粉々。
◆若様隠密帖(表題作)
下巻は忍びの里での一悶着が描かれ、上巻よりもかなり騒がしい印象でした。何度も攫われてしまう太助だけど、毎回悲愴感を漂わせないところはさすが。太助にめろめろな若様も可愛いですが、下巻ではどんな状況でも若様を一途に慕い続け一番に考えてくれる、そして、どんな相手に対しても穏やかな接し方ができる太助の魅力が溢れていたなぁと思います。若様は人を見る目がありますね。上巻より濡れ場は…
序盤から何の説明もなく、現代の世界に里から降りてきた忍者と普通の男の子(彼も忍者でしたが)の話が突然始まったので、もしかして下巻と間違えた?と思いましたが上巻でした(笑)。最後まで忍者の里というものがどういうものなのか具体的に描かれることはなく、その分スピード感があって、ラブコメに徹しているところは最高でした。若干若様のテンションについていけない部分もあり、雰囲気にハマるハマらないは人によって分…
シリーズ最終巻に相応しい内容でした。そういえば藤代は、坂口も元々漫画を描いていたことを知らないんでしたね。坂口の同級生に明かされて、すっかり漫画を描く気力を失ってしまった藤代。第三者からの言葉でここまで落ちてしまう藤代は、やはりまだまだ坂口と付き合っていくことに自信がないんだなぁと改めて感じました。彼の性格を考えると同情したくもあるけれど、もっと坂口のことを理解して欲しいなとも思ったり。
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◆帰らなくてもいいのだけれど(表題作)
まだ不安定だった前巻よりも、同棲を始めてずっと強固な関係性になっているなぁと感じました。もちろん、藤代はまだ坂口に対して不安を感じることも多々あるようだけど。惚れた弱みでしょうね。一方で坂口の方は、多少のトラブルがあっても藤代の気持ちがそう簡単に揺らぐことがないのを重々理解していて、どんと構えている態度が見ていて気持ちいいくらいです。だけど藤代が攻めで、…
この2人の性格的な組合わせ、攻め受け、ビジュアル、どれも内田先生ならではのもので、シリーズの始まりとしてがっつり読者の心を掴んでくれる作品でした。学生時代の先輩である坂口にあらゆるお膳立てをしてもらわないと、才能はあるのに漫画が描けない藤代。実際、漫画家や作家が成功するかどうかは、もちろん本人の才能や根気による部分もあるけれど、本人につく担当が優秀かどうか、本人に合っているかどうかでかなり変わっ…