凪良ゆうさんのレビュー一覧

未完成 小説

凪良ゆう  草間さかえ 

先生と生徒の話で、今まで読んだもので一番よかった

滅茶苦茶よかった…。

終盤、5年の歳月が一気に流れ、
再会してもどうってことのない別れを迎えるところが、
あまりに切ない現実で泣けた。
が、そこは元サヤでハピエンになるのですが。

どうにもならない事情で離れて、
その思い出を胸に生きて、
先生から言われたことを反芻して、
自分の仕事や生活を成立させていく、
その描写に痺れるね…。

やっぱり「先生」なんだよね。ずっと。…

4

美しい彼 小説

凪良ゆう  葛西リカコ 

ボケとツッコミ会話が面白い

スクールカーストというテーマなので重いのだろうかと思い身構えました。
しかし、攻めの平良の独創性のおかげか楽しく読めました。
平良は吃音の病気持ちですが、会話のセンスがあって面白いんです。クラスで浮いてパシリに使われる憂鬱な学校生活ですが、家庭環境に問題なく普通なところも却って新鮮。
クラスのキングこと受けの清居は、平良のきもっ!な面と独創性に刺激を受けているようにも読み取れました。
二人…

11

ニアリーイコール 小説

凪良ゆう  二宮悦巳 

トラウマを持った二人のゆっくり流れていく恋

はぁ~~。いいお話だった。
読み終わった後も余韻が残る幸せなラブストーリーです。
大きな事件が起こるでもない、淡々と時が流れて、二人がトラウマを乗り越え、自分達の愛の形を作っていく。

私はあまり孤独を感じた事が無く(一人でも全然寂しさを感じない図太い女です)主人公の仁居(受け)の気持ちを共感する事は出来なかったんですが、私の中での孤独って絶望と隣り合わせの感情だと解釈しております。それを…

7

ニアリーイコール 小説

凪良ゆう  二宮悦巳 

ゆっくりと流れる幸せ

過去に苦しめられながら生きるもの同士が出会う話。二人の想いがゆっくりと丁寧に綴ってある素敵な物語でした。

愛しすぎると嫌われてしまう引きすぎると離れてしまう。愛されずに生きてきた仁居が国立と出会い過去とさよならするまでずっとドキドキしながら読ませて頂きました。最初、仁居がまた誰かを失うことが怖くて逃げているシーンばっかりで国立も同じような感じだし。真っ暗な寂しさで終わるのかと思ってましたが幸…

7

ニアリーイコール 小説

凪良ゆう  二宮悦巳 

俺の一番感じる場所は、

昨年から、様々な色合いの作品を発表し続けていた凪良先生。
今回の初ディアプラス文庫は切なさ満載のひっそりとしたお話になりました。
過去に囚われて、恋愛することに臆病になっていた主人公・仁居が、これも、過去に囚われて恋愛関係が上手く続けられない国立と、子猫を拾った事をきっかけにして、少しずつ歩み寄っていく。
恋にのめり込んで、また傷つくのを怖れ、いつでも戻れると自分に言い聞かせながら、本当に少…

17

ニアリーイコール 小説

凪良ゆう  二宮悦巳 

幸せを見つける物語

透明感のある美しく透き通るような表紙がぴったりのストーリー。
心情の変化が丁寧に優しく紡がれる物語でした。

主人公の仁居は両親を幼い頃に心中で亡くし、引き取られた叔母宅からも見放され、17歳という若さで一人暮らしを始めた。
さらに17歳の時、寂しさを埋めるように出会った男に、「重い」と無下に捨てられた記憶がこびりついている。

そうした辛い背景がありますが、物語を一言で表すと「優しい…

8

ニアリーイコール 小説

凪良ゆう  二宮悦巳 

優しい、思いやりにあふれたストーリーでした

作家買いです。

もともとトラウマを持つネガティブな受けが、攻めに愛されトラウマの呪縛から解放される、という設定が好きなこともあってあらすじを拝見した時から非常に楽しみにしていました。
内容はすでに書いてくださっているので感想を。

受けの仁居が恋愛に対して臆病になったのは初めて好きになった彼に「お前の愛は重すぎる」と言われたことがきっかけではあります。
が、その前に彼の両親が自ら命を…

17

ニアリーイコール 小説

凪良ゆう  二宮悦巳 

「さびしさ」を手放すまで

BLの物語のはじまりはさまざま。
ちょっと昔の王道といえば「王子様が窓辺の姫をさらう」
(または石油王が庶民をさらう、でも応用可)ですが…

このお話はというと…
窓辺の姫は、質素なお部屋でひっそりと暮らすことを望み、
王子様なんて待っていない、むしろそっとしておいて欲しい様子。
窓の下から姫に声をかける王子も、
脛に傷を持っており、姫をさらうほどの強引さを持っていない。

そ…

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ニアリーイコール 小説

凪良ゆう  二宮悦巳 

あなたがやさしく触れる場所

凪良ゆうさんの作品は、
これまで何冊か手に取って読んだことがあるのですが、
今作は今までの中で一番心に寄り添ってくれるような
親近感を覚える、やさしくあたたかな物語でした。

幼い頃に両親が他界し、
引き取られた叔母家族とは埋まらない溝があり
17歳にして、ひとり孤独の中へと追いやられた仁居。
そして追い打ちをかけるかのように
当時高校生の仁居にとって、唯一の居場所だった恋人・佐…

11

ニアリーイコール 小説

凪良ゆう  二宮悦巳 

繊細な心の動きを追った、静かな物語

激しく複雑な過去を持つ受けと、
同じく過去を持つ攻めの話。

視点は「受け」→「攻め」→「受け」と変化します。
なので主人公としては、総じてやはり受けなのかな、と。

ニアリーイコールという題名なのですが、
最初は、この題名は作品には合わないんじゃないかと
思いました。

「同じようでいて、同じじゃない」
これは、「恋」のことを言っているのだと思いました。
だから、今の「恋…

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