかへ連れていって、離さないで』……
この心境は攻めも受けもなく、愛し合っている二人のセックス時のクライマックスにおける心情なのだと感じます。行為中の二人は普遍的に「愛してる/愛してる、助けて/大丈夫、どこかへ〜/高みへ行こう、離さないで/もう離さない」とお互いの想いと肉体が同時に絡まり合うのですから。
着ぐるみとかお仕事とかの設定はあれど、ラストはかなり官能を感じさせる作品になってとても満足でした。

3

わがままなんでしょうが

私のわがままなんでしょうが、もうひと押し欲しかったなぁと感じた作品でした。あとがきや序盤が面白かったので期待しすぎてしまったのかもしれません。

1冊すべて表題作の長編です。
迅(受け)は、ベンチャー企業の社長だが、週末は青いクマの着ぐるみに入って人生相談を受けている「青井さん」。そこへ、共同経営者の弘務(攻め)が知らずに相談に来て…という内容です。

弘務は変化を嫌い、エクレアでさえ慎重な姿勢の男であるのに、「迅が好きだけど友人のままでいたいから辞職する」って思いっきり変化じゃないの?!とツッコミました。迅の変わっていく心や態度だけでなく、変化を好まないという弘務をプラスして欲しかったなぁと思いました。

それと、高城先生もあとがきで書かれてましたが、「青井さん」のちゃんとしたイラストがなかったのも残念でした。ラスト、互いに知りつつの相談風景で終わったというにはまとまりが良かったのです。ただ、迅のランナウェイを弘務が入った「青井さん」が見守り、ハプニングが起きて弘務も参加することになるという展開も面白かったのではと我儘にも思いました。「青井さん」の活躍、もっと見たかったです!

1

青井さん、ステキ

若手起業家・迅が、共同経営者でもある友人・弘務の恋心を知ったことから自分達の関係を見つめ直し、自分は弘務と恋愛することが出来るのか?と真剣に悩むお話です。

迅も弘務も経営者らしく男前で、恋に悩みつつもウジウジするのではなく行動するところが好きでした。二人と仲間達の成長物語も優しい雰囲気で良かったです。

クマの着ぐるみに入ってウキウキしたりハラハラしたりする迅がなんだか可笑しくて、その様子を想像して笑ってしまいました。映像で見たいなぁ。

2

悪いクマの囁き

 鳩村さんの作品はこれまで、定番のお仕事モノも、シリアスな長編も読みました。どれもよく出来てるけど、今ひとつ強く胸に響くものがなくて、個人的には相性が悪いのかと思ってましたが、これはアタリでした! なんてったって今をときめくベンチャー企業のイケメン若社長が時々クマになっちゃうのです。どんな不条理な展開が・・・と思ったら、意外とまともな理由からでした。

 とあるテーマパークの片隅で、人生相談を受け付けているクマの青井さん。シビアだけど的を射た答えをくれるというので、「幸せの青いクマ」として一種の都市伝説化しているその「中の人」が羽根田迅。2年前、結婚を考えていた彼女に振られた時の台詞「あなたなんて裸の王様よ!」がいまだ胸に刺さっていて、着ぐるみに入ると安らぎを覚えるのだ。そして彼のもとに相談に来る人々も、無表情で物言わぬ着ぐるみに胸のうちを語りながら、自分自身と向き合っていく。

 本業も、ボランティア兼ストレス解消のクマ役も快調にこなしていた迅だが、ある日共同経営者の熊谷弘務が相談にくる。なんと彼の悩みは「パートナーに惚れてしまった。もう会社にいられない」だという。大学1年で起業して以来14年、親友で、誰よりも信頼する片腕だった男の衝撃の告白。正体を明かせぬまま、迅は相談に応じる羽目になる。

 頭の回転の速さ、発想の柔軟さ、人付き合いのソツのなさが売りの迅に対し、地味だが堅実な実務派の弘務。とかくスポットライトは迅に当たりがちだけど、迅は自分の輝きが弘務の支えあってのものだとちゃんとわかっている。彼を失うなんて考えられない。では恋愛の対象としては? これまでそういう目で見たことがなかっただけで、一緒に買い物とか、食事とか、カラオケとか行けば楽しくて、相手の家に呼ばれた時とかちょっとドキドキしたりして。面白いのは、弘務への恋愛感情を自覚するにつれ、迅と一体化していた「青井さん」が迅から離脱して、迅にアドバイスしたり、迅もまた青井さんに助けを求めたりしだすところ。そして「好きなら押し倒してしまえ!弘務、いいモノ持ってただろ」なんてエッチなそそのかしまで・・・でもそこでふっと迅はわれに返ってしまう。「セックス?無理!まだ無理!」男として女の抱き方が分かっている分、女が男に何をどうされるか知り尽くしている分、怖くてたまらないのだという。その発想は結構新鮮で、妙にリアルでもありました。

 そうこうするうち迅=青井さんだと弘務にバレて、さらなるひと悶着の末ようやく最後の一線を越えるところまでたどり着く2人。物語はもうラストに近づいてるし、出会いからカウントすると15年近い歳月が流れてるんだけど、不思議と遠回り感はなかったな。まだ起業したばかりの貧乏学生時代、男4人のシェアハウス暮らしのころ、自覚のないまま弘務の背中にピトっとくっついて安眠していた迅に萌えました。

 

4

長い付き合い故の葛藤!

