かわい有美子さんのレビュー一覧

EGOISTE(3) Fetish 小説

かわい有美子  石田育絵 

幸せな余韻

電子書籍で読了。挿絵なし。あとがきあり。

EGOISTE(3) となっていますが、サイドストーリー集といった方が良いかと。ただし、前の二巻にどハマリしてしまった方は絶対読むべきです。
白井と古谷が出会う前のそれぞれの物語を後追いで読むことによって「ああ、だからあの場面ではあんな風に感じたのね」とか「古谷がチラッと話していたあの話の全貌はこう言うことなのね(笑)」とか、ちょっと舞台裏を覗く様…

3

EGOISTE(2) 小説

かわい有美子  石田育絵 

試練を超えて美しい主人公の姿

電子書籍で読了。挿絵なし。あとがきあり。

前作ラストの『ドラマチック古谷』に絆されて、彼の元に戻った白井。研修期間が終わり、勤務医となっています。平然と二人の日常は続いていくのだけれど、この関係は不確かなものだと時折、白井は感じてしまいます。何故ならば古谷からの言葉がなく、古谷の周りに幾人かの女性の影がちらついているから。頃を同じくして、外来診察の代理をおこなってやった同僚が睡眠薬の横流しを…

6

EGOISTE 小説

かわい有美子  石田育絵 

むせかえる色気

電子書籍で読了。挿絵なし。あとがきあり。

初出が1996年でかわいさんの初単行本なのですね。
『いとし、いとしという心』が好きだと知った友人が「それならこれを読まなきゃダメッ!」と半ば強引に薦めてくれたのですが、読んで良かったわ。白井の『薄幸の美女(美人ではなく美女だと思うのよね)ぶり』が半端ない。おまけにエロスのかほりが凄い。むんむんと香るのではなく、仄かだけれど強い印象を残す香り。忘れ…

2

饒舌に夜を騙れ 小説

かわい有美子  緒田涼歌 

意外と漫才コンビな二人かと

SATを舞台にした話です。
SATとは特殊急襲部隊(Special assault team)の事で、色んな作品に登場しますが、実際には内部事情は殆ど明らかにされてない部隊です。
普通に一般人がSATについて知っている事は、TVで放送された実弾訓練とテロ対策の映像の一部や、ニュースにもなった愛知長久手町立てこもり発砲事件でのSAT隊員の殉職などの「一部」の情報位だと思います。
作者さんがあと…

4

いとし、いとしという心(2) 小説

かわい有美子  南田チュン 

男女問わず京言葉は色っぽい

前作は侑央がやっと千秋への態度が和らいだ…というところで終わってたから、もどかしさが残っておりました。
なので今作の侑央の気持ちの変化が嬉しい!
今後結婚やら跡継ぎやらで揉める事必至な二人だけど、とりあえずハッピーエンドです。

本は二編に分かれてて、一つが2人の高校時代の「ユキウサギ」、もう一つが前作の続きの「啼かぬ蛍が…」。
「ユキウサギ」は読むのが辛かったです。
二人の交わらない…

1

いとし、いとしという心 小説

かわい有美子  南田チュン 

しっとりはんなり

京都が舞台の、しっとり雰囲気ある作品でした。
以下、あらすじ無視の思いつくままな感想で失礼します。

受け攻め交互視点のため、どちらの考えも分かりやすいです。
弱みに付けこんで受けの身体を貪る攻めに、受けと同じく憤りは感じました。
でも読むにつれ、攻めが不憫に思えてくるという。
受けとの約束を守るため銀行を辞め旅館を継いだが、受けの心はいつまでも兄に向いたまま。
大概の作品では受け寄…

2

いとし、いとしという心 小説

かわい有美子  南田チュン 

京都好きさんにおすすめ

京都の老舗旅館の次男と、そのお隣さんである紙屋さんの一人息子の話。

京都を全面に出した設定と世界観が、とても完成されていました。
しかしその分、京都に関する説明ばかりが目立った印象。
本当に何度も何度も、京都の老舗旅館はいかに素晴らしいのかという説明が出てきて、京都の仕事の話が出てきて、京都的ご近所付き合いの話も出てきて……、もういいかな、と途中で思ってしまった。
しかも、手を変え品を…

5

金のフォークに銀の匙 小説

かわい有美子  麻生海 

正反対の二人

童話のようなタイトルと表紙に惹かれて手にとりました。
交通事故の加害者と被害者、性格もまるで違う2人が少しずつ近付いていくお話で、タイトルもなるほどな…といった感じです。

加害者である不破はイケメンだがいつも仏頂面、無駄を嫌うため傲慢にも見えます。
対して被害者の三谷は、不破からしたらアホの子だけど人好きな性格で可愛いです(*´ω`*)
三谷に関わる事を面倒だ厄介だと思ってた不破が、徐…

3

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イラストを元にしたショート12作品

いくつか抜粋しての感想です。

夜光花「甘い薬」 イラスト:松本テマリ
保健室でもらう薬に中毒になっていく様子を見せる高校生と、保険教諭の話。危険な薬と思わせておきながら…というオチが良いなと思いました。

かわい有美子「恋愛嗜好論」 イラスト:円陣闇丸
攻×攻というテーマどおりのイケメン二人のイラスト。ストーリーが進むごとに二人の関係性が明らかになっていくのが楽しくてニヤけた作品です…

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小説リンクス8周年記念プレシャスBOOK グッズ

ショート12作品

雑誌の表紙イラストをイメージに、小説をつけられたという素晴らしい小冊子です。イラストを描かれた先生と、小説の先生とのコメントも楽しかったです。

かわい有美子「柘榴」 イラスト:斑目ヒロ(テーマ「傷」)
謎めいた男に惹かれる主人公の話です。ラストが表紙イラストの場面に…!

水戸泉「紅梅」 イラスト:高島上総(テーマ「乱交」)
帝国軍人と遊女の話ですが、部下に襲わせて自分は高見見物です…

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