水原とほるさんのレビュー一覧

指先へと百日紅(さるすべり) 小説

水原とほる  祭河ななを 

閉鎖的な田舎の町の、内側に閉じた人間関係って、すっごく怖いな。

一人歩きする噂と無責任なイメージは、被害者がこうむる二次被害的に直海をとことん傷つけてしまいます。
誰にも手を差し伸べてもらえず直海が孤独でいるのも物凄く可哀相なんですが、それよりもっと可哀相だと感じるのは、直海自身がそれに慣れて当然だと受け入れていることです。
なんでなんで?って思っちゃう。
直海のせいだったことなんて、ただの1個もないのに!
どうしてこの子がこんなにもツライ目ばっかりに…

3

面影 小説

水原とほる  タクミユウ 

逃亡潜伏生活おいしいな…

面白かった~!
そして、最後がちょっと惜しかった><

チョイ悪なオヤジとの逃亡潜伏生活は、めくるめく官能の世界……。
で間違いはないんですが、そういうほどの生々しさもなく、必然のように見えるから、そこまでのストーリー展開がお上手なんだと思います。

受けちゃんが可愛いんですよね。
ホント、ヤクザさんたちも言いますが、頭の緩い子っぽい粗忽さで。
賢い大学に通っているのに馬鹿で迂闊で…

4

夜間診療所 小説

水原とほる  新藤まゆり 

この先生好き

内容の説明は皆さまのが詳しいのでパス
某人気の場末診療所シリーズを思い出します。
あのカップルも好きですが、個人的には先生はこっちの方が好みです。
歳食って、修羅場も潜って、多少ヨレてはいますがしたたかに医療の現場に
踏みとどまっている姿がいい感じです。
ちょっと下半身がゆるめなのといまさら初恋なんていってるのが心配ですが、
攻め君が大きな男に成長しそうなので任せて安心かも。
元彼君…

1

夜間診療所 小説

水原とほる  新藤まゆり 

問題が盛りだくさん、でも暗くない。

大学病院をドロップアウトし、都心の繁華街のはずれで夜間診療所を開いている医師・上嶋とジャーナリスト志望の苦学生・敬のお話です。
はじめは医者と患者の関係だったのですが、敬が足しげく診療所に顔を出すようになり二人の関係は年の離れた友人に、さらに恋人へと変わっていきます。
真面目で正義感溢れ純粋な敬は、どんどん上嶋になつき自分の手の内を見せ、35歳の上嶋も「初恋」だと言うほどに、心では切なく求め合…

5

午前一時の純真 小説

水原とほる  小山田あみ 

VL(ヴァイオレンスラブ)

ストーリーが悪いとかじゃなくて、ただ単に私のシュミじゃ
なかっただけなんですけどね...
SMを読み慣れていないせいか、DVを愛だと思えないせいか...
ただひたすら強姦まがいのSMエチに萌えどころがゼロでした。
作者さんがBLじゃなくてVL(ヴァイオレンスラブ)だと
あとがきで書かれていますが、まさしくその通り!
平手打ちのDVありーの、傷口を縫い針で縫いーの、
イタ過ぎて萌えれな…

3

夜間診療所 小説

水原とほる  新藤まゆり 

萌えというより、普通に面白かった

ひとクセもふたクセもある人たちが一生懸命生きている姿が好きでした。
爽やかなお話じゃないし、水原作品らしくやっぱり全体的に殺伐とした空気が流れているのですが、それでも登場人物たちがとても人情味に溢れていて重苦しさはなかったです。

受けが大学病院をやめた理由についても、確かに引きずっている過去ではあるけども、受け自身が「トラウマ」というよりももっと前向きに「医療への向き合い方を見つめなおす出…

1

指先へと百日紅 特典書き下ろしショートストーリー グッズ

先生、ぞっこんです

本編その後、直海が加納と同居を始めた様子がくすぐったく描かれています。
田舎では、災難が降りかかると近寄ってはいけない直海の見た目のきれいさも、都会へ出れば芸能プロダクションのスカウトに会うのです。
そう考えれば、直海は奇異の目で見られることもなく、人々の称賛にあたいする外見ということですから過去にとらわれることなく生活できて、出てきてよかったってことですよね。
ただ義明は心配でw
思わず…

0

指先へと百日紅(さるすべり) 小説

水原とほる  祭河ななを 

和食を食べたような、あっさりした味わい

祭河ななをさんの絵ははかなげな印象で描かれているけれど、この作品に登場する主人公達はとても強い人達でした。
辛い過去を持ち、それを諦めて受け入れてただ淡々と日常をすごす主人公・直海が、都会からやってきた、やはり心に傷を持つ高校教師の加納と、心を通わせ、互いを必要としていくお話でした。
しかし、決して傷の舐めあいではない。
一見、そんな傷を持ちながらも互いを誉め合って、力づけ会っているそんな関…

0

夜間診療所 小説

水原とほる  新藤まゆり 

さわやかな雰囲気でした。

この本ですが、もし、作家名を隠して読んだら水原作品だって気がつかないかもしれない!
最近ポジティブ受けが多く明るめのお話の傾向があるのですが、これは本当、皆ちょっと心に傷を抱えて、でも前向きに生きている(決して健気ではないが)出てくる周りの人々も口も悪かったりするけれどあったかい人々、そんな夜間診療所の姿が描かれていて、進藤まゆりさんのあっさり目の絵も相乗効果でさわやかな仕上がりでした。

1

異母兄のいる庭 小説

水原とほる  あじみね朔生 

「兄弟って重いんだ」と改めて感じた

受け目線でずっと進むんですが、私はどんどん追い詰められていく攻めの気持ちがじわじわ伝わってきて辛かったです。
攻め本人も言うけど、最初にやり方を間違ってしまったのがすべての始まり。
本当にヒドイから最初は「だからってやり方ってもんも限度もあるだろ」と腹が立つんですが、なぜか憎めないんですよね。
高校生には重すぎるものを背負いながら、それでも弱音を吐かず逃げずになんとか立っていようとする姿とか…

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