朝南かつみさんのレビュー一覧

この世の楽園 小説

綺月陣  朝南かつみ 

綺月陣なのにエロくない! 3Pなのに青春!

綺月陣の3Pモノときたら、すんごい変態モードを期待してしまうわけですが
案外マトモです。ただし、心理面で非常にねじけています。

まず最初の感想。
これね、フランスの有名コメディ俳優、ピエール・リシャール主演の「玩具 le jouet」をもんのすごく思い起こさせるストーリー。
ってか、あの名作映画の日本語版がないってなんなのーーー!!!!
ワガママで人を人とも思わぬ金持ちのおぼっちゃま…

2

積木の恋 小説

凪良ゆう  朝南かつみ 

恋愛だけでなく奥が深い・・・

BLと言っても、ちょっと犯罪がらみの考えさせられる内容でした。
たしかに蓮は詐欺師で決して褒められたことではないのだけど
それまでの生い立ちを知ると、蓮ばかりを攻められないとちょっとだけ思ったり。
みなさんレビューで書かれていますが、タイトルがいいですね。
積み木という言葉でいろいろな発想が生まれる。
単純に考えればこどものおもちゃなのに、すごく意味深い。
「恋愛詐欺師」よりいいと思い…

5

忘れないでいてくれ 小説

夜光花  朝南かつみ 

忘れられるわけがない!

朝南かつみ先生が挿絵を手がけた本の中でも
一、二を争うくらい好きなこちらの表紙。
切ないドラマを予感させる表情、構図の美しさに
ただただ見惚れてしまいます。

内容はというと、
シリアスな特殊能力系サスペンスでありながら
個性豊かな主人公たちの言動にクスッと笑える部分もあり
端的に言うと「すごく面白い!」作品です。


人の記憶が見える能力を生かし、
依頼人の記憶を消す仕事…

10

積木の恋 小説

凪良ゆう  朝南かつみ 

タイトルの意味がいい

何もかもすべてうまくいって終わるというわけでなく、あ、主人公とその相手との関係はうまくいくんだけど。
周りの環境が。
バイト先の嫁さんのお母さんがあのおばあちゃんだったと出てきた時はもしかして、警戒心がとけて仲良くなれるのかと思いきや、余計に警戒心を増幅させてしまってバイトも解雇されちゃうとか。
甘くないんだなって。

後書きやレビューにもあった、タイトルの積木、ひとつひとつ積み上げてい…

2

天狼は宝珠に酔う 小説

浅見茉莉  朝南かつみ 

切ない

朝南かつみ先生のイラストもすごく良い。

なんか、抱えてる受の景瓏。
抵抗もせず旋牙を受け入れる。
最初の夜は、強引に……でも、旋牙に景瓏に対する優しさがあり、
酷さは感じません。

でも、旋牙は従順な景瓏を腹の内は違うと疑う。

私の好きな設定。受が何か抱えてるとか、傷付けられたりとか。
旋牙に逆らいもせず、謙虚で世間知らず最初は旋牙を恐れていたが、
それが愛に変わっていく…

0

心理療法家の愛罪 遠い恋花火、めばえる渇恋 小説

柊平ハルモ  朝南かつみ 

解離性同一性障害

かなり、あらすじからは想像出来ないようなシリアスで切ない物語に引き込まれました。

あらすじには書いてなかったですが、攻の大斗が解離性同一性障害で長いこと心療内科に通ってます。

父の仕事を継いで大斗の事も引き継ぎ、人格を統合するために作られた大斗の中の『彼』にカウンセラーで受の朔哉が恋をしてしまいました。
でも、『彼』は消えてしまった。

朔哉に悲しみだけが残り、また大斗に対してわ…

1

積木の恋 小説

凪良ゆう  朝南かつみ 

タイトルも秀逸

愛によく似たものが降ってくる灰色の空を見上げた―

本編の最後に二人が結ばれる場面で、それでもなお、「愛」を溶けてなくなる雪に例える蓮(受)が非常に切なく、愛しく感じました。

加賀谷(攻)のような、馬鹿がつくほど誠実な人間に惹かれる反面、どうしようもなく劣等感を掻き立てられる蓮の心境がよく分かり、私は終始、蓮に肩入れしながら読みました。

加賀谷が蓮に惹かれた切っ掛けが、長年の片思い…

3

闇の底で千の祈りを捧げ 小説

バーバラ片桐  朝南かつみ 

静のイメージを感じる正統派吸血鬼もの

第一次世界大戦後の東欧を舞台とした正統派の吸血鬼もの。
他作品の吸血鬼攻めって、基本にプラスアルファでオリジナル設定を付け加える事でそれぞれ差を出しているが、この作品のトランシルヴァニアの領主・フィレンツはそういった飾ったところのないまんま正統派で渋い。

バチカンから派遣された祓魔師・瑠架の出会いからを、お互いの心情を織り交ぜて静かに進行していく。

この話の目玉としてよく触手プレイが…

1

背徳のコンシェルジュ 小説

妃川螢  朝南かつみ 

すれ違い

VIP客とコンシェルジュのすれ違いものです。

啓(受け)がホテルのお客様からお金を押しつけられているのを目撃したマクシミリアンに体を金で売るやつだと誤解されて無理やり…
だけど、無理やりだったのに終わった後引くに引けなくてお金のために抱かれたと啓が強調して、
マクシミリアンもやっていて初めてなのに気づいたのに啓の態度に引けなくなってすれ違って行く話でした。

マクシミリアンは無表情だ…

6

忘れないでいてくれ 小説

夜光花  朝南かつみ 

自分で決める強さ

ファンタジーは苦手なくせに、
“あながちあり得無いとも言えない能力”というものに弱い私なので
触れるだけで人の記憶が映像として脳に映るという清涼に
とても興味を持ちました。

しかも、共感してしまったのが、
犯罪まで犯したにも関わらず法で裁かれない人間がいるのなら
痛い目見せてやろうという気持ち。
勿論法律に詳しいわけではないのですが(所詮私ですもの…)
あまりにも理不尽すぎる事…

6
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