杉原理生さんのレビュー一覧

神獣と騎士 小説

杉原理生  サマミヤアカザ 

壮大な異世界ファンタジー

異世界の騎士と高校生の、RPG要素を含む(?)ラブストーリーです。380ページと分厚く、読み応えたっぷりです。分厚いけど、先がどうなるのか気になって、ドキドキしながら一気に読みました。

主人公の類は、祖母の死の際に、高坂家に代々伝わる不思議な本と子供の頃に欲しがった剣の形をしたペーパーナイフを受け継ぎます。そこから始まる不思議な日常と、逃れられない運命の歯車に類は巻き込まれていきます。
そ…

11

猫の国へようこそ 小説

杉原理生  テクノサマタ 

可愛いのてんこ盛り

すごい可愛い。初心な透耶の反応がいちいち可愛い。にゃあにゃあいうのも可愛いし、ミミズクにキスされて「ふーっ、ふーっ」と威嚇するのも可愛い。猫の姿で夏来秋生とじゃれあうのも可愛い。とにかく可愛いのてんこ盛り。
そして紀理はひたすら優しい。紀理だけでなくてミミズクや鈴、工藤さんもみんな優しい。
透耶があやかし猫になった経緯はせつないけど、そのせつなささえスパイスと感じるぐらい、可愛くて優しい。

4

世界が終わるまできみと 小説

杉原理生  高星麻子 

もうちょっと細かいところまで

 主人公の速水有理は、母親が入院中のため、父親と3人で生活をしていた。
 ところが、母親の入院費など、徐々に生活費に困るようになり、やがて3人は、父親の友人である高宮の家に身を寄せることになる。
 そこには、有理と同い年の怜人という息子がいた。
 怜人には怜人の複雑な事情があり、二人は互いに惹かれ合っていく。
 けれど、有理の母親が息を引き取ったことで、その歪な同居生活も終わりを告げる。

1

いとしさを追いかける 小説

杉原理生  麻々原絵里依 

過去→未来の2部構成

前半「テレビの夜」と後半「いとしさを追いかける」の2編からなる1冊。
過去に途切れた関係を修復させる、再開ものです。

杉原さんの御本はそんなに多く読んだわけではありませんが、どれを読んでも作者象がぶれていない稀有な方だと思います。いつでも思ったとおりのイメージをくれる作家さんです。

「テレビの夜」
1歳差の先輩と後輩のお話。
主人公の杜国は母子家庭で育ち、入学した高校に母親が愛人…

1

猫の国へようこそ 小説

杉原理生  テクノサマタ 

可愛い可愛い癒されるお話です

テクノサマタさんの可愛らしい表紙がそそられる、杉原さんのファンタジー作品。
と言っても元は現実世界にいた受けが死んで?猫の国へやってきたというお話なため、全くの異世界ファンタジーではありません。
そのため、ファンタジーが苦手な方も読みやすいと思います。

**********************
受けの透耶は、猫としての生を終え、猫の国の住人となったあやかし猫。
人でいうなら高校生…

10

スローリズム 小説

杉原理生  木下けい子 

スローペースでマイペース

タイトル通り、ほんとにスローペースな恋のお話。

本書が始まるずっと以前から二人の関係は始まっていて、それが非常にスローです。長い間親友で、何も変わっていないし、これで完結しているとも言える、この先も変わらないであろう関係を長年続けています。
それを変えるには物語的には、何か大きな外からの圧力か、内面の圧力…もう我慢できない!みたいな気持ちの高まりが必要に思えますが、これといって大きな事件は…

1

37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

本当に大人になってからの恋

迷ったけどやっぱりすばらしい作品だと思ったので神評価で!

大人になってから、学生時代、体の関係だけ持った友人と再会するお話。
主人公の野田は屈折した性格で理解しがたく、非常に面白いです。
最初は若杉のほうが変わったキャラクターなのかと思いますが、読んでると次第に野田がどれだけ面倒なキャラかわかってきます…。

大人になって再会し、いろいろあって、学生のころのあれは恋だったと今更ながら…

6

猫の国へようこそ 小説

杉原理生  テクノサマタ 

すこし悲しいけど、みんな優しいお話

不思議な話でした。
記憶を無くした「透耶」が気が付いたのは「あやかし猫の住む猫の国」
とぎれとぎれの 記憶をたどっていく。
かわいい子猫の夏来と秋生に癒され、
助けてくれた紀理に魅かれながら、
猫の国を過ごしていく。
記憶のなかの自分に、不安と疑惑を感じながらも
猫の国を過ごしていく。

「闇の狐」に襲われ人間界に戻ったことで、真実が
明らかになった。

すこし悲しい事実を…

7

猫の国へようこそ 小説

杉原理生  テクノサマタ 

猫の国!

杉原先生にしては珍しいファンタジー。
先日でたChara文庫の「星に願いをかけながら」が定番のじれじれ杉原節に対して、こちらは「夜の種族」シリーズに通じる異世界と現世界、二つの世界を舞台にしたお話。

目覚めたら、自分がいたのは猫の国。
頭には猫の耳、お尻にしっぽも生えている。
でも、目覚める前のことはおぼろげにしか思い出せない。
自分の顔は、自分のことをかわいがってくれていた男の子の…

5

星に願いをかけながら 小説

杉原理生  松尾マアタ 

星は何でも知っている

すごくシンプルで、緩やかで優しいお話でした。
好みはわかれそうですが、私にはかなりツボです!


昔から少し女の子っぽいところがあり、ゲイである慧(けい)。
慧の友人俊之の弟、無愛想でもの静かな海里(かいり)。
10年前に引っ越してしまった、お隣に住んでいた初恋相手の弟。
ツラい想い出の相手、あの頃いつもその隣にいた小さな弟。
慧は、仕事で訪れた喫茶店でアルバイトをする海里と偶然再…

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