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杉原理生 宝井理人
美術館で会った人
ネタバレ
穏やかで、繊細な文を書く杉原さん。 好きな作品も多いですが、これは萌えに近い中立評価。 遼、そして英之がお互いに「恋」しているのかが、私にはイマイチ伝わってこなかった。 小さい頃なら親を通して得られるはずの身体の触れ合いや、家族からの愛を得られず、心を閉ざして生きてきた遼が、英之に対して求めているものが、どうしても家族愛に見えてしまう。 10年越しに再会してから、人との繋がりに…
藤棚
メインカップルが割と簡単に体の関係を結んでしまったので。 やや拍子抜けをした部分もあったのですが。 その後、心の距離がなかなか埋まらないのが、 じれったくて仕方ありません。 端から見れば十分、「君は恋をしているんだよ」という状態なのに、 それを認めない(認められない?)遼。 頑なな遼の雪解けを、急がず、優しく待っている英之。 そんな二人の静かだけれども情熱的な心の交流が、 どち…
雀影
この作品、すごく好みです。 ゆっくり、慎重に、遼の心に踏み込んでいく、英之の丁寧さがいいです。 それを受けて、自分で、しっかり、自分の心と向き合う遼も好ましい。 杉原さんの作品楽しみ所は、「恋愛している自分を、自覚して」、「受け入れる」過程だと思っているので、杉原さんらしさをとても堪能できた。 また、遼は、子どもの頃のトラウマ故か、自分の中での心と体の繋がりが希薄で、 割合と簡単にセ…
久江羽
もどかしいのは杉原さんの十八番みたいなもんですから、まぁいいとして、今回はいつも以上に淡々とお話が進みます。 お話の半分くらいは12年前のことを振り返っている感じなのですが、主人公の一人、映画ライターの水原英之は16歳から28歳の今まで、始終落ち着いているのです。 取り乱すとか激昂するとかそういうことが無い。 父親が小学生の遼を預かってきた時も、思いがけず再会したときも非常に淡々と受け入…
かにゃこ
杉原さんの作品は、独特な湿り気があって ちょっと手暗がりのような空間に入り込むような雰囲気があります。 そして圧倒的に再会モノ、●年片思いみたいなパターンが多い。 頭で理解するまで片思いが続くような・・・ 今回の作品も1ヶ月だけ一緒に暮らした 言葉を話さなくなった小学生と高校生が 大学生と社会人になって再会する話でした。 幼い頃に愛する人に傷つけられたトラウマは重く 遼の行…
トオコ
ここのところ杉原さんの過去作を読んでいて、傾向がちょっと違うけどそれなりに面白いと思っていたのですが、やっぱり今の作品の方がいいですね。 フリーの映画ライターの英之はフィルムコンテストの応募作品の中に、12年前に1ヶ月だけ家に預けられていた遼を見つける。 ほとんど口をきかない、わけありの子供だった遼。 再会した遼は映研の仲間と楽しく活動している普通の大学生へと成長していたが、やはり複…
茶鬼
杉原作品の持つ透明感、それは主人公の淡々とした姿もあり、ともすれば情熱を感じられずに飽きてしまうこともあるのだが、今回はその透明感をまさに題名の如く「音無き世界」でうまく映像雰囲気をイメージさせて、帯文句「気づくと、夢中になっている」な具合にのめり込ませていました。 何より、その淡泊さを1部と2部に分け、攻め視点、受け視点の構成にしたことにより補い、より入りこめる作品にしてくれています。 二段…
miicha
「世界が終わるまできみと」で杉原さんにはまって何作か続けて読みました。 が、ちょっとスロー展開ラブに自分がじれてきたのか(オイ)、 ここ何作かはちょこっとだけスルーしてきました(汗) でも、久しぶりに読むと 「やっぱりこの文章の美しさはときめく~」 とばかりに一気にスルスル読めてしまいました。 杉原さんの場合、正直、キャラ萌えより文章萌えの度合いのほうが高いのかな…。 (自分の場…
杉原理生 木下けい子
ともふみ
萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い) 高校時代からの親友でゲイ・矢萩×ノンケだけど矢萩は特別…?な水森の、高校時代から続く焦れったいにもほどがある12年越しの恋話。 思いっきり悶えたい時に最適な作品。 「好き」ってどっちかが言えばいいじゃねーかーかーかーー…(エコー)と言ってしまいたくなるもどかしさこそが魅力のお話でした。 どうみても両想いな二人が、友人と恋人のボーダー上でじりじりやって…
まきぷん
少し不器用な大人の遠回りだけど、確実に寄り添っていく二人の気持ちが見事に表現されていると思いました。。 大きなハプニングも、のたうち回るようなキザなセリフもありませんが、読んでいて二人の空気に引き込まれました。 木下けい子さんの挿し絵がまたピッタリ。 読後はその後の二人を想像して、ほっこりと温かい気持ちになれます。 こんなカップルには性別問わず憧れてしまいます。 お気に入りの一…