みみみ。
◆たつのおとしご(表題作)
親や仲間とはぐれてしまったらしき幼子を拾うところから始まるので、最初は切ないトーンで進むのかなぁと思っていました。が、すぐに軽快なギャグも挟みながらテンポ良く進んでいくストーリーだと気付き、池先生らしいノリを最大限楽しみながら読めました。子供から大人へと成長するツノが、何より素直で純情で可愛いんです。尚且つ弱々しさとか女々しさとかは感じさせず、そのラインも素晴らしい…
中盤までは1巻以上に悲恋の雰囲気が強まっていました。タイムスリップから還ってきた凉は、少年だった果にぶつけたのと同じ熱量をそのまま現代の果にもぶつけますが、凉があの頃から一度も自分の前に現れなかったことや、未来の自分の息子だったというあまりにも重過ぎる事実に、果は強く拒絶します。
結局凉がタイムスリップして果との愛を育めたのは、唯一優しかった祖母も亡くなり両親からは愛されず孤独に飢えてい…
タイムスリップもので父子相姦要素がありますが、この巻では時間を遡ったおかげで父の方が年が若くなっていますから、あまり禁忌を犯している雰囲気は感じませんでした。少年に戻ってしまった父・果は、とてもあどけない顔立ちで可愛らしいですね。現代の果も、過去に、未来からやって来た息子の涼と過ごした濃密な記憶を持っているから、微妙な態度で接していたということなんでしょうか。逆に涼は、その思い出を完全に忘れてい…