凪良ゆうさんのレビュー一覧

まばたきを三回 小説

凪良ゆう  円陣闇丸 

どれほど泣けばいいのでしょう

何度も目を拭く為、どれだけ読むのを中断したか分かりません。
元々感情移入しやすいですが、こんなに嗚咽して呼吸を整えて本を読んだのは久々でした。

少しの間の同級生。
心が通じ合って、毎年、年に数回長期間会って、本当に本当に大好きでお互いしか要らないと言い切れるほどの一佳と令。
立場も環境も性格も何もかも違うのに、心の距離は息が掛かる位寄り添っていた、大事で大切な存在。

突如「死んだ…

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「Under the rose」まばたきを三回 番外編ペーパー グッズ

本編を読んだあとのデザート

小学生の一佳と令が離れ離れになる、少し前のバレンタインデーのお話です。

本編で何度も何度も泣いた私としては、甘くくすぐったい二人の心と言葉の掛け合いに、ほんわかあたたかくなりました。

こういうのって、何だか分かるなぁと思います。
田舎にやって来る転校生って、一つ格が上に見える。
少しの羨望と好奇の眼差しが向けられて、良くも悪くも特別扱いされるんですよね。
だからどれだけ人見知りが…

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お菓子の家~un petit nid~ 小説

凪良ゆう  葛西リカコ 

幸せを願う

夜明けには~のスピンオフ、子供の頃虐待を受け愛し方を知らず恋人にも暴力を振るっていた加瀬の話です。
恋人の幸せを願って身をひいた加瀬は、ハローワークに通う途中のパン屋の従業員、阿木にスカウトされバイトをすることになります。
アンプチニで働く阿木、知世、知世の息子の里央。
そこに時々顔を出す武藤。
それぞれが持つ複雑な過去がせつない。
手を伸ばしても触り方をしらず相手に傷を負わせてしまう野…

4

夜明けには優しいキスを 小説

凪良ゆう  高階佑 

人を傷つけずに生きることができるのか・・・

「お菓子の家」以前の話と聞いてこちらから先に読むことにしました。
花丸文庫BLACKということでちょっと覚悟して読みはじめましたが、良い意味で裏切られました。
辛い話だけれど読み始めてすぐ結末がみえる(こあたりBL作家さんは幸せなエンディングを求められているので大変だな~と思いました)のでけっこう安心して読んでいました。
命は重いですね。
生きているからいつかは必ず死が訪れるわけですが、で…

0

恋をするということ 小説

凪良ゆう  金ひかる 

オーソドックスだけれど、新しい?

まったりしたかわいい話…といえるんだろうな?

ノンケの大学生月浦くんと、月浦くんの父に片想いをしていたゲイのカメラマン呂久さん。
そんな二人が出会い、美しいタイトルに示される季節の移ろいの中、心を通い合わせていく…

とりたてて目新しさのない物語なのだが、丁寧な心理描写、
「さん」「くん」づけで語られる、柔らかくちょっととぼけたような文章。
マンガチックにアクの強い脇キャラ、ファン…

4

夜明けには優しいキスを 小説

凪良ゆう  高階佑 

まばたきを三回 を未読の方もネタバレに注意してください

はじめに申し上げておきますが凪良先生の作品は好きです。よい意味で泣かせどころの上手な方だとも思います。

この作品も読ませる力はぐいぐいあります。 

要の精神的にも肉体的にも自虐的な方向に自分を追い込んでしまうという悪循環も、とても説得力があり涙なしには読めません。

無責任に人を責める世間の風潮も的を射ていると思います。

私が納得できなかったのは少女のお母様の行動です…

4

お菓子の家~un petit nid~ 小説

凪良ゆう  葛西リカコ 

雁字搦めの心をそっとひも解いてくれる

前作の「夜明けには優しいキスを」読んでから手にするつもりだったんですがどうも在庫がどこにもないみたいで我慢できず手に取りました。前作読んでなくてほとんど問題ないです。おおまかな加瀬の過去の事情も説明があるので。

自身がDVによって大切な人を傷つけた過去を持つ加瀬(受)。そのせいで大切な人を失い自分自身もトラウマを持つことになる。想い人を失うと同時にリストラされたため就活中なわけですが前向きな…

7

まばたきを三回 小説

凪良ゆう  円陣闇丸 

どんでん返しが続く

「幽霊もの」と聞いて個人的には地雷だなとこれまで避けてきたのですがやっと手にしてみました。

読み終えた感想としては…ちょっと腑に落ちない個所が度々あって…。特に前半はうーんって感じでした。まず、そんなに簡単に男同士の壁越えちゃうわけ?と思ってしまって。私的にやはりBLはその壁をどう越えるかが最重要事項であり醍醐味と捉えているため少し萎えちゃったな。

後半はとにかくどんでん返しが続き驚き…

4

お菓子の家~un petit nid~ 小説

凪良ゆう  葛西リカコ 

欲しかったもの。

何度も読み返したくなる本。
スピンオフだそうですが、受けがひどい男だったという前作を読んでないので、加瀬がひたすらかわいそうでいじらしくて頭なでたくなった。
我慢とも諦めとも言えるような孤独を抱えてて、でもそれを同情してって振りかざしたりしないし、ときどき方向を間違うその健気さが・・・っ。

暗めの作品なのかもしれないですが、加瀬が前向きになろうとしているし(一般的なポジティブとはちょっと…

4

積木の恋 小説

凪良ゆう  朝南かつみ 

健気さとは。

何が泣けるって詐欺師をしている蓮の唯一の願いが、いつかどんなに小さくても田舎でもいいから自分の家を持ってそこで犬と暮らすって、もうその夢に出だしから涙。
罪を償って受け入れられた後も、何も欲しがらず一人で立とうとする健気さが歯痒く泣ける。
きっと幸せな環境で素直になれたら、加賀谷さんが困っちゃうくらいもっとかわいくなるんだろうなと思う。

暗い話が苦手なので、あらすじを見てちょっと躊躇し…

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