Sakura0904
教師と生徒ものだと、生徒から先生にぐいぐい迫る作品が多いじゃないですか。だから、原が佐条に真剣に恋をしていたんだなぁというところに、まずぐっと来ました。生徒には絶対手を出さない、大人として最低限のけじめ。それを守ったために、佐条を横から奪われてしまった原。でも、理由はそれだけじゃない。やはりどこかに臆病な気持ちや油断などがあって、佐条に想いを伝えることを怠ったのも原因。彼が1年の時に気持ちだけで…
佐条の母親と草壁が病室で初めて会うシーン、私は他のBL作品でメインキャラ達がどちらかの親と会う流れになった時に、このシーンをよく思い出します。短いけれど、とても温かく優しい時間だったので。息子の相手が男か女かなんて大した問題ではないと、息子の好意を尊重し、相手に息子をよろしくと言ってあげられる母親。自分が親だったら、彼女のようでありたいと思います。
中盤で2人はまた喧嘩してしまうけれど、…
冒頭でカフェで待つ草壁を見つけた時、佐条が一瞬にして好きな人に会えて気分が高揚する表情に変わる。もうこのシーンだけですっかり心を掴まれてしまいました。ああ、今彼はどうしようもなく恋をしているんだなぁと、その心情が手に取るように伝わってきます。前巻ではお互い言葉が足りなかったり、先回りして考え込んだりして、時々すれ違っていた2人。そんな彼らがこの巻では、自分が発言に失敗したり相手から怒気を含んだ言…
DVDを観過ぎてもうほとんど台詞を覚えてしまっているほどなのですが、改めて漫画で読むとまた新鮮な気持ちで青春を謳歌する2人の甘酸っぱさを感じられ、何度読んでも色褪せない作品だなぁと思いました。中村先生の描き方でしか表現できないこの爽やかさ、色っぽさ、儚さ。多くを語らず、大袈裟にもなり過ぎず、ごくごくありふれた台詞だけでここまで読者を引き込む物語を描ける才能、本当に素晴らしいです。
草壁も…
最後まで誰も多くを語らず終焉を迎えましたね。忍の妻が自分を省みない夫や息子に耐えきれず行動を起こすことで、物語はあらぬ方向へ動き出します。結末だけを考えるとそれは悪い方向だったのかもしれないけれど、私は必ずしもそうではなかったのではないかと感じました。最後に2人の兄弟は、確かにお互いをしっかり認識して愛し合うことができた。妻があのまま何も知らないふりをして耐え続けていれば、この蜜月は2人に一生訪…
異母兄弟なので、義兄弟とはいっても血の繋がりはある兄弟の物語です。多くを説明せず雰囲気に頼っているところはあるけれど、キャラクター達の雄弁な瞳が十分に心情を表してくれているので非常に読みやすかったと思います。兄の忍は新しく自分の弟となる竹蔵と初めて会った時からずっと彼に冷たく、兄らしく弟を可愛がることを一切してこなかったような人物。でも、竹蔵は出会った頃からそんな忍に好意を抱いていたようです。
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