鳩村衣杏さんのレビュー一覧

八木沼酒店にロマンスは売っているか? 小説

鳩村衣杏  伊東七つ生 

ゲイじゃない男が男に恋していく気持ち

タイトルの面白さが目を引いてどんなのだろうとあらすじを読んだら、ゲイの酒屋と生真面目な間借り人の間にどんな恋が生まれるのか読んで見たくなりました。

北折は業績の悪化した会社の総務部に所属し、リストラして人を切っていく仕事に疲れて退職した28歳のメガネ美人。
社員寮を出て住むところを探していたところ、不動産屋の紹介で訪れたのは酒屋の2階。
女子限定だったのだが手違いから下見に訪れた北折だっ…

2

八木沼酒店にロマンスは売っているか? 小説

鳩村衣杏  伊東七つ生 

日本酒と恋愛

初読みの作家さんでした。

面白かった! 初読みだと、文章とか、情景と心情の配分とか、キャラクターの性格とか、視点の変わり方とか、どうしても受け付けないところがあると読めなくなってしまうのですが、ひとつも不快に思うことはなく楽しく読めました。

なによりお仕事部分が独立してなくて(時々永遠に仕事しててラブにならないのとかあるから)、恋愛と上手く混ざりあって、お仕事部分をめちゃくちゃ楽しめる…

1

天女の眠る庭 小説

鳩村衣杏  朝南かつみ 

乗り越えることの勇気

切なくて凛とした印象の小説。

開業医の受は過去の恋愛で悲しい思いをしていて、後悔もあって忘れられず、恋愛に臆病になっている。
そこへ日本画家である攻と出会い、苦しく切ない想いを抱えながら、乗り越えて大切な人を得る。

そんな受なので、攻は強引じゃなきゃ成り立たないのですが、BLって攻が強引って多いいなぁとしみじみ。
いや、私がそう言うのが好みなのか(^^ゞ

最初はそんな攻に受と…

4

弔愛~甘美な悪魔の囁きに 小説

鳩村衣杏  榎本 

ラストには大変感動しましたが・・・

完結巻となるシリーズ第2巻。
今回は、組長の死により各登場人物が水面下で暗躍し始め、より人間ドラマ的な展開となっていきます。

城上は親友の生前の想いを知ると同時に、自身も憂里に惹かれていることを認める。
憂里は、次期組長と製薬会社社長との板挟みに苦しむ中で、城上を激しく求めます。

会えば互いに挑発し合うか獣のように交わるかだった二人の関係が、少しずつ変わっていく流れが良いです。

5

弔愛~群れなす天使の歌声に 小説

鳩村衣杏  榎本 

愛憎渦巻く本格サスペンス

鳩村衣杏さんの本格サスペンスはそう言えばあまり読んだことないかも…と興味を持ち手に取った作品です。
全2巻の1巻目。

あらすじ:元刑事の探偵・城上(攻め)は、謎の死を遂げた親友の遺言で、彼の生き別れの弟を探すことに。
手掛かりの一人であるバーテンダー・憂里(受け)に、客のふりをして近づくが・・・

城上視点のハードボイルドな探偵小説と思いきや、憂里視点もあり、それにより憂里が関わるヤ…

5

ヘンゼルと魔王の家 小説

鳩村衣杏  海老原由里 

最初から最後までワクワクした

タイトルはメルヘンですが、内容はガッツリ地に足の着いた現代ものです。
しっかりお仕事ものですが、恋愛部分とのバランスがとてもいい。こういうの大好きで、最初から最後までワクワクして楽しめました。
どこかダークファンタジーを思わせる演出がたくさんちりばめられており、雰囲気がとてもよかったです。

不動産会社に勤める辺善は、客である興津からとある一軒屋の売却を任されます。
不動産についてしっか…

3

ドアをノックするのは誰? 小説

鳩村衣杏  佐々木久美子 

自我の目覚め

大人の恋愛モノですが、半分ほどは頼久(受)の成長物語というか、自我の目覚めの物語かなぁと思います(大袈裟ですが)。
プレイボーイである甲田(攻)が興味本位で頼久に交際を申し込む場面から始まり、交流が進むにつれ甲田が頼久に惹かれていく過程も面白いのですが、頼久自身のピントがずっとズレていて、甲田と一緒にモヤモヤを感じながら読みました。
そして、ある出来事をきっかけに色々な感情が氷解して頼久自身が…

3

親友の行方 小説

鳩村衣杏  高崎ぼすこ  アヴァ・マーチ 

翻訳小説初級編という印象

舞台は19世紀初頭、Regency eraのロンドン、
幼い頃から親友同士、今はロンドンで隣同士に住むともに28歳の二人、
ロバート・アンダーソンとライナス・ラドクリフ。

彼らは、服も使用人も、時にはベッドも共有しながら暮らしている。
互いを求めることもあるが、
ロバートは女性を渡り歩き、ライナスは男と寝ている。
やがてロバートの嫉妬が募り、
ライナスが男と消えて行くのが耐えられ…

2

友人と寝てはいけない 小説

鳩村衣杏  小山田あみ 

嬉しい誤算!!!

長年友人関係だった2人が、思いがけないきっかけで恋人へ・・・というようなシチュエーションがとても好きで、そして作者買いをしている鳩村先生の作品でもあり、何よりも表紙の雰囲気が何とも魅力的でくぎ付けになり購入しました。(ちなみに、扉絵の絵も凄く良いです)

でも、張り切って買いながらも、私自身はバイ設定はそんなに好きではないのと、レビューをちら見した際に、受け様、攻め様共にセフレがいる・・・とい…

3

親友の行方 小説

鳩村衣杏  高崎ぼすこ  アヴァ・マーチ 

一味違う両片想いモノ

19世紀のロンドン。
社交界で様々な女性と浮き名を流すロバート(攻め・28歳)は、男色家の親友・ライナス(受け・28歳)に密かに片想いしており…

攻め受け両視点あるため、ライナスもロバートのことが好きだということは比較的早く判明します。
しかもこの二人、15歳で戯れに一線を越えて以来身体の関係もあり、あとはもう告白待ちみたいなハードルの低さ。

しかしライナスが頑なにロバートの告白を…

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