Sakura0904
私はてっきり『O.B.』で完結だと思っていて、まさか続編が出るとは思っていなかったので、また単行本が出ると聞いた時は心底嬉しかったです。1ページ1ページ、大切に読みました。何度読んでもやはり中村先生のタッチが本当に素敵だなと思います。繊細で、色っぽくて、1つひとつの線が生きているようで。そして、草壁と佐条のいろんな表情が、あまり多くを語らせずとも彼らの心情を雄弁に語っていて、表情で魅せるのが本当…
歪みながらも、それなりに幸せだったのだと思う。
誰にも言えず、秘密裏に。激しく情交を交わし合う竹蔵と忍。
決して互いの生活にそれを持ち込まない様に。壊れ物を扱う様に。ひっそりと熱く。
ところが、幸せな時は短くて。突然終わりを迎える。
下巻は呆気ない程、短く感じられて。少々拍子抜けしてしまった。
彼等の幸せは小さな綻びから壊れて行く。義姉の全くの善意から、(彼女はこの時、実に呑気だ。)独身…