水原とほるさんのレビュー一覧

悲しみの涙はいらない 小説

水原とほる  ヤマシタトモコ 

David Loweのように

文語体を使いますのでご注意を。

正直最初はさしたる期待をしていなかったのだが、一読後評者の期待を大きく裏切っていい作品になっていることに驚愕した。
まず、主人公がどこまでいじらしいのだろうかと思えてならない。完膚なきまでに自己を否定された地点からどのような語りが生まれるのかということに大きなスポットが当てられる。
ついで、マスキュランな男性を水原が否定・排除していることも大きな特徴であろ…

5

箍冬 -cotoh- 小説

水原とほる  高緒拾 

鬼畜「夏陰」の続編

表現はハードなのかも知れませんが、私は前作「夏陰」よりもあまあまになってると思いました→岡林。
どこがぁ~~~~~ってツッコミ入れられるかも知れませんが、夏陰の方では雪洋に対してどこかよくわからずに暴力振るっていた印象があったのです。
自分でもよくわからないけど……みたいな。
でも今回はどう見ても執着、嫉妬。
とにかくほしいぃ~~~っていう前回から、自分には絶対に欲しい人間(モノ)だから逃…

10

悲しみの涙はいらない 小説

水原とほる  ヤマシタトモコ 

不器用な足長おじさんと健気な少年の切ない愛

泣けるお話でした。切なさや痛さと優しさが絶妙に調和していて、読後は温かい感動に満たされます。

遥(受)の境遇はひたすら悲惨ですが、彼は「涙はよけいに惨めにするだけ」と決して涙を見せません。健気さがいじらしいです。同時にどこか達観したところが、年齢不相応で、彼の境遇の悲惨さを物語るようで、切なくなります。 

一方の国枝(攻)は、何を考えているか分からない男。気まぐれから遥を引き取り、生活…

6

氷面鏡 小説

水原とほる  真生るいす 

双子救済のおはなし

親の愛に恵まれなかった双子の高校生と、男の恋人と別れたばかりの大学講師・見城のお話。

事情があって離れて暮らし、大きくなってから家族になった双子の陸と郁。
父親は無く母親は多忙という、子供にとっては寂しい家庭環境の中、半身として惹かれあい身体をつなげるようになっています。
しかし、弟の郁はこの禁忌の関係に疑問を抱くようになり、陸と距離を置こうとして公園のベンチで一人物思いにふけるようにな…

0

夜夜の月 小説

水原とほる  町田九里 

愛人契約

うーん、お金と引き換えに愛人契約を結ぶとかまあ、最近は王道だよね。
べただけど最初のほうはかなり濃く背景を描いていて読んでて面白かったな。
ただ、後半はいきなり心情が変わっていってあれよあれよと進んで行っちゃったけど…。

「この部屋で眠るときは、必ず服を脱いでベットに入れ」

この一言でしょう!!
いいね!愛人と奴隷って言葉がよく似合うよvv
ただ、恋物語ってほどさわやかでも美し…

4

青水無月 小説

水原とほる  稲荷家房之介 

とにかく痛い

小さい頃両親の離婚がきっかけで離ればなれになってしまった兄の睦実と弟の達也。
母に引き取られた睦実は何不自由ない生活を送っていましたが、父に引き取られた達也は父親から虐待を受けていました。
そして父親の死がきっかけで睦実と達也は再会します。

実兄弟ものでDVということで自分的にはかなり萌えました。
弟は兄を無理矢理抱いたり殴ったりするのですが、それが終わるとまるで別人のように優しくなります。
そ…

2

ただ、優しくしたいだけ 小説

水原とほる  山田ユギ 

心の通った人になる

愛するということを知らなかった男が、好みでもなんでもなかった少年に心を育てられるお話です。

優秀な一族の中の異端児だった隆次は家族と絶縁状態にあります。
しかし、同じく風変わりな叔父・連には若い頃から世話になっていたので、彼からの無理なお願いを無視することもできません。
今回はお金の無心ではなく、絵や造形に才能を見せるものの一風変わっているハーフの少年・アズを預かってほしいというもので・…

1

夏陰 -cain- 小説

水原とほる  高緒拾 

勇気ある水原さんの原点

本棚に残っていたので、かなり気に入った作品だったのだとは思う。
2003年発売、当時すぐに買って読んだのだと思うが、どこが良かったんだろう自分。。。
でもこれで水原さんの作品を作家買いすることになって、この本が水原さんのノベルズデビューなのでその後ほとんどの本を読んでいるはず。
でも今読み返すとなんでそんなにはまったのかわからない(苦笑)

推測するに、BLにあまりないハードさに惹かれた…

4

ただ、優しくしたいだけ 小説

水原とほる  山田ユギ 

天使とのsex

叔父と隆次は、ゲイで
一族からつまはじきにされた者同士。
ふらりとやってきた風来坊の叔父が置いていったのは
イタリア人ハーフのアズ。
日本語もカタコトで、とても19歳にはみえないどこか幼さの残るアズを
二ヶ月預かることになった隆次は
悠々自適の独り住まいを乱され疎ましく思いつつも世話を焼く。

絵を描くことが好き。
モノを作ったり修復することが好きなアンニュイな雰囲気のアズは

1

小夜時雨の宿 小説

水原とほる  夏珂 

死別した恋人の弟と

佳史には付き合っている男・雄司がいました。
しかしいきなり別れを告げられ、その1年後、雄司の弟・修司が飯島のもとへやってきて雄司の死を伝えにきます。

最初は弟の修司の行動が謎でした。
佳史を兄を捨てた奴だと憎んでいるのかと思えば、兄に「佳史を頼む」と言われたからといって兄の代わりになろうとしたり。
最後にはちゃんとわかるんですけどね*
恋人の弟と関係を持つということで、兄に申し訳ない…

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