とこぽん
吉利谷の印象が最初の頃から随分変わったなぁというのを、改めて感じる巻でした。丹羽や火弦達の前では父兄のような存在感で、陽明や一見に相対すると隙がなく飄々としていて、ヤクザのトップとして誰にも喰えない感じが前面に出ていた印象でしたが。彼は財前相手だと、喜怒哀楽も普段の何倍にもなるんですね。吉利谷が唯一心を許し預けているのが財前。この関係性が尊いなぁと。
やはり2人が晴れて伴侶になるまで波乱…
前巻までより吉利谷と財前を包む空気がぐっと甘さを増していて、今後の展開にさらに期待を煽る巻でした。財前を前にすると、吉利谷の表情が本当に柔らかく解けたようになりますね。心から安心できる相手、甘えたい相手なんでしょう。そういえば子供の頃から、財前の眼に映る吉利谷の表情はずっと柔らかかったですね。吉利谷の職業柄、この2人にはまだ波乱が起きそうですが、今まで散々窮地を切り抜けてきた分そろそろお互いに落…
一番大人な2人に見える、吉利谷と財前の現在と過去。激怒した一見や陽明に対しても飄々と接することができるほど、ヤクザの頭としての器を十分に備えている彼ですが、プライベートでは添い寝してもらわないと熟睡できないタチだったり、少し不安定な部分も。
吉利谷と財前、そして一見も交えた幼馴染3人が今までどんな関係を築いてきたか。3人とも昔から大人びていたのかと想像していましたが、過去編の彼らはとても…
火弦の想いが報われる巻。感無量でした。陽明の犬として、文字通り体を張って彼の命を守った火弦。自分の身を顧みない行動は痛ましさというより、むしろ神聖さすら感じられました。普通ならここで、守られた側は「もっと自分の身を大事にしろ」と言うと思うんです。でも、陽明は言わない。火弦はあくまで犬だから。陽明が心から欲しているのは、自分に仕える代わりに愛情を注いでやれる犬なんですよね。
犬、だから価値…
当シリーズのCPはどこも甲乙付けがたいと思っていましたが、5巻を読んで確信しました。私は陽明と火弦が一番好きなんだと。陽明の犬という立場を徹底し、そこからけっして逸脱しない火弦の姿勢。少なくとも私が読んできたBL漫画では、ワンコ攻めは数多く見かけましたが、彼ほど健気な犬受けはなかなかお目にかかれませんでした。相手に対して度が過ぎるほど盲目だと理解が及ばず共感できない時もあるのですが、火弦の陽明へ…
大輝の記憶喪失が思った以上に辛いなぁと、沢斗に共感するばかりの4巻でした。もちろん、沢斗の記憶を完全に失ったりもっと遡って記憶を失ったりするよりはずっといいのだけど、なまじ出会った当初の記憶はあるために完全に他人として見られているわけでもないというところがタチが悪いですよね。大輝には何の罪もないのだけど。私だって記憶喪失したけど3ヶ月だけだと聞いたらまずは良かったと安堵するでしょう。でも、この3…
ツン9割デレ1割くらいだった沢斗ですが、この巻ではデレが3割くらいになっていて段々可愛らしさが理解できるようになってきました。大輝の記憶が失われる前の束の間の蜜月だからこそでもありますが…。後の展開を知っていると、この時期大輝に見せていた沢斗のいろんな表情が切ないですね。この屈託ない笑顔を、今度はいつ見せてくれるのか…。
記憶があろうがなかろうが、大輝の本質はきっと何も変わらないはず。で…