草間さかえさんのレビュー一覧

檻の外 小説

木原音瀬  草間さかえ 

一生大事にしたい本

この人は心底凄い作家さんだと認識させられたこの連作。
当時はそのネームバリューも知らないまま読み始め、現実を完全に忘れ貪るように読み耽り、そして読後は放心してしまいしばらくわたしは使い物になりませんでした。
尚視点の最終話「なつやすみ」を読み終わった瞬間、よく分からない感情の渦が込み上げ枕に突っ伏したのを覚えています。
穏やかな話にも関わらず、涙が勝手に次から次へと…。

喜多川というど…

21

陰猫 小説

水原とほる  草間さかえ 

痛くない水原作品

びびりな私は、進んで水原さんを読もうとはしないんですが、「これなら大丈夫」と太鼓判を押してもらったのでチャレンジ。
いや~ん、面白かったです。痛くもないし、暴力も出てこないし。(平手打ちはありましたけど、これくらいは全然気になりません)
受けちゃんの攻めさまへ気持ちが動いていくさまが、よくわかったって言うか。寄り添うふたりが、何だか切なくてもの悲しくて。一気に読んじゃいました。

綱紀と美…

3

檻の外 小説

木原音瀬  草間さかえ 

とても辛い話ですが

「箱の中」の続編です。
先に出所した堂野を探し当て、喜多川が訪ねてくるところから始まります。
六年ぶりの再会ですが、堂野は五年前に結婚し、幼い娘もいます。
ただ一途に堂野を求める喜多川と、自分の生活を大切に思い、喜多川も彼自身の家庭を持ってほしいと思う堂野の思いはすれ違います。
そんなとき、堂野の娘穂花が行方不明に。
堂野は過去にも冤罪を受けて刑務所暮らしをするという不幸に遭っているし、…

8

箱の中 小説

木原音瀬  草間さかえ 

一途な執着

辛い話だけど、絶対処分できない一冊です。
痴漢の冤罪で訴えられ、罪を認めなかったせいで実刑を受けた堂野が、刑務所の中で出会った無口な男喜多川。
小さな箱のような部屋に閉じこめられてまともな愛情を受けずに育った喜多川は、他の受刑者とは違う堂野になつき、次第に強く惹かれていきます。
他には何もいらない、堂野だけがほしい。
衆人環視のなかでの強姦におよんだりもします。
そんな喜多川に…

1

はつはな コミック

草間さかえ 

やっぱりオジサンが好き

“はつこいの死霊”と“花いちもんめ(コミックス「イロメ」収録)”の番外編です。
実は、元のお話、忘れております・・・
コミックスの発掘もできなかった・・・

花いちもんめ【愛煙家の登校日】
 森崎君の初体験話。たしかに、リハビリ中のマッサージって何かありそう・・・しかし、森崎君がフェロモン全開って事なんでしょうか?

はつこいの死霊【禁煙者の週末】
 えー、お仕事してるおじさんはお…

1

夜道を一人で歩くとき 再録 コミック

草間さかえ 

私は誰を思い出すんだろう・・・って

やっと手に入れました。

どう考えてもロクデナシなのに女にモテる本田と、高校時代から彼に片想いをしている吉岡のお話。

表題作は高校時代、ほかはオジサンになってからの再会ラブです。
吉岡に関しては、学生時代の別のお付き合いのお話が1本入っています。
ソカベくんと付き合っていたらどうなっていたんだろうって思いますが、きっと今の状況の方がお互い幸せなんだろうなとも思います。

本田のエ…

2

楢崎先生とまんじ君 小説

椹野道流  草間さかえ 

まさかの万次郎にしてやられたw

この作品は『茨木さんと京橋君』のスピンオフで
さらには、この『茨木さんと京橋君』も
『右手にメス、左手に花束』シリーズのスピンオフなワケですが。。。

『メス花』に至っては未読、
『いばきょー』はドラマCDを聴いただけだったんですが
ツンデレっぽい楢崎先生と、健気な大型ワンコっぽいまんじ君のことが
すごく気になってたので
書店でこの本を見つけて速攻購入しちゃいました^^;

そ…

2

茨木さんと京橋君(2) 小説

椹野道流  草間さかえ 

断然2が面白い!

 2作目、よかったです!
 1作目はゆるくって、心地よくって、こういうのんびりとした恋愛もありかな~~と思ったのですが、2作目で衝突があって、すれ違って、仲直りして……ラブへ。

 2巻がある時点で、1は挿入までしてないから2ではやるのが目的だろう、なーんて思ってたのですがそれだけじゃなかった! 挿入するには、そこまでの心の動きが必要だったのですね。(挿入、挿入言うなって!)
 
 そし…

1

はつこいの死霊 コミック

草間さかえ 

全ての不幸の元は初恋の祟りである

そんな無茶な!というこの言葉と智の何年越しの執着がたまりません。

草間作品はとりあえず三回読みます。
噛めば噛むほど味が出るというか、一回だとよく理解できなかったりすることもしばしばで、単純にこれは私の理解力の問題なのかもしれないけれど。
だけど、ふとした瞬間にぐっとなるというか、空気感とか言葉の間とか静かな世界観とかセンスとかが大好きなのです。
好みが別れる作品だっていうのはわかって…

6

檻の外 小説

木原音瀬  草間さかえ 

愛とはなんぞや?

泣きました。
もう泣けて泣けてしょうがなかったです。
自分でも巧く言い表せない感情でぐちゃぐちゃになりながら泣き、読み終わった後も、ふと泣いてしまうぐらい心に残った作品です。
こういう作品を書いてくれた木原さんや、出版してくれた出版社に感謝します。
帯の、、BL極北、最果ての地へようこそ。
まさに異端のBL作家、木原音瀬。

愛どころか人の善意すら知らない喜多川という人間が愛を、乞い…

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