鳩村さんのお仕事BLって安定していますねぇ…。
今迄何作品か読ませていただいてますが、
決して浅くないのです。どの職業でも。

今作のあらすじを読んで、なんでベンチャー企業の社長が
遊園地で着ぐるみかぶって人生相談してんだ!?っていう興味もあり
今やゆるキャラは日本全国に溢れていて
私も入ってみたいなと思わなくもなかったのですw
(実際は相当キツイお仕事だと思います;;)

2年前結婚を考えていた女性に、大学時代からの付き合いの弘務と比べられ
地位や名声、金だけを目当てにされたと知り傷ついた迅。
中身はスカスカだと最後に言われてそれが心に突き刺さり
着ぐるみを身につければ情けない自分を隠せる安堵があった為
自前の青い着ぐるみでボランティア活動に参加して自信をつけ
遊園地・サンスクエアの社長に人生相談を持ちかけられたのです。

取材等は一切受け付けず、時間制限の30分の間、
500円で相談にのる“青井さん”はホワイトボードとペンで会話します。
端的で遠慮のない、それでもちゃんと的確な言葉が
相談者の気持ちを軽くしてくれると評判で…。
そこに、迅の親友で共同経営者の弘務が現れ、
恋愛相談をしてきたというわけです。

大学時代、お笑い芸人を目指していた洋司と健也、
更に迅と弘務の4人で古い一軒家を格安で借り共同生活をしていた頃から
迅のアイディアを弘務が行動に移すというカタチが出来上がり
誰より理解し合えて、信用出来る相手でした。
だから会社も一緒にやっていけてるわけですが
“青井さん”に相談した弘務は、その友達を好きだから
会社を辞めるつもりだと言い出して困惑するのです。

“青井さん”のつもりで受け答えした言葉は
いつでも迅そのものになってしまい
弘務に「ちょっとあいつに似てます」とまで言われてしまう程
取り繕えない迅。

会社を立ち上げて、大学の頃のように
個人として向き合っていなかった気がした迅は
服を見繕うと口実をつけデートに似た事をしたり家へ訪れたり。
“青井さん”に嬉しそうに話す弘務に罪悪感はあれど
喜んでくれているなら良かったとホッとしますが
受け入れる気持ちとあらゆる準備を整え
部屋へ弘務を招いた時、つい油断して
“青井さん”として言った言葉が口に出てバレてしまいます。
動揺し怒った弘務は迅の頬をはりその場を去り…。

言い訳も聞いてもらえなかった迅ですが
後日アクシデントを思いがけず弘務に助けてもらい
会社としても自分自身のパートナーとしても
やはり弘務以外は考えられなくなるのでした。

機転と発想と華やかさが持ち味の迅、
反対に堅実で真面目で行動力のある弘務、
二人が一緒でないと歩めない人生が過去にも未来にもあるのです。
この心の結びつきがたまりませんでした!!
出てくるキャラもみんな情が深いですし
少しも嫌な気持ちがしませんでした。
(あ、迅に失礼な事をのたまいやがった元カノ以外はw)

やっと終盤で初めてのH、なんですが
迅が弘務に対して「大事にされたいとか、優しくされたいとか、
思い切り抱かれたいとか、自分が気持ち悪いんだよ!」と
男らしく叫ぶシーンが面白かったですww
お互いノンケだったからしょうがないけど、
こういうのが楽しい!!
初めてのわりにはめちゃめちゃ感じてましたが、
それは愛の深さゆえ、ですねw

非常にバランスのとれた、素敵なカップルでした!
萌×2寄りの萌です♪

2

相談相手のクマは恋しい人?

大学時代からの付き合いで共同経営で仕事のパートナーである二人が、
10年過ぎて仕事のパートナーから恋のパートナーになっていく様を描いた作品。

見た目も性格も正反対の二人、生真面目でコツコツ実務型の弘務と対外担当で
一見すると世渡り上手に見えるベンチャー企業社長の迅は大学時代からの同級生で
正反対故に迅は会社を立ち上げる時に弘務を誘ったと言ってもいいくらいなのですが、
同じ男としてはある過去の出来事で劣等感を持っていたりもするのです。

それでもなくてはならない存在なのですが、ある日ストレス発散のために
知り合いが経営するテーマパークで、大人相手の相談を時間が許すときにクマの
姿で筆談でしている迅が、よく見知った相手から相談を受けることになります。

それは副社長で仕事の相棒でもある弘務で、弘務は会社を辞めようと思っていると
クマの姿の迅とは知らない故に相談をするのです。
びっくりしたのは迅で、会社を辞めたい理由が、自分を恋愛の意味で好きになって
しまったからと聞き二度びっくり。
正体を隠しながらなんとか相談に乗るのですが、そのことがきっかけで弘務の事を
そういう意味で気にしてしまうようになります。

クマの姿で他人の悩みを聞く迅ですが、それはやはり過去に彼女と別れたことが
原因になっていて、社長としての迅では得られない自信をクマの着ぐるみに
入ることで得ている不思議な感じです。
読んでいるとなる程と、外見ではなくて、中身で勝負みたいなものかもと思えます。

そして、今まで仕事で傍にいるのが当たり前の存在だった相方を、実は何も知らなかった
知ろうとしなかったのでは無いかと言う事実に気がついて、
クマの姿で相談されてから、相手を別の意味で見るようになり、
どんどん気持ちが傾いていくような感じです。
でも、10年以上も傍にいて、タイトル通り今更なんて言えばと言う感じが
伝わって来ます。
もちろんハッピー展開ですが、迅の相手の気持ちを知っていながらどうしていいか
わからない感じが逆に傍に居すぎたからかもと思える内容でした。

4

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