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杉原理生 竹美家らら
伊吹亜弓
ネタバレ
お兄さんは、血が繋がっていない、けれどもたった一人の家族である太一をものすっごく可愛がっていて、太一が大学生になったいまもずっと彼中心に世界が回っています。朝は部屋まで起こしに行き、ご飯は 「美味しい」 と言われ喜び、弟からの 「いってらっしゃい」 も必須。夫婦ですか?というツッコミをしたくなりますが、二人は恋愛感情一切なし、ただしお互いを大切なあまり行き過ぎている兄弟なのです。 そこへ割って入…
雀影
さすがに杉原さんというか、 竹美家さんのイラストそのままの 実にふんわかした、 天使のようなお兄ちゃんのお話でした。 血の繋がらない弟・太一を溺愛している章彦 二人のお花畑のような生活に闖入してきた、太一の友人高林はゲイで、、、 このお話、BLなので、色々反発しあいながらも、章彦と高林が惹かれ会う。 これは、まあ、当然。 で、それを知った弟・太一が、逆上して、兄ちゃんに襲い…
茶鬼
ちょっと甘くて切ないというイメージの杉原作品ですが、本作は切なさ少なめ、玩具メーカー勤務の”ぬいぐるみ王子”が主役なので、子供の出演もあいまってほっこりしたお話になっています。 いつも可愛らし目の絵が付く杉原作品ですが、今回もふんわりが印象的な竹美家さんの絵が雰囲気にぴったりでした。 お話は早くに母親を失くし、父と二人暮らしで淋しい思いをしていた章彦が11歳の時、父の再婚で義母と9歳年下の…
杉原理生 宝井理人
美術館で会った人
穏やかで、繊細な文を書く杉原さん。 好きな作品も多いですが、これは萌えに近い中立評価。 遼、そして英之がお互いに「恋」しているのかが、私にはイマイチ伝わってこなかった。 小さい頃なら親を通して得られるはずの身体の触れ合いや、家族からの愛を得られず、心を閉ざして生きてきた遼が、英之に対して求めているものが、どうしても家族愛に見えてしまう。 10年越しに再会してから、人との繋がりに…
藤棚
メインカップルが割と簡単に体の関係を結んでしまったので。 やや拍子抜けをした部分もあったのですが。 その後、心の距離がなかなか埋まらないのが、 じれったくて仕方ありません。 端から見れば十分、「君は恋をしているんだよ」という状態なのに、 それを認めない(認められない?)遼。 頑なな遼の雪解けを、急がず、優しく待っている英之。 そんな二人の静かだけれども情熱的な心の交流が、 どち…
この作品、すごく好みです。 ゆっくり、慎重に、遼の心に踏み込んでいく、英之の丁寧さがいいです。 それを受けて、自分で、しっかり、自分の心と向き合う遼も好ましい。 杉原さんの作品楽しみ所は、「恋愛している自分を、自覚して」、「受け入れる」過程だと思っているので、杉原さんらしさをとても堪能できた。 また、遼は、子どもの頃のトラウマ故か、自分の中での心と体の繋がりが希薄で、 割合と簡単にセ…
久江羽
もどかしいのは杉原さんの十八番みたいなもんですから、まぁいいとして、今回はいつも以上に淡々とお話が進みます。 お話の半分くらいは12年前のことを振り返っている感じなのですが、主人公の一人、映画ライターの水原英之は16歳から28歳の今まで、始終落ち着いているのです。 取り乱すとか激昂するとかそういうことが無い。 父親が小学生の遼を預かってきた時も、思いがけず再会したときも非常に淡々と受け入…
かにゃこ
杉原さんの作品は、独特な湿り気があって ちょっと手暗がりのような空間に入り込むような雰囲気があります。 そして圧倒的に再会モノ、●年片思いみたいなパターンが多い。 頭で理解するまで片思いが続くような・・・ 今回の作品も1ヶ月だけ一緒に暮らした 言葉を話さなくなった小学生と高校生が 大学生と社会人になって再会する話でした。 幼い頃に愛する人に傷つけられたトラウマは重く 遼の行…
トオコ
ここのところ杉原さんの過去作を読んでいて、傾向がちょっと違うけどそれなりに面白いと思っていたのですが、やっぱり今の作品の方がいいですね。 フリーの映画ライターの英之はフィルムコンテストの応募作品の中に、12年前に1ヶ月だけ家に預けられていた遼を見つける。 ほとんど口をきかない、わけありの子供だった遼。 再会した遼は映研の仲間と楽しく活動している普通の大学生へと成長していたが、やはり複…
杉原作品の持つ透明感、それは主人公の淡々とした姿もあり、ともすれば情熱を感じられずに飽きてしまうこともあるのだが、今回はその透明感をまさに題名の如く「音無き世界」でうまく映像雰囲気をイメージさせて、帯文句「気づくと、夢中になっている」な具合にのめり込ませていました。 何より、その淡泊さを1部と2部に分け、攻め視点、受け視点の構成にしたことにより補い、より入りこめる作品にしてくれています。 二段…